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第四十六エロ 幽霊城
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目の前の城はかつて栄華を誇ったのであろうことは伺える。
しかし、その後数百年、あるいは数千年全く人が住まず手入れもされていなかったかのような感じだった。
入口の左右には門柱があり、かつては巨大な門があったのだろうが、現在は見当たらない。
門柱の上には欠けた石像が立っている。
「一応、ガーゴイルの石像だと言われている。昔はこの石像が動き出して侵入者を始末していたらしい」
石像を不気味そうに見上げていたルブマに向かってもっこりが言う。
「全く手入れがされていないのね」
門柱の先から玄関の扉までの間の庭にあたる部分は、雑草が好き放題伸びていた。
それを見てくびちが顔をしかめる。
「幽霊城だからね。手入れというよりも誰も住んでないから」
はあはあが苦笑いする。
どうやら怖いのを隠しているようだ。
「風を吸い込んでいる?」
アンアンはこの不思議な現象に不安を抱いているようだ。
「風を吸い込む? 何をたわけたことを言っておるのじゃアンアンは」
ばかばかしいと言わんばかりにちあが門柱の前に立つと、風がふわっと吹いて庭の雑草を撫でて玄関の扉をガタガタと揺らした。
「外から中に風が吹いておるだけじゃ」
くるりとアンアンをちあが見るとアンアンが首を左右に振った。
「あなたにも分かっているでしょ? 今私たちは風に吹かれていなかった。つまりこの門柱の先から風が突如発生したってことよ」
「それってどういうことですか?」
純純が恐々聞く。
がっちりと助態の袖にしがみついている。
「つまり」
その答えをティーパンがはっきりと言う。
「この門柱が境界線。ここより先は全くの別世界である可能性があるってことだね」
「そんなのこの死の世界に来た時もそうですし、死の国から魔界に来た時もそうですから慣れっこですね」
助態がヘラヘラ笑うとぱいおがため息をついた。
「キングコブラさんは何も分かってないっすね。引き返せないだけならいいんすよ。でも幽霊城っすよ? めっちゃ怖がるのがか弱い女の子ってもんすよ」
助態のことを勝手に付けた下半身のあだ名で呼ぶところを見ると、ぱいおは全くびびっていないのだろう。
怖がっているのは純純、ルブマ、はあはあで手入れがされていないのに嫌悪感を示しているのがくびちだ。
アンアンは得体の知れない力が働いているかもと不安がっている。
楽しそうにしているのがぱいおとちあだ。
ティーパンは相変わらずで、助態にそれでも行くかを問うている。
「もちろん行きますよ。早くこの世界から抜け出して王の口や王の手の新モンスター量産作戦を止めなきゃですし、吸収スライムを倒すために箱の庭園に行かなきゃですし、野菜軍団に占領されてる噂のアイアイも解放しなきゃですからね!」
ぐっと、助態が拳を握る。
「サイネ市のタコツボとスライム山もどうにかしなきゃだしね」
もふとももそれに同意した。
「久しぶりにアヘやハクダクにも会いたいわね」
くびちが長い赤い髪を掻き上げて助態の隣に来る。
「私は勇者様と共に」
純純は怖がりながらもくびちとは反対側の助態の隣に来た。
「み、皆さんが行くなら私も行きます! 置いてけぼりは嫌です」
慌ててルブマが助態の背中に張り付いた。
「海詠族についても知りたいんでしょ?」
アンアンもすかさず後に続いた。
「というわけで、俺たちは先に進むから。案内してくれてありがとう!」
そう言って助態たちが、ヌルヌル、はあはあ、もっこりを置いて行こうとするとその3人が止めた。
「最後まで行くよ」
ヌルヌルだ。
「責任は取らないとな」
もっこりも頷く。
「お人好しだからね」
にやっとはあはあも笑う。
こうして、誰一人欠けることなく、幽霊城へと足を踏み入れることにしたのだった。
●
幽霊城は、ちあやアンアン、ティーパンが予想した通り足を踏み入れたら二度と帰れない場所だった。
門柱を通り過ぎた瞬間、世界がぐにゃぐにゃに動き、辺りの景色が一変した。
濃い霧が立ち込める夜から急に月もない真夜中になり、後ろを振り返るとガーゴイルの石像がこちらを睨み、門柱と門柱の間には鉄でできた重たそうな巨大な門が出現していた。
「振り返らずに行こうかね勇者」
ティーパンが助態に先頭を歩くように促す。
先ほどと変わらず、雑草だけは好き放題伸びていた。
雨も降っていないのに雷が鳴り響き、上空にはコウモリが飛んでいた。
「! 気をつけろ! 草むらの中に何かいるぞ」
後方からティーパンの鋭い声がかかる。
何かの正体はなんと蛇だった。
小さくて細く緑と茶色の縞々模様の蛇だ。
「捕まえたっすー」
分厚い防具のぱいおが素手で掴むと、蛇はシャーと威嚇して鋼鉄に覆われた腕に噛みついていた。
「ふはははははー。痛くもかゆくもないわ!」
ぱいおが謎のキャラになりきったまま蛇を遠くまで投げ飛ばした。
蛇は何匹かいたが、特に毒を持っているわけではなさそうな上、ぱいおがどんどん捕まえるため、逆に助態たちに近づかなくなっていった。
「うち今めっちゃ最強じゃないっすか?」
ふおおー!と雄たけびを上げながら蛇を狩る姿は何とも間抜けだった。
そんな相変わらずの緊張感のない行程で幽霊城の扉までたどり着いた。
「開けます」
そう一声かけてから助態が扉を押した。
「ギィィィィィィー」
木が軋むような派手な音を立てて扉が開かれ、幽霊城の中の様子が露見された。
何百、何千年と手入れされていないはずなのに、遠く長く伸びる廊下の両端には定期的に燭台が掛けられており、蝋燭には火が灯っていた。
城内は、ユラユラ揺れる蝋燭の明かりだけでは廊下の全容は見えず、薄暗いを通り越してほとんど真っ暗と言ってよかった。
足元には絨毯でも敷かれているのかと勘違いするほどの埃が積もっていた。
埃のおかげで、助態たちの足音はかき消された。
燭台と燭台の間には、かつての城の主の趣味だったのか絵画が飾られていた。
全てが人物像で、その目がどこまで行っても追ってきていた。
「気味が悪いね」
永遠と続くのではないかと思われる、絵画と蝋燭だけの廊下を歩きながらもふともがうんざりして言う。
「俺のいた世界ではなんか、こういう技法みたいのあったぞ。なんて言うのか忘れたけど、むしろどこの角度から見ても目が合うように描かれているのはすごいみたいに賞賛されてたよ」
助態がたいくつなウンチクを披露するが、やはり他の者にとっては絵の目が追いかけてくるのは気持のいいものではないようだ。
それに、いくら助態が前の世界でそういう技法があると知っているとはいえ、なんだかこの絵には本物の生気というものを感じる。
「なんか、本当に生きているみたいじゃ」
ちあが1枚の絵に触れようとすると、絵の中から住人が飛び出した。
「獲物だぁー!」
瞬間、全員が攻撃をするよりも前にちあが絵の中に攫われてしまった。
「ちあ! ちあ! ちあー!」
「まずいねぇ」
助態は辺りをキョロキョロしながらちあの名を叫び、もふともは短く舌打ちをした。
「まずいのはこっちもなんじゃないの?」
どうやらちあを攫ったであろう絵の住人が、助態たちを敵だと見なしたようだ。
「倒していいのか?」
助態がはあはあともっこりに訊くと、2人が頷いてそれぞれ答えた。
「絵だけど水に弱いとは限らないから注意して」
「どこかに絵と繋がってる場所があるはずだ」
「けどこんな怪しい場所で二手に分かれるのは危険よ?」
くびちが助態にどうする? と問う。
「ちあを助けるのを最優先したい」
即答だった。
「決まりだね。それならこいつらと戦う必要なんてないだろ?」
ティーパンとぱいおが最後尾で敵をくい止め、ティーパンが魔力切れになったらもふともがティーパンを担ぐという段取りで、全員は先を急ぐことにした。
「まずはこの長い廊下を抜け出したいですね」
前方が真っ暗闇なので、ルブマが弓を構えながら言う。
「あぁ。ルブマ俺より先に行くな危ないぞ」
隣で助態が頷く。
「勇者様こそみんなから離れ過ぎたら危険です」
ルブマの逆隣りで純純が注意する。
焦る気持ちも分かるが落ち着くように。と。
絵の敵はある程度離れると追って来なくなった。
「移動範囲ってのがあるのかもね」
魔力が切れてはいないものの、少しでも回復させるためにもふともに担がれながらティーパンが分析する。
「扉だ」
前方を指さしてヌルヌルが言う。
廊下の突き当りに大きな扉が1つだけポツンとあった――
しかし、その後数百年、あるいは数千年全く人が住まず手入れもされていなかったかのような感じだった。
入口の左右には門柱があり、かつては巨大な門があったのだろうが、現在は見当たらない。
門柱の上には欠けた石像が立っている。
「一応、ガーゴイルの石像だと言われている。昔はこの石像が動き出して侵入者を始末していたらしい」
石像を不気味そうに見上げていたルブマに向かってもっこりが言う。
「全く手入れがされていないのね」
門柱の先から玄関の扉までの間の庭にあたる部分は、雑草が好き放題伸びていた。
それを見てくびちが顔をしかめる。
「幽霊城だからね。手入れというよりも誰も住んでないから」
はあはあが苦笑いする。
どうやら怖いのを隠しているようだ。
「風を吸い込んでいる?」
アンアンはこの不思議な現象に不安を抱いているようだ。
「風を吸い込む? 何をたわけたことを言っておるのじゃアンアンは」
ばかばかしいと言わんばかりにちあが門柱の前に立つと、風がふわっと吹いて庭の雑草を撫でて玄関の扉をガタガタと揺らした。
「外から中に風が吹いておるだけじゃ」
くるりとアンアンをちあが見るとアンアンが首を左右に振った。
「あなたにも分かっているでしょ? 今私たちは風に吹かれていなかった。つまりこの門柱の先から風が突如発生したってことよ」
「それってどういうことですか?」
純純が恐々聞く。
がっちりと助態の袖にしがみついている。
「つまり」
その答えをティーパンがはっきりと言う。
「この門柱が境界線。ここより先は全くの別世界である可能性があるってことだね」
「そんなのこの死の世界に来た時もそうですし、死の国から魔界に来た時もそうですから慣れっこですね」
助態がヘラヘラ笑うとぱいおがため息をついた。
「キングコブラさんは何も分かってないっすね。引き返せないだけならいいんすよ。でも幽霊城っすよ? めっちゃ怖がるのがか弱い女の子ってもんすよ」
助態のことを勝手に付けた下半身のあだ名で呼ぶところを見ると、ぱいおは全くびびっていないのだろう。
怖がっているのは純純、ルブマ、はあはあで手入れがされていないのに嫌悪感を示しているのがくびちだ。
アンアンは得体の知れない力が働いているかもと不安がっている。
楽しそうにしているのがぱいおとちあだ。
ティーパンは相変わらずで、助態にそれでも行くかを問うている。
「もちろん行きますよ。早くこの世界から抜け出して王の口や王の手の新モンスター量産作戦を止めなきゃですし、吸収スライムを倒すために箱の庭園に行かなきゃですし、野菜軍団に占領されてる噂のアイアイも解放しなきゃですからね!」
ぐっと、助態が拳を握る。
「サイネ市のタコツボとスライム山もどうにかしなきゃだしね」
もふとももそれに同意した。
「久しぶりにアヘやハクダクにも会いたいわね」
くびちが長い赤い髪を掻き上げて助態の隣に来る。
「私は勇者様と共に」
純純は怖がりながらもくびちとは反対側の助態の隣に来た。
「み、皆さんが行くなら私も行きます! 置いてけぼりは嫌です」
慌ててルブマが助態の背中に張り付いた。
「海詠族についても知りたいんでしょ?」
アンアンもすかさず後に続いた。
「というわけで、俺たちは先に進むから。案内してくれてありがとう!」
そう言って助態たちが、ヌルヌル、はあはあ、もっこりを置いて行こうとするとその3人が止めた。
「最後まで行くよ」
ヌルヌルだ。
「責任は取らないとな」
もっこりも頷く。
「お人好しだからね」
にやっとはあはあも笑う。
こうして、誰一人欠けることなく、幽霊城へと足を踏み入れることにしたのだった。
●
幽霊城は、ちあやアンアン、ティーパンが予想した通り足を踏み入れたら二度と帰れない場所だった。
門柱を通り過ぎた瞬間、世界がぐにゃぐにゃに動き、辺りの景色が一変した。
濃い霧が立ち込める夜から急に月もない真夜中になり、後ろを振り返るとガーゴイルの石像がこちらを睨み、門柱と門柱の間には鉄でできた重たそうな巨大な門が出現していた。
「振り返らずに行こうかね勇者」
ティーパンが助態に先頭を歩くように促す。
先ほどと変わらず、雑草だけは好き放題伸びていた。
雨も降っていないのに雷が鳴り響き、上空にはコウモリが飛んでいた。
「! 気をつけろ! 草むらの中に何かいるぞ」
後方からティーパンの鋭い声がかかる。
何かの正体はなんと蛇だった。
小さくて細く緑と茶色の縞々模様の蛇だ。
「捕まえたっすー」
分厚い防具のぱいおが素手で掴むと、蛇はシャーと威嚇して鋼鉄に覆われた腕に噛みついていた。
「ふはははははー。痛くもかゆくもないわ!」
ぱいおが謎のキャラになりきったまま蛇を遠くまで投げ飛ばした。
蛇は何匹かいたが、特に毒を持っているわけではなさそうな上、ぱいおがどんどん捕まえるため、逆に助態たちに近づかなくなっていった。
「うち今めっちゃ最強じゃないっすか?」
ふおおー!と雄たけびを上げながら蛇を狩る姿は何とも間抜けだった。
そんな相変わらずの緊張感のない行程で幽霊城の扉までたどり着いた。
「開けます」
そう一声かけてから助態が扉を押した。
「ギィィィィィィー」
木が軋むような派手な音を立てて扉が開かれ、幽霊城の中の様子が露見された。
何百、何千年と手入れされていないはずなのに、遠く長く伸びる廊下の両端には定期的に燭台が掛けられており、蝋燭には火が灯っていた。
城内は、ユラユラ揺れる蝋燭の明かりだけでは廊下の全容は見えず、薄暗いを通り越してほとんど真っ暗と言ってよかった。
足元には絨毯でも敷かれているのかと勘違いするほどの埃が積もっていた。
埃のおかげで、助態たちの足音はかき消された。
燭台と燭台の間には、かつての城の主の趣味だったのか絵画が飾られていた。
全てが人物像で、その目がどこまで行っても追ってきていた。
「気味が悪いね」
永遠と続くのではないかと思われる、絵画と蝋燭だけの廊下を歩きながらもふともがうんざりして言う。
「俺のいた世界ではなんか、こういう技法みたいのあったぞ。なんて言うのか忘れたけど、むしろどこの角度から見ても目が合うように描かれているのはすごいみたいに賞賛されてたよ」
助態がたいくつなウンチクを披露するが、やはり他の者にとっては絵の目が追いかけてくるのは気持のいいものではないようだ。
それに、いくら助態が前の世界でそういう技法があると知っているとはいえ、なんだかこの絵には本物の生気というものを感じる。
「なんか、本当に生きているみたいじゃ」
ちあが1枚の絵に触れようとすると、絵の中から住人が飛び出した。
「獲物だぁー!」
瞬間、全員が攻撃をするよりも前にちあが絵の中に攫われてしまった。
「ちあ! ちあ! ちあー!」
「まずいねぇ」
助態は辺りをキョロキョロしながらちあの名を叫び、もふともは短く舌打ちをした。
「まずいのはこっちもなんじゃないの?」
どうやらちあを攫ったであろう絵の住人が、助態たちを敵だと見なしたようだ。
「倒していいのか?」
助態がはあはあともっこりに訊くと、2人が頷いてそれぞれ答えた。
「絵だけど水に弱いとは限らないから注意して」
「どこかに絵と繋がってる場所があるはずだ」
「けどこんな怪しい場所で二手に分かれるのは危険よ?」
くびちが助態にどうする? と問う。
「ちあを助けるのを最優先したい」
即答だった。
「決まりだね。それならこいつらと戦う必要なんてないだろ?」
ティーパンとぱいおが最後尾で敵をくい止め、ティーパンが魔力切れになったらもふともがティーパンを担ぐという段取りで、全員は先を急ぐことにした。
「まずはこの長い廊下を抜け出したいですね」
前方が真っ暗闇なので、ルブマが弓を構えながら言う。
「あぁ。ルブマ俺より先に行くな危ないぞ」
隣で助態が頷く。
「勇者様こそみんなから離れ過ぎたら危険です」
ルブマの逆隣りで純純が注意する。
焦る気持ちも分かるが落ち着くように。と。
絵の敵はある程度離れると追って来なくなった。
「移動範囲ってのがあるのかもね」
魔力が切れてはいないものの、少しでも回復させるためにもふともに担がれながらティーパンが分析する。
「扉だ」
前方を指さしてヌルヌルが言う。
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