30 / 46
第三章
二. 甘え上手とお節介(三)
しおりを挟む
今日は音楽番組の生出演で、オーバー・ザ・レインボウのメンバーはテレビ局に来ている。建物には子会社のFMシー・サイド・ステーションも同居しており、ワタルたちはラジオ番組の収録でもたびたび訪れていた。今から入る音楽番組のスタジオとはフロアこそ違うが、エレベーターやカフェテリアなど共通の場所も多くもある。出演のたびにワタルは沙樹と偶然会えることを期待するが、一度もすれ違うことさえなかった。
だがその日は珍しく、一階で沙樹がエレベーターを待っているのを見つけた。ワタルたちがフロントドアから入ってきたのに気づかず、手元のファイルに目を通している。
オーバー・ザ・レインボウのラジオ番組に沙樹も関わっているので、挨拶を交わすのは自然なことだ。偶然隣り合わせたふりをして、ワタルは沙樹に声をかけようと決めた。ところがちょうどそのタイミングだ。
「あっ、ワタルさーん、おはようございまーす」
沙樹まであと数メートルというところで、ワタルは呼び止められた。ふりかえると梢が駆け寄ってくる。
「オーバー・ザ・レインボウも『ミュージック・ストリート』に出るんですか?」
「そうだよ」
沙樹との会話を邪魔されて、ワタルはまたこのパターンかと、心の中で肩を落とす。だがそんなそぶりは一切見せず、いつもと同じ笑顔を作る。起伏する感情をそのまま相手にぶつけるのは、子供じみた行動だ。ワタルはリーダーとして冷静に動くことを心がけているうちに、あからさまな感情表現を避けるようになった。
「うふふ、実はあたしも出るんですよ。生番組に慣れなくて不安だったけど、ワタルさんを見たら安心しちゃった」
「おれも本番前は緊張するよ。コンサートと違って、全国ネットだからね。目の前に観客はいなくても、カメラを通して何百万人という人が見ているかと思うと、いまだに身震いすることがあるんだ」
「意外ぃ。ワタルさんでもそんなことがあるんだ。いつも落ち着いて見えるのに。あたしみたいな歌手になりたてが緊張するのも無理ないのね」
「ワタル、おれたち先に行くぜ」
梢と立ち話をしていると、哲哉がしびれを切らした。
「あ、ああ……」
四人の仲間はワタルをおいてエレベーターの前に立った。哲哉たちと沙樹は互いに気がついたようで、何やら話している。途中で沙樹はこちらをふりかえったが、ワタルと目が合うことはなかった。
エレベーターの到着を知らせるチャイムが鳴り、沙樹はワタルに気づかないまま、哲哉たちと一緒に乗った。
簡単な挨拶以上の会話はできなかったかもしれないが、直接話せるチャンスだった。それを梢に邪魔された。悪気がないのはわかっているので、文句を言う筋合いはない。
やるせない気持ちで、ワタルは梢と並んでエレベーターの到着を待つ。
「ねえワタルさん、番組のあと、次の仕事ってあります?」
「今日はこれで終わりだよ」
「じゃあ一緒にお食事しましょ。家庭教師のお礼をさせて」
「そんな気遣いはいらない。だから今日は……」
断るつもりでそう言ったが、
「素敵なお店を見つけたの。個室があるから人の目を気にしなくていいのよ」
梢は店のサイトをスマートフォンに表示させ、邪気のない笑みを浮かべてワタルに見せた。笑顔が妹の詩織と重なるなと思っているうちに、ワタルは断るタイミングを逃した。
「梢、またそんな無理を言って北島さんを困らせるんじゃないの」
マネージャーの森下が、唐突に助け舟を出す。一足遅れでやってきたのは、駐車場に車をまわしていたからだろう。
「ワタルさんはOKしてくれたもん。それにもう予約しちゃった」
梢はワタルの左側に立つと、いきなり腕を組んできた。そして目をパチパチさせて「そうですよね」と相槌を求めた。
行くと返事をした覚えはないんだが、とワタルは心の中でため息をつく。
今日もまた沙樹との時間を奪われた。思うまま強引にことを進める梢に対し、断れない状況に追い込まれたことに加え、妹という存在に自分がこんなにも弱かったのかと驚く。
次はキッパリと断るぞと決意をしつつ、ワタルは梢たちとエレベーターに乗り、スタジオに移動した。
オンエア中もテレビに映っていない隙をみて、梢はワタルに積極的に話しかけてくる。CMに入った直後、司会者に「梢ちゃん、ワタルさんにべったりだね」と微笑みとともに指摘された。すると梢は嬉しそうに頬を染め「だってあたし、オーバー・ザ・レインボウがデビューしたときからワタルさんのファンだったの。こうしておしゃべりできるようになって嬉しいんですよ」と照れながらも堂々と答えた。
他の出演者やスタッフがワタルと梢を見ながら、こそこそと会話を始める。ベテランの女性歌手には「あら、もしかしておふたり、いいムードなの?」とからかわれた。慌てて否定するワタルをよそに、梢は真っ赤になってうつむく。和やかな空気ができる一方で、哲哉は「少しは慎めよ」と小声で忠告しながらワタルを肘でつついた。
こういうことが今後も続くのかと思うと、わがまま娘になれたつもりのワタルでも、心配になってきた。
☆ ☆ ☆
「お疲れさまでした。今日と明日はオフなんで、しっかり休養してくださいね。来週には北海道に飛ぶんですから」
「細井くんもな。荷物運びの手伝いもありがとう。じゃあまた明後日」
ワタルはオーバー・ザ・レインボウのコンサートツアーで地方をまわり、一週間ぶりに自宅に戻った。荷物を運んでくれた細井は最近付き人になったばかりの新人で、頼りないところもある。だが元気いっぱいで何事も積極的に動き、仕事の呑み込みも早い。ベースの腕も確かで、次のアルバムではサポートメンバーでレコーディングに参加してもらうつもりだ。
一週間ぶりの我が家は夏本番を迎え、締め切った部屋にいるとあっという間に汗だくになる。ワタルは窓を全開にし、空気を入れ替えた。日当りのいい場所におかれた観葉植物は、弱ることなく元気な姿でワタルを迎える。留守の間、沙樹が水やりに来てくれたようだ。
今日こそは連絡を入れて会う約束をとりつけよう。やっととれた休みだから一緒に過ごしたい。仕事帰りに寄ってもらおうか。朝自宅まで送れば、二日続けて同じ服で出勤せずに済む。電車で一駅しか離れていない距離に互いの部屋を決めたのは、こういう事態にも備えられるからだ。
今日のことで考えを巡らせているうちに、空気の入れ替えが終わった。エアコンをつけると冷たい風が吹いてきて、肌ににじんだ汗が引いていく。タバコに火をつけ、ワタルはソファに腰を下ろした。
時計の針は午後二時を差している。沙樹は夕方から始まる生放送の準備をしているころだ。スマートフォンの電源はオフになっているから、メッセージを送ることにした。
ワタルはタバコをくわえ、スマートフォンを手にした。電話不精で筆不精だから、いざ書こうとすると出だしからつまずく。用件のみでは無粋すぎるし、絵文字やデコレーションで飾るようなものは書けない。どこまで言葉を重ねればよいかでいつも落とし所に悩み、気がつけば書き出しまでに五分以上かかることも珍しくない。
「作詞だったらここまで苦労しないのにな」
タバコを灰皿において独り言ちると、文章をまとめるためにソファを立ってキッチンに入った。頭の中で文言をいろいろと並べつつコーヒーを淹れる。拝啓や前略みたいな言葉は不要だが、箇条書きだと業務連絡みたいで味気ない。浮かぶ単語が多すぎて、用件を伝えるだけの連絡が歌詞に化けてしまいそうだ。
「まあ、すぐに連絡しなきゃいけないわけでもないし。仕事の終わったころを見計らって、電話をかけることにするか」
メッセージの書き方で悩みすぎて、自分が電話不精なことをすっかり忘れている。他の人には悩まないのに、沙樹が相手だとなぜだか苦労の連続だ。
ワタルはマグカップを手にしてリビングに戻り、ガラステーブルの上においた。スマートフォンを片手にソファーに寝ころんだとき、急に着信音が鳴り響く。こんな時間にかけてくる人物に心当たりがない。訝しく思いながらディスプレイを見て、ワタルは思わず声をあげた。
「……え? なんの要件だろう」
そこに表示されていたのはKAという文字で、浅倉梢を示すものだった。
だがその日は珍しく、一階で沙樹がエレベーターを待っているのを見つけた。ワタルたちがフロントドアから入ってきたのに気づかず、手元のファイルに目を通している。
オーバー・ザ・レインボウのラジオ番組に沙樹も関わっているので、挨拶を交わすのは自然なことだ。偶然隣り合わせたふりをして、ワタルは沙樹に声をかけようと決めた。ところがちょうどそのタイミングだ。
「あっ、ワタルさーん、おはようございまーす」
沙樹まであと数メートルというところで、ワタルは呼び止められた。ふりかえると梢が駆け寄ってくる。
「オーバー・ザ・レインボウも『ミュージック・ストリート』に出るんですか?」
「そうだよ」
沙樹との会話を邪魔されて、ワタルはまたこのパターンかと、心の中で肩を落とす。だがそんなそぶりは一切見せず、いつもと同じ笑顔を作る。起伏する感情をそのまま相手にぶつけるのは、子供じみた行動だ。ワタルはリーダーとして冷静に動くことを心がけているうちに、あからさまな感情表現を避けるようになった。
「うふふ、実はあたしも出るんですよ。生番組に慣れなくて不安だったけど、ワタルさんを見たら安心しちゃった」
「おれも本番前は緊張するよ。コンサートと違って、全国ネットだからね。目の前に観客はいなくても、カメラを通して何百万人という人が見ているかと思うと、いまだに身震いすることがあるんだ」
「意外ぃ。ワタルさんでもそんなことがあるんだ。いつも落ち着いて見えるのに。あたしみたいな歌手になりたてが緊張するのも無理ないのね」
「ワタル、おれたち先に行くぜ」
梢と立ち話をしていると、哲哉がしびれを切らした。
「あ、ああ……」
四人の仲間はワタルをおいてエレベーターの前に立った。哲哉たちと沙樹は互いに気がついたようで、何やら話している。途中で沙樹はこちらをふりかえったが、ワタルと目が合うことはなかった。
エレベーターの到着を知らせるチャイムが鳴り、沙樹はワタルに気づかないまま、哲哉たちと一緒に乗った。
簡単な挨拶以上の会話はできなかったかもしれないが、直接話せるチャンスだった。それを梢に邪魔された。悪気がないのはわかっているので、文句を言う筋合いはない。
やるせない気持ちで、ワタルは梢と並んでエレベーターの到着を待つ。
「ねえワタルさん、番組のあと、次の仕事ってあります?」
「今日はこれで終わりだよ」
「じゃあ一緒にお食事しましょ。家庭教師のお礼をさせて」
「そんな気遣いはいらない。だから今日は……」
断るつもりでそう言ったが、
「素敵なお店を見つけたの。個室があるから人の目を気にしなくていいのよ」
梢は店のサイトをスマートフォンに表示させ、邪気のない笑みを浮かべてワタルに見せた。笑顔が妹の詩織と重なるなと思っているうちに、ワタルは断るタイミングを逃した。
「梢、またそんな無理を言って北島さんを困らせるんじゃないの」
マネージャーの森下が、唐突に助け舟を出す。一足遅れでやってきたのは、駐車場に車をまわしていたからだろう。
「ワタルさんはOKしてくれたもん。それにもう予約しちゃった」
梢はワタルの左側に立つと、いきなり腕を組んできた。そして目をパチパチさせて「そうですよね」と相槌を求めた。
行くと返事をした覚えはないんだが、とワタルは心の中でため息をつく。
今日もまた沙樹との時間を奪われた。思うまま強引にことを進める梢に対し、断れない状況に追い込まれたことに加え、妹という存在に自分がこんなにも弱かったのかと驚く。
次はキッパリと断るぞと決意をしつつ、ワタルは梢たちとエレベーターに乗り、スタジオに移動した。
オンエア中もテレビに映っていない隙をみて、梢はワタルに積極的に話しかけてくる。CMに入った直後、司会者に「梢ちゃん、ワタルさんにべったりだね」と微笑みとともに指摘された。すると梢は嬉しそうに頬を染め「だってあたし、オーバー・ザ・レインボウがデビューしたときからワタルさんのファンだったの。こうしておしゃべりできるようになって嬉しいんですよ」と照れながらも堂々と答えた。
他の出演者やスタッフがワタルと梢を見ながら、こそこそと会話を始める。ベテランの女性歌手には「あら、もしかしておふたり、いいムードなの?」とからかわれた。慌てて否定するワタルをよそに、梢は真っ赤になってうつむく。和やかな空気ができる一方で、哲哉は「少しは慎めよ」と小声で忠告しながらワタルを肘でつついた。
こういうことが今後も続くのかと思うと、わがまま娘になれたつもりのワタルでも、心配になってきた。
☆ ☆ ☆
「お疲れさまでした。今日と明日はオフなんで、しっかり休養してくださいね。来週には北海道に飛ぶんですから」
「細井くんもな。荷物運びの手伝いもありがとう。じゃあまた明後日」
ワタルはオーバー・ザ・レインボウのコンサートツアーで地方をまわり、一週間ぶりに自宅に戻った。荷物を運んでくれた細井は最近付き人になったばかりの新人で、頼りないところもある。だが元気いっぱいで何事も積極的に動き、仕事の呑み込みも早い。ベースの腕も確かで、次のアルバムではサポートメンバーでレコーディングに参加してもらうつもりだ。
一週間ぶりの我が家は夏本番を迎え、締め切った部屋にいるとあっという間に汗だくになる。ワタルは窓を全開にし、空気を入れ替えた。日当りのいい場所におかれた観葉植物は、弱ることなく元気な姿でワタルを迎える。留守の間、沙樹が水やりに来てくれたようだ。
今日こそは連絡を入れて会う約束をとりつけよう。やっととれた休みだから一緒に過ごしたい。仕事帰りに寄ってもらおうか。朝自宅まで送れば、二日続けて同じ服で出勤せずに済む。電車で一駅しか離れていない距離に互いの部屋を決めたのは、こういう事態にも備えられるからだ。
今日のことで考えを巡らせているうちに、空気の入れ替えが終わった。エアコンをつけると冷たい風が吹いてきて、肌ににじんだ汗が引いていく。タバコに火をつけ、ワタルはソファに腰を下ろした。
時計の針は午後二時を差している。沙樹は夕方から始まる生放送の準備をしているころだ。スマートフォンの電源はオフになっているから、メッセージを送ることにした。
ワタルはタバコをくわえ、スマートフォンを手にした。電話不精で筆不精だから、いざ書こうとすると出だしからつまずく。用件のみでは無粋すぎるし、絵文字やデコレーションで飾るようなものは書けない。どこまで言葉を重ねればよいかでいつも落とし所に悩み、気がつけば書き出しまでに五分以上かかることも珍しくない。
「作詞だったらここまで苦労しないのにな」
タバコを灰皿において独り言ちると、文章をまとめるためにソファを立ってキッチンに入った。頭の中で文言をいろいろと並べつつコーヒーを淹れる。拝啓や前略みたいな言葉は不要だが、箇条書きだと業務連絡みたいで味気ない。浮かぶ単語が多すぎて、用件を伝えるだけの連絡が歌詞に化けてしまいそうだ。
「まあ、すぐに連絡しなきゃいけないわけでもないし。仕事の終わったころを見計らって、電話をかけることにするか」
メッセージの書き方で悩みすぎて、自分が電話不精なことをすっかり忘れている。他の人には悩まないのに、沙樹が相手だとなぜだか苦労の連続だ。
ワタルはマグカップを手にしてリビングに戻り、ガラステーブルの上においた。スマートフォンを片手にソファーに寝ころんだとき、急に着信音が鳴り響く。こんな時間にかけてくる人物に心当たりがない。訝しく思いながらディスプレイを見て、ワタルは思わず声をあげた。
「……え? なんの要件だろう」
そこに表示されていたのはKAという文字で、浅倉梢を示すものだった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
命の灯火 〜赤と青〜
文月・F・アキオ
ライト文芸
交通事故で亡くなったツキコは、転生してユキコという名前の人生を歩んでいた。前世の記憶を持ちながらも普通の小学生として暮らしていたユキコは、5年生になったある日、担任である園田先生が前世の恋人〝ユキヤ〟であると気付いてしまう。思いがけない再会に戸惑いながらも次第にツキコとして恋に落ちていくユキコ。
6年生になったある日、ついに秘密を打ち明けて、再びユキヤと恋人同士になったユキコ。
だけど運命は残酷で、幸せは長くは続かない。
再び出会えた奇跡に感謝して、最期まで懸命に生き抜くツキコとユキコの物語。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる