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プロローグ
プロローグ(二)
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とびきり元気な声が聞こえ、沙樹は顔を上げた。さっきまでステージで歌っていた青年が立っている。
「あ……いや、きみは今そこで……」
「はい、ザ・プラクティスのボーカル兼ギター、南野ハヤトです。みんなにはハヤトって呼ばれてるんだ。よっろしく」
右手で軽く敬礼し十年来の友人に向けるような親しげな笑顔を浮かべ、ハヤトと名乗った青年は正面にどかっと座った。
沙樹は額に手をあてて、軽くためいきをついた。声をかけられ顔を上げたとき、ハヤトがほんの一瞬ワタルに見えた。驚きの声を上げたのはそのためだ。
頭をふって恋人の笑顔を追い出し、沙樹は露骨に顔をしかめてハヤトに視線を移す。
「お姉さん、この街の人じゃないでしょ」
沙樹が見せた拒絶の態度は完全に無視された。
「観光旅行?」
初対面の相手に目的を話すつもりはないので、沙樹は形だけうなずいた。
「だったら、ぼくが案内するよ」
「案内って、いつもこうやってお客さんに声をかけるの?」
「まさか。普段はそんなことしないよ」
少しだけ唇を尖らせ、ハヤトは沙樹を見返す。怒らせたかと思ったが、すねた表情はすぐに姿を消し、突然ハヤトは身を乗り出して沙樹の耳元に唇を寄せた。
「実はね、お姉さんが気になったからだよ」
「ねえハヤトくん。何か下心がある?」
とっさに沙樹は体をうしろへそらし、腕組みをして突き放したような口調で問いかけた。
「とんでもない、と言いたいところだけど実はその通りなんだ」
全然臆するところがない。からかわれているのかもしれないと思うと、沙樹は穏やかでいられない。
「お姉さん、今夜泊まるとこ決めてないでしょ?」
「え? どうして解ったの?」
警戒心と期待感が同時に生まれた。
「ディナータイムにこの店で大きな荷物抱えてりゃ解るよ。ホテルを決めてればさっさとチェックインして、スーツケースなんて持ち歩かないでしょ。帰るつもりでチェックアウトしたにしては、高速バスはとっくに出た後だもん」
ハヤトはいたずらっ子のような笑みを浮かべると、腕時計を指さした。
「そこで相談だけど、行くとこないならうちに来ない?」
「ちょ、何? ハヤトくんの……?」
沙樹は一オクターブ高い声が出てしまった。にぎやかな店内なのに、近くのテーブルの人たちに野次馬半分で見られてしまった。予想をはるかに越えた提案に、怒る気にすらなれない。
「自分で何言ってるか解ってる?」
「誤解しないでよお姉さん。ぼくんち、旅館を経営してるんだ」
ハヤトは店内に置いてあったガイドブックを開き、宿泊コーナーに紹介されている旅館を指した。
「ほら、ここに出てるでしょ。下心っていうのは客引きのことだよ。疑うなら確認の電話かけてよ」
本に書かれた番号にかけハヤトの名前を出すと、今からでも宿泊できることになった。
「ね、言った通りでしょ」
「ええ。実は本当に困ってたの。ありがとう」
沙樹の言葉を聞いて、ハヤトはうれしそうに、ふふっと笑った。
子どものように邪気のない笑顔が沙樹の胸をかすめた。
なぜだろう。出会ったばかりの相手なのに懐かしい気持ちに包まれた。
「食事は終わったようだね。じゃあ今から案内するよ」
ハヤトは勢いよく立ち上がり、たまたまそばにいたマスターらしき人物に「ぼくは帰るね。お先でーすっ」と告げた。「お疲れさま」と言葉をかけられると同時に、沙樹のスーツケースを手にする。疾風を思わせるような素早い動きだ。
沙樹の考えが追いつくより早く行動される。ペースを合わせるだけでも一苦労だ。
バタバタと支払いを済ませ、スーツケースを引いていくハヤトを追いかけた。
☆ ☆ ☆
ライブハウスの裏には小さな駐車場があった。
晩秋の冷たい空気が体温を奪う。
凍てつく空には満天の星が広がっている。繁華街の明かりもさほどきらびやかではなく高い建物も少ない。星ひとつひとつが鮮明に見える。
ハヤトは隅に停めた黒い軽自動車に荷物を入れ、助手席に沙樹を乗せると、運転席に座った。
エンジンをかけるとオーバー・ザ・レインボウの最新アルバムが車内を満たし、沙樹の目にワタルの顔が浮かんだ。音楽に耳を傾ける沙樹に「お姉さん、オーバー・ザ・レインボウ好きなの?」とハヤトが訊ねた。
「ええ、ま……まあね」
本当は「大好きだよ」と答えたいが今の沙樹はそれが言えない。
「ぼくも好きだよ。うちのバンドもよくコピーしてるんだ」
ワタルのことを知らないかと口を開きかけたが、流石にそんな偶然はないだろうと唇を結んだ。
「ねえねえ、お姉さんって東京から来たの? ここに来るのは初めて? どんな印象持った?」
沙樹が黙り込むと、会話が途切れるのを恐れるかのように、ハヤトが矢継ぎ早に質問してきた。
「ねえ、それよりさっきから気になってるんだけど、『お姉さん』はやめてくれない?」
「ごめんなさい。じゃあ、ええと……」
ハヤトが言葉につまったのを見て、沙樹は自分が名乗ってないことに気づいた。
「あたしは西田沙樹。よろしくね」
「西田さん……なんかしっくりこないな。沙樹さんって呼んでもいい?」
「え? そうしたいなら別にいいけど……」
初対面からファーストネームで呼ぶ人が、ワタル以外にもいるとは思わなかった。恋人との出会いを思い出しながら名刺を取り出しハヤトに渡す。
「シートサイドステーション……ってFM局? うわあ、すっげえ、めちゃくちゃすごいや。ラジオってことはマスコミ関係だよね。いいなあ。日本だけじゃなくて海外のトップアーティストなんかも来日中にゲストに来るんでしょ。かっこいいなあ」
十代のにぎやかな少女を思わせるような派手なリアクションが返ってきた。
「沙樹さんって仕事熱心なんじゃない? 局でもバリバリ働いてんだろうな。すっげえな。だってうちみたいな田舎のライブハウスでも覗くんだもの」
沙樹はあまりの過大評価に落ち着かず苦笑する。一方でハヤトを見ているだけで笑みが浮かんでいることに気がついた。
「沙樹さん、ちょっとごめんね」
ハヤトは助手席のダッシュボードを開け、何かを捜し始めた。横顔がすぐそばに迫り、沙樹はフローラルのかすかな香りに包まれた。
自然に流れる日焼けした黒髪は、染めてないところが却って素朴だ。元気なハヤトそのままに黒い大きな瞳がよく動く。
近すぎて、体温まで伝わってきそうだ。
沙樹は距離に耐え切れなくなり、窓越しに空を見上げた。一筋の細い線を残して星が流れた。願いをかけるまもなく燃え尽きて消える。
だが沙樹の想いは燃えつきない。たどり着く場所はひとつだ。降るような星の群れを見つめ、沙樹はワタルに想いを馳せた。
「やっと見つかった。ごめんなさい、窮屈だったでしょ」
「う、ううん。そんなことないよ」
ぎこちない笑顔を浮かべていると自覚しながら沙樹は答える。ハヤトはパスケースに名刺を挟み車をスタートさせた。
会ってまだ何時間もたっていないのに、ハヤトの運転する車に乗っていることが信じられない。気をつけて行動しろと頭の中で声がする。解っている。いつもならこんな軽率なことはしない。だがハヤトは沙樹の警戒心を簡単に消した。透明感のある繊細な歌声が耳の奥によみがえる。
「ハヤトくんたちは、いつもあのライブハウスで演奏してるの?」
「うん。月に一、二回くらい。オーナーは昔この街で大人気だった人でね。短期間だけどプロで活躍したこともあるんだ。本当に音楽が好きな人で、ぼくはオーナーを尊敬している。ずっと前からあの人に認めてほしかったんだ。小さな店だけど、レギュラーになるのが第一の目標だった。やっと実現したんだよ」
ウインクをし、ハヤトは自慢気に答える。
音楽活動が起動に乗り始め、演奏することが楽しくてしかたがないのだろう。
ワタルたちのバンド、オーバー・ザ・レインボウにも、同じような時期があったに違いない。活動拠点となったライブ喫茶ジャスティで演奏するようになったころ、沙樹は彼らと出会った。
些細なことがきっかけでワタルを思い出す。心はいつもワタルのもとに飛び立つ。
それなのになぜ、こんなことになったのだろう。どこでボタンを掛け違えたのか、沙樹には解らない。
流れる街並を見送る。夜を彩るネオンサインがライブ会場のきらびやかな光を連想させた。七色の光はオーバー・ザ・レインボウのステージそのものだ。
虹の舞台に立つ大切な人は、事の真相を語ることなく姿を消した。
遠ざかる影を追いかけて、沙樹はここまでやってきた。
「あ……いや、きみは今そこで……」
「はい、ザ・プラクティスのボーカル兼ギター、南野ハヤトです。みんなにはハヤトって呼ばれてるんだ。よっろしく」
右手で軽く敬礼し十年来の友人に向けるような親しげな笑顔を浮かべ、ハヤトと名乗った青年は正面にどかっと座った。
沙樹は額に手をあてて、軽くためいきをついた。声をかけられ顔を上げたとき、ハヤトがほんの一瞬ワタルに見えた。驚きの声を上げたのはそのためだ。
頭をふって恋人の笑顔を追い出し、沙樹は露骨に顔をしかめてハヤトに視線を移す。
「お姉さん、この街の人じゃないでしょ」
沙樹が見せた拒絶の態度は完全に無視された。
「観光旅行?」
初対面の相手に目的を話すつもりはないので、沙樹は形だけうなずいた。
「だったら、ぼくが案内するよ」
「案内って、いつもこうやってお客さんに声をかけるの?」
「まさか。普段はそんなことしないよ」
少しだけ唇を尖らせ、ハヤトは沙樹を見返す。怒らせたかと思ったが、すねた表情はすぐに姿を消し、突然ハヤトは身を乗り出して沙樹の耳元に唇を寄せた。
「実はね、お姉さんが気になったからだよ」
「ねえハヤトくん。何か下心がある?」
とっさに沙樹は体をうしろへそらし、腕組みをして突き放したような口調で問いかけた。
「とんでもない、と言いたいところだけど実はその通りなんだ」
全然臆するところがない。からかわれているのかもしれないと思うと、沙樹は穏やかでいられない。
「お姉さん、今夜泊まるとこ決めてないでしょ?」
「え? どうして解ったの?」
警戒心と期待感が同時に生まれた。
「ディナータイムにこの店で大きな荷物抱えてりゃ解るよ。ホテルを決めてればさっさとチェックインして、スーツケースなんて持ち歩かないでしょ。帰るつもりでチェックアウトしたにしては、高速バスはとっくに出た後だもん」
ハヤトはいたずらっ子のような笑みを浮かべると、腕時計を指さした。
「そこで相談だけど、行くとこないならうちに来ない?」
「ちょ、何? ハヤトくんの……?」
沙樹は一オクターブ高い声が出てしまった。にぎやかな店内なのに、近くのテーブルの人たちに野次馬半分で見られてしまった。予想をはるかに越えた提案に、怒る気にすらなれない。
「自分で何言ってるか解ってる?」
「誤解しないでよお姉さん。ぼくんち、旅館を経営してるんだ」
ハヤトは店内に置いてあったガイドブックを開き、宿泊コーナーに紹介されている旅館を指した。
「ほら、ここに出てるでしょ。下心っていうのは客引きのことだよ。疑うなら確認の電話かけてよ」
本に書かれた番号にかけハヤトの名前を出すと、今からでも宿泊できることになった。
「ね、言った通りでしょ」
「ええ。実は本当に困ってたの。ありがとう」
沙樹の言葉を聞いて、ハヤトはうれしそうに、ふふっと笑った。
子どものように邪気のない笑顔が沙樹の胸をかすめた。
なぜだろう。出会ったばかりの相手なのに懐かしい気持ちに包まれた。
「食事は終わったようだね。じゃあ今から案内するよ」
ハヤトは勢いよく立ち上がり、たまたまそばにいたマスターらしき人物に「ぼくは帰るね。お先でーすっ」と告げた。「お疲れさま」と言葉をかけられると同時に、沙樹のスーツケースを手にする。疾風を思わせるような素早い動きだ。
沙樹の考えが追いつくより早く行動される。ペースを合わせるだけでも一苦労だ。
バタバタと支払いを済ませ、スーツケースを引いていくハヤトを追いかけた。
☆ ☆ ☆
ライブハウスの裏には小さな駐車場があった。
晩秋の冷たい空気が体温を奪う。
凍てつく空には満天の星が広がっている。繁華街の明かりもさほどきらびやかではなく高い建物も少ない。星ひとつひとつが鮮明に見える。
ハヤトは隅に停めた黒い軽自動車に荷物を入れ、助手席に沙樹を乗せると、運転席に座った。
エンジンをかけるとオーバー・ザ・レインボウの最新アルバムが車内を満たし、沙樹の目にワタルの顔が浮かんだ。音楽に耳を傾ける沙樹に「お姉さん、オーバー・ザ・レインボウ好きなの?」とハヤトが訊ねた。
「ええ、ま……まあね」
本当は「大好きだよ」と答えたいが今の沙樹はそれが言えない。
「ぼくも好きだよ。うちのバンドもよくコピーしてるんだ」
ワタルのことを知らないかと口を開きかけたが、流石にそんな偶然はないだろうと唇を結んだ。
「ねえねえ、お姉さんって東京から来たの? ここに来るのは初めて? どんな印象持った?」
沙樹が黙り込むと、会話が途切れるのを恐れるかのように、ハヤトが矢継ぎ早に質問してきた。
「ねえ、それよりさっきから気になってるんだけど、『お姉さん』はやめてくれない?」
「ごめんなさい。じゃあ、ええと……」
ハヤトが言葉につまったのを見て、沙樹は自分が名乗ってないことに気づいた。
「あたしは西田沙樹。よろしくね」
「西田さん……なんかしっくりこないな。沙樹さんって呼んでもいい?」
「え? そうしたいなら別にいいけど……」
初対面からファーストネームで呼ぶ人が、ワタル以外にもいるとは思わなかった。恋人との出会いを思い出しながら名刺を取り出しハヤトに渡す。
「シートサイドステーション……ってFM局? うわあ、すっげえ、めちゃくちゃすごいや。ラジオってことはマスコミ関係だよね。いいなあ。日本だけじゃなくて海外のトップアーティストなんかも来日中にゲストに来るんでしょ。かっこいいなあ」
十代のにぎやかな少女を思わせるような派手なリアクションが返ってきた。
「沙樹さんって仕事熱心なんじゃない? 局でもバリバリ働いてんだろうな。すっげえな。だってうちみたいな田舎のライブハウスでも覗くんだもの」
沙樹はあまりの過大評価に落ち着かず苦笑する。一方でハヤトを見ているだけで笑みが浮かんでいることに気がついた。
「沙樹さん、ちょっとごめんね」
ハヤトは助手席のダッシュボードを開け、何かを捜し始めた。横顔がすぐそばに迫り、沙樹はフローラルのかすかな香りに包まれた。
自然に流れる日焼けした黒髪は、染めてないところが却って素朴だ。元気なハヤトそのままに黒い大きな瞳がよく動く。
近すぎて、体温まで伝わってきそうだ。
沙樹は距離に耐え切れなくなり、窓越しに空を見上げた。一筋の細い線を残して星が流れた。願いをかけるまもなく燃え尽きて消える。
だが沙樹の想いは燃えつきない。たどり着く場所はひとつだ。降るような星の群れを見つめ、沙樹はワタルに想いを馳せた。
「やっと見つかった。ごめんなさい、窮屈だったでしょ」
「う、ううん。そんなことないよ」
ぎこちない笑顔を浮かべていると自覚しながら沙樹は答える。ハヤトはパスケースに名刺を挟み車をスタートさせた。
会ってまだ何時間もたっていないのに、ハヤトの運転する車に乗っていることが信じられない。気をつけて行動しろと頭の中で声がする。解っている。いつもならこんな軽率なことはしない。だがハヤトは沙樹の警戒心を簡単に消した。透明感のある繊細な歌声が耳の奥によみがえる。
「ハヤトくんたちは、いつもあのライブハウスで演奏してるの?」
「うん。月に一、二回くらい。オーナーは昔この街で大人気だった人でね。短期間だけどプロで活躍したこともあるんだ。本当に音楽が好きな人で、ぼくはオーナーを尊敬している。ずっと前からあの人に認めてほしかったんだ。小さな店だけど、レギュラーになるのが第一の目標だった。やっと実現したんだよ」
ウインクをし、ハヤトは自慢気に答える。
音楽活動が起動に乗り始め、演奏することが楽しくてしかたがないのだろう。
ワタルたちのバンド、オーバー・ザ・レインボウにも、同じような時期があったに違いない。活動拠点となったライブ喫茶ジャスティで演奏するようになったころ、沙樹は彼らと出会った。
些細なことがきっかけでワタルを思い出す。心はいつもワタルのもとに飛び立つ。
それなのになぜ、こんなことになったのだろう。どこでボタンを掛け違えたのか、沙樹には解らない。
流れる街並を見送る。夜を彩るネオンサインがライブ会場のきらびやかな光を連想させた。七色の光はオーバー・ザ・レインボウのステージそのものだ。
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