転生従者は悪役達を救いたい

ねこめいし

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25、自己処理のこと ※

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認識が甘かった回です。
コンラッドはギリギリの所で気丈に振る舞っていただけの幼い子供で、クロードはどう足掻いたって、精神的にはある程度歳を食って落ち着いた大人の気持ち常識しか分からない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「クロード、クロード早く」

「お待ちくださいコンラッド様。まず話し合いましょう、ね!」

 いったいどう回避したものかと悩んでいるうち時間は過ぎ、昼食を終えてお昼寝の時間が来てしまった。ちくしょう、キッチンの整理が途中なら逃げる言い訳ができたのに。手際が良い皆さまのおかげで仕分けと掃除まで完了している。たすけて。

「やだ、クロードとする」

そんな直球の我儘をIQ下がり過ぎでしょ……!」

 午前中のアレで、私が力じゃ敵わない事が判明してしまったからな……じりじり壁際に追い詰められているのは非常にまずい。いや体格同じくらいでしょうコンラッド様? 才能って理不尽。

「い、良いですかコンラッド様。昨日のアレはお教えするための特別なことであって、本来アレは人とするものではありません」

「でも結婚したらお嫁さんとするんだろ」

「私は男ですし、あなたの婚約者でも何でもありません」

「僕、クロードが1番好きだからクロードとしたい」

「ありがとうございます! いけません!」

 ちょっと拗ねた風で唇を尖らせ、甘えたな声で私へ睦言をねだる。そのアンバランスさが余計に背徳的で、艶やかな表情はとても可愛らしくて美しい。

 私自身が、慕われて嫌な気分で無いのが1番問題だ。外見は同い年でも中身が3倍近く年上バグっているのだ。常習化するのはどう考えてもまずいだろう色々と。アルフを笑えなくなる。私以外の全てがそうとは思わなくとも、私は分かっているから余計に。

「あにうえと気持ち良いのしたい」

「呼び方を変えても駄目です。一般的に兄弟は一緒に自慰をしたりしません」

 こつん。踵が壁にぶつかった。あ、と思った時には細い腕でぎゅっと抱き込まれて、肩口に頭が擦り付けられた。ふわふわの金髪が頬と首を撫でていく。

「クロードがいい……僕、ずっと怖くて……クロードにしてもらったら、あの時は怖いのも寂しいのも全部なくなった……ね、もう1回……」

 痛いくらいに私を捕まえて抱き締めたコンラッド様は、どこか泣きそうに震える声で囁いた。ああそうか私のせいか……と思いはするものの、上手い返しが見つからない。

 きっと、コンラッド様は私が思うよりずっとずっと頑張っていたに違いない。まだ12歳だもの、怖くて寂しくて当然だ。それを……うん、私が手伝ったアレで一瞬でも忘れられたから、もう一度とねだってくるのだろう。ご自分でどうぞと言いたいところだが、これ本当にどうしたらいいんだ!? セルフで抜いてもらっても依存するのは変わらない気がしてきたぞ。

「……良いですかコンラッド様。ここを出たら、信頼出来る方に相談して女性にお相手をしてもらいましょう。ね? その方が私とするよりもずっと良いですから。変な癖が付いても困るでしょう?」

「…………いつ出られるか、分かんないじゃん」

 メイドのお姉さんとかに相手してもらった方がまだ……と思うのだけど、小さく不安げな台詞には良心的な何かが刺激された。ここへ来ることになったのは私の責でもある。

 いやそれにしたって主人の下事情まで世話する謂れは無い。私の生理的な好き嫌いではなく、コンラッド様の性癖が歪むのは私たち2人共が困る。ぐい、と押し付けられる腰から逃げながら、いつもの情報提供元可愛げの無い大人と違って素直でいじましいおねだりをどう躱したものかと考える。

「あー……では、最近習った幻影の魔術を」

「クロードがいい!」

 同い年くらいの女の子に化ければ多少はマシかと思ったのだけれど、それは予想していたよりずっと強い口調で拒絶された。ぞわりと背を這うように魔力が向けられ、思わず身を竦める。少し息苦しい。私の3倍以上はあるはずの魔力が惜しげも無く手足へ巻き付いて、舐るようにあふれる。

「クロードが良い。クロードじゃなきゃやだ。僕のだもん。僕のクロード。ねぇ、良い子にするから。我儘言うの、これだけにするから。いっぱい頑張るから、良いよって言って」

 深い翡翠の瞳が私を見つめる。今にも泣き出しそうな顔は、普段の気丈さなんて一欠片もなくて、ただ拒絶されるのを恐れているようだった。

 どうすれば良かったのかは、分からない。本当に分からない。ただ、私はこの、否を返せばぷつんと切れてしまいそうな幼子を、突き放せなかった。

 私は何をおいても彼を守ると誓った。全部話して隣にいようと。彼が私の太陽のままでいられるようにと。
 私は、どうやったらそれを成せるのか、まだ知らない。

「コンラッド様、1つだけお約束してください」

「うん。……なに?」

「コンラッド様は、いずれレンドル家を継がなければなりません。跡継ぎをお作りになられることも、大事なお勤めの1つです」

 そっと背をさすって落ち着くよう促し、私は彼の瞳を見返す。困ったような、諦めたような、くすんだ色彩の少年が翡翠に映っている。

「ですから、ここを出て落ち着いたら、きちんと女性を相手にすると約束してください。私がお手伝いするのはそれまでの間だけです。よろしいですね?」

「……わかった。ちゃんと……女の人とも、する」

 寂しげに顔を顰めた彼は、それでもこくんと頷いた。彼は貴族の長子だ。そして、レンドル家を存続させると、私たちは決めた。政略結婚だろうがなんだろうが、伴侶を得、子を成して血を繋ぐ事は、権利ではなく義務なのだ。ここは私が元いた自由恋愛至上の世界ではない。

「よろしい。約束ですからね。破ったらひどいですよ」

「うん……」

「弟とこんなこと、本当はいけないんですけどね」

「ごめん……、っぁ」

 背中に回していた手をそっとずらして前へ触れると、もう膨らんでいたソコがぴくんと跳ねる。罪悪感というか、私が散々渋ったから、悪い事だという認識はあるのだろう。目を逸らしたコンラッド様は、ぎゅっと背を丸めるように私へ縋った。

「はぁ……あぁ……っ、きもち……」

「……つい昨日精通したばかりですのに……コンラッド様は精力がお有りですね」

 何度かズボンの上から形をなぞり、そろりと服の隙間へ手を差し入れる。特に自慢でも嬉しくもないが慣れているのだ、こういうのは。

「んん……わ、かんない……あっぁ……クロードぉ」

 輪っかを作った指で、まだ小さな陰茎を扱く。昨日は辛うじてコンラッド様の手を上から握っていたけれど、今日は完全に私の手だけ。後戻り出来ないところに来てしまっている気がする。

 くちゅくちゅと音を立てるソコはよく濡れて滑りが良かった。柔らかな皮を下ろして先端の膨らみを擦り、裏筋を撫で上げる。体重を私へ預けて子猫のように鼻にかかった甘い声を上げるコンラッド様は、私へ甘えているようで可愛かった。

「ふぁっそれぇ……気持ちぃ、んぁ、あ」

 ゆらゆらと腰が揺れている。荒い息が首筋にかかって擽ったい。まずいなぁ、とは思うのだけど、私自身、憎からず思う、こんなに愛らしい主人に甘えられて縋られて、心地良いと全身で示されれば悪い気もしない。

「っぁ……クロード、クロードっ気持ち良い、気持ち良いのがくるッぅっ、んんーッ!」

 びくびくと震える陰茎がいっそう膨らんで、用意していた手の中へ白が吐き出される。何度か大きく震えて、しばらくのち、コンラッド様は大きなため息をついて脱力した。

 しばらく抱きついたままじっと動かないコンラッド様を、私は無理に引き離すことができなかった。
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