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いきなり超展開? いきなりの異能バトル!
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場所は学校。時間は夜遅く。
本来なら人はいない場所と時間。
だが人影は4つ。そして、悪夢のような爆発音が轟いた。
ちゅーん
ドッカ~ン!
「あ、あはははは……まるでギャグマンガの爆発だ!」
乾いた笑いを溢しながら、そんな事を呟くのは正道《せいどう》 翔《かける》という名前の男子。
この学校に通うごく平凡だったはずの高校2年生だ。
現実感は希薄だ。衝撃も爆風も透明な壁で防がれているためだろうか?
「結界……これ、本物の……いや、そんな事よりも!」
目の前で繰り広げられる光景に現実逃避ぎみだった翔は、正気を取り戻す。
「大丈夫か! 先生っ! けあきっ! あかり!!!」
ほんの少し前まで一緒にいた3人の名前を叫ぶ。
担任の教師である賀茂 あすか
謎の転校生 天王 けあき
そして――――
後輩であり、大切な存在である 鳥羽 あかり
彼女たちからの返事はない。
なぜなら、爆心地のど真ん中。 さっきまで学校のグランドだったはずの場所で3人は元気に戦っている最中だからだ。
3人共、先ほどの爆破の影響で衣服も焼け落ち、柔肌も露わになっている。
だが、目前の超展開に翔は、それを気にかける事もできなくなっていた。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前――――」
「ほう……式神を操るのではなく、自らの肉体を依り代して神の領域まで届くか? 天王ひらぎよ!」
「止めなさい!ひらぎさん! それ以上は戻り橋から戻れなくなります。 それに人妖《そいつ》は神の力じゃ倒せません!」
「――――っ! でも先生! それでも、ここで狐を狩らないと、日本が、世界が滅んでしまう!」
「いいえ、私がさせません。 よく頑張りましたねひらぎさん。貴女が時間を稼いでくれたおかげで……」
「先生?」
「むっ? なにをするつもりじゃ、賀茂家の末裔よ。 メガネを取って……それは西洋魔術か。流石のわっちも魔眼を受けるのは初めてじゃ!」
「その傲慢さ。あるいは慢心が、人から敗北を刻まれる原因となっているのですよ」
「ふ……ふふふ、そんな事は100も承知よ! 異国の最新魔術なんぞ、既に学習済み」
「なっ! なぜ、魔眼の対策を! どうして、知っているのですか!?」
「先生、どいて! やっぱり、私が! 例え人に戻れなくなろうとも、聖剣を――――出でよ、天叢雲剣」
「かっかっか……! いいぞ、天王ひらぎ。神の領域にようこそだ。ここで決着を――――」
「そう、ここで決着をつけましょう狐……いえ、あかりさん!」
「応とも! 人の恋路を邪魔する娘は、狐に蹴られて死んじまえ!」
まさに超展開である。
正道翔は、ふらふらと歩きながら、
「どうしてこうなった?」
ここ最近の出来事を思い越していた。
本来なら人はいない場所と時間。
だが人影は4つ。そして、悪夢のような爆発音が轟いた。
ちゅーん
ドッカ~ン!
「あ、あはははは……まるでギャグマンガの爆発だ!」
乾いた笑いを溢しながら、そんな事を呟くのは正道《せいどう》 翔《かける》という名前の男子。
この学校に通うごく平凡だったはずの高校2年生だ。
現実感は希薄だ。衝撃も爆風も透明な壁で防がれているためだろうか?
「結界……これ、本物の……いや、そんな事よりも!」
目の前で繰り広げられる光景に現実逃避ぎみだった翔は、正気を取り戻す。
「大丈夫か! 先生っ! けあきっ! あかり!!!」
ほんの少し前まで一緒にいた3人の名前を叫ぶ。
担任の教師である賀茂 あすか
謎の転校生 天王 けあき
そして――――
後輩であり、大切な存在である 鳥羽 あかり
彼女たちからの返事はない。
なぜなら、爆心地のど真ん中。 さっきまで学校のグランドだったはずの場所で3人は元気に戦っている最中だからだ。
3人共、先ほどの爆破の影響で衣服も焼け落ち、柔肌も露わになっている。
だが、目前の超展開に翔は、それを気にかける事もできなくなっていた。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前――――」
「ほう……式神を操るのではなく、自らの肉体を依り代して神の領域まで届くか? 天王ひらぎよ!」
「止めなさい!ひらぎさん! それ以上は戻り橋から戻れなくなります。 それに人妖《そいつ》は神の力じゃ倒せません!」
「――――っ! でも先生! それでも、ここで狐を狩らないと、日本が、世界が滅んでしまう!」
「いいえ、私がさせません。 よく頑張りましたねひらぎさん。貴女が時間を稼いでくれたおかげで……」
「先生?」
「むっ? なにをするつもりじゃ、賀茂家の末裔よ。 メガネを取って……それは西洋魔術か。流石のわっちも魔眼を受けるのは初めてじゃ!」
「その傲慢さ。あるいは慢心が、人から敗北を刻まれる原因となっているのですよ」
「ふ……ふふふ、そんな事は100も承知よ! 異国の最新魔術なんぞ、既に学習済み」
「なっ! なぜ、魔眼の対策を! どうして、知っているのですか!?」
「先生、どいて! やっぱり、私が! 例え人に戻れなくなろうとも、聖剣を――――出でよ、天叢雲剣」
「かっかっか……! いいぞ、天王ひらぎ。神の領域にようこそだ。ここで決着を――――」
「そう、ここで決着をつけましょう狐……いえ、あかりさん!」
「応とも! 人の恋路を邪魔する娘は、狐に蹴られて死んじまえ!」
まさに超展開である。
正道翔は、ふらふらと歩きながら、
「どうしてこうなった?」
ここ最近の出来事を思い越していた。
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