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一方、レオたちは――――③

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 レオ達の目的。そこにたどり着いた瞬間――――

「ここだ……ここのはずだ」

 レオは叫んだ。 血走った眼で暗闇の中を走り回る。

「本当に? 本当に、こんな所だったかしら?」とドロシーは懐疑的だった。

しかし、

「……間違いない。私、覚えている」

 もう1人の仲間、シオンが同意した。

「ここで、私たちはゴブリンたちの罠にハメられた。だから、ここがジェルを囮に使った場所」

 ドロシーは「……」と無言で応じた。

 久しぶりだった。仲間である自分に向けられた声を聞くのは……

 そんなシオンが不気味に思えたのだ。

「……おい。ドロシー、シオン!」

「レオ? なにかあったの?」

「いや、おかしい。何もないからおかしいだ」

「?」

「いいか? よく思い出せ。あの日、俺たちは特別怪物《エクストラモンスター》を追って、ここに来た」

「えぇ、それはわかっているわ」

「赤い目のゴブリン。それに、異常に統率が取れていたゴブリンの軍隊……そいつ等、どこに消えた?」

「どこに……私たち以降に依頼を受けた誰かが捕えたとか、退治したとか……」

「いや、そんな事実はない。あの町を出ると決めた日……最後にギルドに行って確認してきた。……あの依頼は、今も未達成だ」

「――――それじゃ?」

「あぁ、どこかに潜んでいるだろうなぁ……あのゴブリンの軍隊」

 そのレオの口調にドロシーは違和感を覚えた。

 どこか楽しそうなのだ。 

 どんな手段か? ジェルによって強制的にゴブリンに恐怖を抱くようにさせられたレオ。

(そんな彼が、少しでも前の……強かった彼に戻っている?)

 そんな時だった。

「ドロシー……水だ」とシオンが地面を指さした。

「水? 水がどうかしたの?」

「水をどうにかできないか?」

「? ごめんなさい。もう少しわかるように……」

「ドロシー、良いか?」とレオ。彼は、こう続ける。

「シオンは、水を魔法でどうにかできたら、泥に埋もれてできた足跡が分かるんじゃないか? そう言っているんだ」

「いえ、あれから何日が経過してると思っているの? 水辺の足跡なんて……」

 だが、彼女は自分で言いながらも、その可能性が0ではないことに気づいたのだ。

(た、確かに聞いた事あるわ。太古生物の足跡に自然と砂が積み重なった結果、1000年とか、10000年後にまで残って発見されたなんて話)

「……わかったわ。 でも、この量の水を魔法で排除するには魔力消費が激しいわ。しばらく、私は働けないと思うけど、覚悟はしていてね」

 その言葉に2人、レオとシオンは「当然」と返事をした。 
  
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