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第37話 歌舞伎忍者 討伐
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歌舞伎忍者 髪による攻撃を繰り出してくる。
しかし、それは髪であって髪ではない。
景虎は小刀ではなく、金棒を振って打ち返す。 その時に鳴った音は――――
キン――――と金属音であった。 また、景虎が回避した後、地面にぶつかった髪の跡。岩の洞窟であるはずの地面は、磨り潰されたリンゴのように削られている。
もしも、景虎が金棒ではなく小刀で防御していたら、腕ごと壊されていただろう。
視聴者の反応は――――
『いやいや、なんだよ。あの髪は!』
『見た目と破壊力が不釣り合い過ぎる!』
『まさかヘアスタイルで攻撃。こんなユニークな敵は初めて見た』
景虎は、歌舞伎忍者の髪による遠距離攻撃を金棒で防御を続ける。
ただし問題は金棒の重さだ。 その重量によって素早く動けず、間合いは潰せない。
「これでは反撃もままならないでござる。さて――――」
ここで、景虎が思いついた選択肢は2つ。
1つ――――
髪による遠距離攻撃を金棒で打ち返し、歌舞伎忍者自身にぶつける。
2つ――――
小刀を投擲。その隙に金棒を捨てると素早く間合いを縮め、歌舞伎忍者に突き刺さった小刀でとどめをさす。
景虎は後者を選択した。
愛刀である日本刀を失った今、次に信頼できる武器は、己の体術。
攻撃を失敗しても、すぐに体勢を修正ができるからだ。
「せいっ!」と投げると同時に前に出た景虎。しかし――――
「消えた!?」
彼の誤算。 歌舞伎忍者は影となり隠密行動、または回避運動ができる。
(くっ! また距離を稼がれて、遠距離攻撃に……)
だが、その予想は外れていた。
歌舞伎忍者は前進。手を伸ばせば当たる距離に。
「わざわざ、接近戦を挑んできた?」
放たれた拳を避ける景虎。 反撃のタイミングを狙って集中していく。
(確かに武道の動きを模している。しかし――――)
「所詮は、魔物の物真似。人間の動きを再現しても、同じ効果にはならない……でござるよ」
景虎は打撃を叩き込んだ。 歌舞伎忍者は防御もできずに吹き飛んで行った。
「以前より、なぜ魔物が人間と戦闘術を身に付けているのか不思議に思う事もあったでござるが……」
「うむ、おそらくは……」と言葉を切る。 立ち上がってきた歌舞伎忍者が再び襲って来たからだ。
「人間の動きを意味もわからず真似をして、種として進化させた自然発生的な格闘術……と言うべきでござろうか?」
しかし、戦いはまるで子供と大人の喧嘩であった。
いつの間に手放していたはずの小刀を手にしていた景虎は、歌舞伎忍者にとどめをさした。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「さて、物珍しい魔物とは遭遇してきたでござるが、使えそうな武器は――――」
店を広げるように景虎は手に入れたアイテムを地面に広げた。
使えそうな物はない。
「値打ち物は……ござらんな」と落胆した時だった。 不意に、アイテムが少しだけ浮かんだように見えた。
次は、ずん――――と体が浮いた。 それが地響きだと、すぐに判断した。
それは巨大な魔物が徘徊している余波。それもすぐ近くで……
「戦闘は回避できないようでござるな」と景虎は笑いながら、急いでアイテムをかき集めた。
「さて、経験はあるが、この装備で狩れるものかな?」
小刀を構える。
近場に出没している魔物。それは巨大な魔物だ。
そして、誰もが知る魔物の名前――――それはドラゴンであった。
しかし、それは髪であって髪ではない。
景虎は小刀ではなく、金棒を振って打ち返す。 その時に鳴った音は――――
キン――――と金属音であった。 また、景虎が回避した後、地面にぶつかった髪の跡。岩の洞窟であるはずの地面は、磨り潰されたリンゴのように削られている。
もしも、景虎が金棒ではなく小刀で防御していたら、腕ごと壊されていただろう。
視聴者の反応は――――
『いやいや、なんだよ。あの髪は!』
『見た目と破壊力が不釣り合い過ぎる!』
『まさかヘアスタイルで攻撃。こんなユニークな敵は初めて見た』
景虎は、歌舞伎忍者の髪による遠距離攻撃を金棒で防御を続ける。
ただし問題は金棒の重さだ。 その重量によって素早く動けず、間合いは潰せない。
「これでは反撃もままならないでござる。さて――――」
ここで、景虎が思いついた選択肢は2つ。
1つ――――
髪による遠距離攻撃を金棒で打ち返し、歌舞伎忍者自身にぶつける。
2つ――――
小刀を投擲。その隙に金棒を捨てると素早く間合いを縮め、歌舞伎忍者に突き刺さった小刀でとどめをさす。
景虎は後者を選択した。
愛刀である日本刀を失った今、次に信頼できる武器は、己の体術。
攻撃を失敗しても、すぐに体勢を修正ができるからだ。
「せいっ!」と投げると同時に前に出た景虎。しかし――――
「消えた!?」
彼の誤算。 歌舞伎忍者は影となり隠密行動、または回避運動ができる。
(くっ! また距離を稼がれて、遠距離攻撃に……)
だが、その予想は外れていた。
歌舞伎忍者は前進。手を伸ばせば当たる距離に。
「わざわざ、接近戦を挑んできた?」
放たれた拳を避ける景虎。 反撃のタイミングを狙って集中していく。
(確かに武道の動きを模している。しかし――――)
「所詮は、魔物の物真似。人間の動きを再現しても、同じ効果にはならない……でござるよ」
景虎は打撃を叩き込んだ。 歌舞伎忍者は防御もできずに吹き飛んで行った。
「以前より、なぜ魔物が人間と戦闘術を身に付けているのか不思議に思う事もあったでござるが……」
「うむ、おそらくは……」と言葉を切る。 立ち上がってきた歌舞伎忍者が再び襲って来たからだ。
「人間の動きを意味もわからず真似をして、種として進化させた自然発生的な格闘術……と言うべきでござろうか?」
しかし、戦いはまるで子供と大人の喧嘩であった。
いつの間に手放していたはずの小刀を手にしていた景虎は、歌舞伎忍者にとどめをさした。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「さて、物珍しい魔物とは遭遇してきたでござるが、使えそうな武器は――――」
店を広げるように景虎は手に入れたアイテムを地面に広げた。
使えそうな物はない。
「値打ち物は……ござらんな」と落胆した時だった。 不意に、アイテムが少しだけ浮かんだように見えた。
次は、ずん――――と体が浮いた。 それが地響きだと、すぐに判断した。
それは巨大な魔物が徘徊している余波。それもすぐ近くで……
「戦闘は回避できないようでござるな」と景虎は笑いながら、急いでアイテムをかき集めた。
「さて、経験はあるが、この装備で狩れるものかな?」
小刀を構える。
近場に出没している魔物。それは巨大な魔物だ。
そして、誰もが知る魔物の名前――――それはドラゴンであった。
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