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交わる心
交わる心⑩
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舞台から降りた後、吉岡は自分の一歩先を行き、そのまま校舎へと戻る道を直進していった。これは成功したって言っていいのかも曖昧で吉岡から一切、このことについて触れてくることはなかった。
自分が本気だとアピールするの為にあの場を借りて告白したのに、告白したところでやっぱりあの吉岡の表情から彼の本音なんて分かるわけがなかった。
玄関先を抜け、自教室へと戻る階段を登る。
ラックを首から下げては食べ物を売り歩く学生とすれ違ったり時刻は午後四時で、もうそろそろこの文化祭も終盤を迎え始めていた。
「吉岡。あのさ·····」
そう問いかけては自教室のある二階まで到達したとき、吉岡が足を止めては振り返ってきた。
「ごめん、優。先教室戻ってて?」
「どこ行くんだよ」
「飯田んとこ。ステージの反省会あんの忘れてた」
隙あらば飯田達の所へ行ってしまう吉岡。
折角やっと二人きりになれたと思ったのに、
まるで避けられているかのような態度に不安を覚える。
行ってほしくなどなくて吉岡の手を掴もうとしたが、スルッとすり抜けては三階へと続く階段を登って行ってしまった。
吉岡に自分の気持ちが伝わっていないような気がして、嬉しさよりも感じた違和感の方が強くて不安な気持ちを抱えたまま一人取り残される。
かといって店番を手伝うと言った手前、教室の片付けを放っておく訳には行かない。優作は大人しく教室戻ることにした。
別に吉岡との永遠の別れになる訳でもないし、戻ってきたら自分の所に真っ直ぐ来てくれる·····。
微かな期待を抱きながら教室で後片付けを手伝っていると、暫くして吉岡が戻ってきたが、飯田と辻本一緒にいるばかりで、最後まで自分のところに来ることはなかった。
俺はただ吉岡がどう思っているか真意を確かめたかっただけなのに·····。
自分が本気だとアピールするの為にあの場を借りて告白したのに、告白したところでやっぱりあの吉岡の表情から彼の本音なんて分かるわけがなかった。
玄関先を抜け、自教室へと戻る階段を登る。
ラックを首から下げては食べ物を売り歩く学生とすれ違ったり時刻は午後四時で、もうそろそろこの文化祭も終盤を迎え始めていた。
「吉岡。あのさ·····」
そう問いかけては自教室のある二階まで到達したとき、吉岡が足を止めては振り返ってきた。
「ごめん、優。先教室戻ってて?」
「どこ行くんだよ」
「飯田んとこ。ステージの反省会あんの忘れてた」
隙あらば飯田達の所へ行ってしまう吉岡。
折角やっと二人きりになれたと思ったのに、
まるで避けられているかのような態度に不安を覚える。
行ってほしくなどなくて吉岡の手を掴もうとしたが、スルッとすり抜けては三階へと続く階段を登って行ってしまった。
吉岡に自分の気持ちが伝わっていないような気がして、嬉しさよりも感じた違和感の方が強くて不安な気持ちを抱えたまま一人取り残される。
かといって店番を手伝うと言った手前、教室の片付けを放っておく訳には行かない。優作は大人しく教室戻ることにした。
別に吉岡との永遠の別れになる訳でもないし、戻ってきたら自分の所に真っ直ぐ来てくれる·····。
微かな期待を抱きながら教室で後片付けを手伝っていると、暫くして吉岡が戻ってきたが、飯田と辻本一緒にいるばかりで、最後まで自分のところに来ることはなかった。
俺はただ吉岡がどう思っているか真意を確かめたかっただけなのに·····。
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