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交わる心
交わる心④
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優作は先を行く吉岡の後に続き、出入口でスリッパから下駄へと履き替える。
構内を歩いていると何処かの教室から所構わず食べ物の匂いが漂ってくる。
そういえば、午前中から動いていて何も食べていなかった。
「優、お腹減ったしょ?」
何か食べ物でもと誘おうと考えていたとき、吉岡が急に立ち止まると振り返ってきた。
自分の頭の中が読まれているのではないかと思うくらい、タイミング良く声を掛けてきた吉岡に少しだけ驚きながらも優作はコクリと頷いた。
それを見た吉岡はすぐ先にあった教室に入っていく。
吉岡が風のように去っていったものだから優作はどうしたものかと途方に暮れていると、
数分して吉岡が教室から出てきた。
「はい、優。一緒に食べよう。俺もまだだから」
吉岡の右手には食べ物が入っているであろう二つの白いビニール袋に左手にはペットボトルのお茶。
袋ひとつとお茶を手渡され、受け取っては中身を覗くと文化祭の定番ともいえる、たこ焼きと焼きそばが入っていた。
最近は昼に教室でコンビニのパンばかりだが、以前は吉岡に学食で自分の飯を買いに行かせることをしていた。そのせいか行動の早い彼。
今思えば一昔前の自分は吉岡に対して横暴すぎていた。なのに怒らないで付き合ってくれた吉岡が本当に優しい男なんだと実感する。
飲食できる教室を探しながら、吉岡の隣を歩く。軽いデート気分で優作の気持ちが高ぶっていた。よく見るカップルが並んで歩いている時、当人同士はこんなにも浮つくような気分でいるのだろうか.......。
そうだとしたら悪くないような.......少しもどかしいような.......。
暫く歩いていると吉岡が飲食専用で解放していた多目的室を見つけては、一緒に中に入ることになった。
構内を歩いていると何処かの教室から所構わず食べ物の匂いが漂ってくる。
そういえば、午前中から動いていて何も食べていなかった。
「優、お腹減ったしょ?」
何か食べ物でもと誘おうと考えていたとき、吉岡が急に立ち止まると振り返ってきた。
自分の頭の中が読まれているのではないかと思うくらい、タイミング良く声を掛けてきた吉岡に少しだけ驚きながらも優作はコクリと頷いた。
それを見た吉岡はすぐ先にあった教室に入っていく。
吉岡が風のように去っていったものだから優作はどうしたものかと途方に暮れていると、
数分して吉岡が教室から出てきた。
「はい、優。一緒に食べよう。俺もまだだから」
吉岡の右手には食べ物が入っているであろう二つの白いビニール袋に左手にはペットボトルのお茶。
袋ひとつとお茶を手渡され、受け取っては中身を覗くと文化祭の定番ともいえる、たこ焼きと焼きそばが入っていた。
最近は昼に教室でコンビニのパンばかりだが、以前は吉岡に学食で自分の飯を買いに行かせることをしていた。そのせいか行動の早い彼。
今思えば一昔前の自分は吉岡に対して横暴すぎていた。なのに怒らないで付き合ってくれた吉岡が本当に優しい男なんだと実感する。
飲食できる教室を探しながら、吉岡の隣を歩く。軽いデート気分で優作の気持ちが高ぶっていた。よく見るカップルが並んで歩いている時、当人同士はこんなにも浮つくような気分でいるのだろうか.......。
そうだとしたら悪くないような.......少しもどかしいような.......。
暫く歩いていると吉岡が飲食専用で解放していた多目的室を見つけては、一緒に中に入ることになった。
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