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近づきたい
近づきたい①
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日が暮れ始めた頃、文化祭の準備をキリのいいところで終え、解散するようにと校内放送が流れる。クラスの連中は一斉に片付けを始めては帰り始めていた。
「優、これ持って」
優作も手早く片付けて吉岡を待っていると、彼にミシンを手渡される。手に持たされたミシンの重量に思わず俺の体が傾いた。
日頃運動なんてしてないし、握力だって健全な男子よりは低いはずだ。
ミシンってこんな重いのかよ·····。
「おもっ。てかなんでだよ」
「女子達の分も戻さなきゃ行けないから」
自分で使った訳では無いのにこんな重たいものを持たせる吉岡を睨みながらも吉岡の後へと続いて、家庭科準備室へと向かう。
「そんなの本人達に片付けさせればいいじゃん」
「良くない。レディには優しくしなきゃじゃん?」
優作の中に女子に優しくなんて概念がないだけに理解はし難いが、優しい吉岡らしい行動だった。俺と違って器用で気が回って、友達もいて·····。
楓が吉岡のことをいい男だなんて言うのは分かった気がした。性格も含めて、今まで交わってきたやつよりもほんと良い奴。興味無いなどと放っていたことが勿体ない。
「それ女子嫌いの俺にいう?」
「でも、國枝は話やすかったしょ?」
「まぁ、椿よりはマシ.......」
階段を降りては家庭科準備室へと入り、ミシンをテーブルの上に置く。
置き終え、準備室を出ると吉岡は大きく廊下で背の伸びをしては窓の外を眺め始めた。
「優、これ持って」
優作も手早く片付けて吉岡を待っていると、彼にミシンを手渡される。手に持たされたミシンの重量に思わず俺の体が傾いた。
日頃運動なんてしてないし、握力だって健全な男子よりは低いはずだ。
ミシンってこんな重いのかよ·····。
「おもっ。てかなんでだよ」
「女子達の分も戻さなきゃ行けないから」
自分で使った訳では無いのにこんな重たいものを持たせる吉岡を睨みながらも吉岡の後へと続いて、家庭科準備室へと向かう。
「そんなの本人達に片付けさせればいいじゃん」
「良くない。レディには優しくしなきゃじゃん?」
優作の中に女子に優しくなんて概念がないだけに理解はし難いが、優しい吉岡らしい行動だった。俺と違って器用で気が回って、友達もいて·····。
楓が吉岡のことをいい男だなんて言うのは分かった気がした。性格も含めて、今まで交わってきたやつよりもほんと良い奴。興味無いなどと放っていたことが勿体ない。
「それ女子嫌いの俺にいう?」
「でも、國枝は話やすかったしょ?」
「まぁ、椿よりはマシ.......」
階段を降りては家庭科準備室へと入り、ミシンをテーブルの上に置く。
置き終え、準備室を出ると吉岡は大きく廊下で背の伸びをしては窓の外を眺め始めた。
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