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複雑な気持ち
複雑な気持ち②
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水澤を警戒しながらも吉岡と言葉を交わす。
「出ない」
「そんなこと言わないで最後くらい出ようよ」
この二年間文化祭なんて出たことないし、他の誰かと団結して何かやり遂げるとか優作にとっては苦手でしかなかった。
即答した優作にどことなく寂しそうな顔をしたのを見て最後だから·····一度くらいなら
出てもいいかもなと言う気分になる。
「気が向いたら·····」
すると、吉岡のスマホがピロンと鳴る。
スマホを取り出し画面を見たあと、飯田と辻本のいる席の方を見ては飯田が何か口を大きいく動かして何か喋っているようだった。
その様子を見て途端に胸の内がモヤモヤした。自分の知らないところでやり取りをしていることが何だか面白くないと思ってしまった。
「お前何かやんの?」
吉岡はスマホの画面から目を離し、こちらを見る。文化祭に興味ないくせに、興味あるフリをして吉岡の集中を反らせたかった。
話すのを避けたい癖に、吉岡が辻本や飯田の元に行ってしまうのを見ると心が曇りがかってていくのが分かる。
別に吉岡が他のやつと話すのなんて普通のことなはずなのに。
「辻本がステージでヲタ芸やるらしいからその手伝いはするよ」
そして問いかければちゃんと返事を返してくる吉岡に安心する。
友達に束縛なんて笑えない。
「そう」
「そこの二人。私語は慎しもうか?」
突然、聞き覚えのある声が背後から聞こえてきてドキリとする。
先程まで教室の前方にいたはずの水澤がいつの間にか吉岡との間に割って入ってきていた。
「なんで俺たちだけ?周り普通に喋ってますけど?」
途端に吉岡の表情が強張り、喋り方に棘が出る。
「出ない」
「そんなこと言わないで最後くらい出ようよ」
この二年間文化祭なんて出たことないし、他の誰かと団結して何かやり遂げるとか優作にとっては苦手でしかなかった。
即答した優作にどことなく寂しそうな顔をしたのを見て最後だから·····一度くらいなら
出てもいいかもなと言う気分になる。
「気が向いたら·····」
すると、吉岡のスマホがピロンと鳴る。
スマホを取り出し画面を見たあと、飯田と辻本のいる席の方を見ては飯田が何か口を大きいく動かして何か喋っているようだった。
その様子を見て途端に胸の内がモヤモヤした。自分の知らないところでやり取りをしていることが何だか面白くないと思ってしまった。
「お前何かやんの?」
吉岡はスマホの画面から目を離し、こちらを見る。文化祭に興味ないくせに、興味あるフリをして吉岡の集中を反らせたかった。
話すのを避けたい癖に、吉岡が辻本や飯田の元に行ってしまうのを見ると心が曇りがかってていくのが分かる。
別に吉岡が他のやつと話すのなんて普通のことなはずなのに。
「辻本がステージでヲタ芸やるらしいからその手伝いはするよ」
そして問いかければちゃんと返事を返してくる吉岡に安心する。
友達に束縛なんて笑えない。
「そう」
「そこの二人。私語は慎しもうか?」
突然、聞き覚えのある声が背後から聞こえてきてドキリとする。
先程まで教室の前方にいたはずの水澤がいつの間にか吉岡との間に割って入ってきていた。
「なんで俺たちだけ?周り普通に喋ってますけど?」
途端に吉岡の表情が強張り、喋り方に棘が出る。
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