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首筋のキス跡
首筋のキス跡②
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「優とこうやって登校する日がくるとは思わなかったなー…」
分かりやすいくらい浮かれてる吉岡を見ていて悪い気はしない。
だけど、いちいち吉岡の独り言に反応をしてやるのも違う気がして、胸の内のむず痒さを
紛らわすために窓縁に肘をついて、外を眺めながら学校までの道のりを眺める。
すると、「ゆーう」と少し怒気の込められた声音で名前を呼ばれて振り返ると吉岡が眉間に皺を寄せて
険しい表情で俺を見てきていた。
「ほどほどにしなよ」
「何が?」
「ここ。そういうことすんの」
何のことを差して怒っているのかもわからず、問い返すと小さく溜息を吐いた後、自身の首筋を差しては
優作のそこにあるモノを示してきた。
思い当たる節はあるだけに直ぐに理解したが、指摘されたからって慌てて隠すほどのことでもない。
二週間前くらいに、楓の店で会ったやつに付けられた跡。
何日か前に楓に言われて気づいたが、抱かれた男に置き土産のように付けられることなど稀にあることなので放置していた。
首の後ろの方だから正面から鏡でみたとしても目に止まらない位置。優作くらいの髪の長さであればパッと見ただけでは気づかない。今朝もその存在をすっかり忘れていたが、吉岡に見つかってしまうのは複雑な気持ちになる。
「楓さんがよく怒ってるから。優ちゃんの男遊びには呆れる。って·····あの子の為にもやめて欲しいって」
「うざっ、てか、なんでそれ知ってんの?」
「なんでって。俺、楓さんとLine交換してる仲だから」
吉岡はズボンのポケットから名刺を取り出すとこちらに見せてくる。
ピンクで華やかなその名刺には「スナック カエデ 桜田 楓」と丁寧に連絡先とIDまで書かれていた。
分かりやすいくらい浮かれてる吉岡を見ていて悪い気はしない。
だけど、いちいち吉岡の独り言に反応をしてやるのも違う気がして、胸の内のむず痒さを
紛らわすために窓縁に肘をついて、外を眺めながら学校までの道のりを眺める。
すると、「ゆーう」と少し怒気の込められた声音で名前を呼ばれて振り返ると吉岡が眉間に皺を寄せて
険しい表情で俺を見てきていた。
「ほどほどにしなよ」
「何が?」
「ここ。そういうことすんの」
何のことを差して怒っているのかもわからず、問い返すと小さく溜息を吐いた後、自身の首筋を差しては
優作のそこにあるモノを示してきた。
思い当たる節はあるだけに直ぐに理解したが、指摘されたからって慌てて隠すほどのことでもない。
二週間前くらいに、楓の店で会ったやつに付けられた跡。
何日か前に楓に言われて気づいたが、抱かれた男に置き土産のように付けられることなど稀にあることなので放置していた。
首の後ろの方だから正面から鏡でみたとしても目に止まらない位置。優作くらいの髪の長さであればパッと見ただけでは気づかない。今朝もその存在をすっかり忘れていたが、吉岡に見つかってしまうのは複雑な気持ちになる。
「楓さんがよく怒ってるから。優ちゃんの男遊びには呆れる。って·····あの子の為にもやめて欲しいって」
「うざっ、てか、なんでそれ知ってんの?」
「なんでって。俺、楓さんとLine交換してる仲だから」
吉岡はズボンのポケットから名刺を取り出すとこちらに見せてくる。
ピンクで華やかなその名刺には「スナック カエデ 桜田 楓」と丁寧に連絡先とIDまで書かれていた。
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