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消せない想い
消せない想い③
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「冷たいなー。君ってゲイ?バイ?ノンケではないよね」
立ち上がったところで左腕を掴まれ、座り直すように促される。狐というよりはネットり絡みついてくる蛇みたいな男だなー·····と思いながら、此処で無理に帰ろうとしたってきっと大人しく返して貰えないだろう。適当に話しを聞いて頃合を見て帰ろうか。
優作を座らせると、男は空のグラスに氷を入れ、ウイスキーを注ぐと目の前に差し出してきた。楓は徹底しているのか断固して未成年の俺に酒を出してくることはない。先程も出されたのは果汁100パーセントのオレンジジュースだった。
優作自身、お酒を嗜んだことがないと言えば嘘になる。呑めなくはないだろうが、どこの誰かも知らない男から出された飲み物を呑むのは抵抗があった。完全に酔わせてお持ち帰りする魂胆がみえみえだった。
「ちなみに俺はバイなんだよね。まぁ女よりも、綺麗な男の子抱く方が好きだけどね」
少しずつ詰め寄ってくる椅子。
自分が逃げると分かっているのか肩に腕を回し、抱き寄せてきては男と完全に密着する。
幾ら警戒している人物でも誰かに触れられて、人の体温を感じることの心地良さは何にも替えられない安心感がある。
「君、名前は?」
「優作」
「いい名前だね。水澤。
僕さぁ、最近恋人に振られて寂しいんだよね。それもノンケでさ。ノンケって本当に残酷だよね。その気にさせといて。拒絶してくるんだもん。仕舞いにはお前はおかしいだなんて、平気で暴言を吐く」
男の誘いに乗り気ではないのに男から感じる哀愁漂う雰囲気から流されそうになる。
俺も同じ·····あの兼に告白した時のことを思い出して胸が痛くなる。本当に好きだった、好かれたかった·····。
「優作もそう思わないかい?」
癒えない傷を誰かに慰めてもらいたい。
寂しい·····。もうどうせ失うものなんてないから·····。
立ち上がったところで左腕を掴まれ、座り直すように促される。狐というよりはネットり絡みついてくる蛇みたいな男だなー·····と思いながら、此処で無理に帰ろうとしたってきっと大人しく返して貰えないだろう。適当に話しを聞いて頃合を見て帰ろうか。
優作を座らせると、男は空のグラスに氷を入れ、ウイスキーを注ぐと目の前に差し出してきた。楓は徹底しているのか断固して未成年の俺に酒を出してくることはない。先程も出されたのは果汁100パーセントのオレンジジュースだった。
優作自身、お酒を嗜んだことがないと言えば嘘になる。呑めなくはないだろうが、どこの誰かも知らない男から出された飲み物を呑むのは抵抗があった。完全に酔わせてお持ち帰りする魂胆がみえみえだった。
「ちなみに俺はバイなんだよね。まぁ女よりも、綺麗な男の子抱く方が好きだけどね」
少しずつ詰め寄ってくる椅子。
自分が逃げると分かっているのか肩に腕を回し、抱き寄せてきては男と完全に密着する。
幾ら警戒している人物でも誰かに触れられて、人の体温を感じることの心地良さは何にも替えられない安心感がある。
「君、名前は?」
「優作」
「いい名前だね。水澤。
僕さぁ、最近恋人に振られて寂しいんだよね。それもノンケでさ。ノンケって本当に残酷だよね。その気にさせといて。拒絶してくるんだもん。仕舞いにはお前はおかしいだなんて、平気で暴言を吐く」
男の誘いに乗り気ではないのに男から感じる哀愁漂う雰囲気から流されそうになる。
俺も同じ·····あの兼に告白した時のことを思い出して胸が痛くなる。本当に好きだった、好かれたかった·····。
「優作もそう思わないかい?」
癒えない傷を誰かに慰めてもらいたい。
寂しい·····。もうどうせ失うものなんてないから·····。
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