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吉岡の想い
吉岡の想い③
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発する言葉にひとつひとつに慎重になる。
吉岡は俺の気持ちが既に分かってるのか、
振られる前提で告白をしてきた。
きっと多かれ少なかれ自分の返事を聞いて傷つくと覚悟しているから自らでワンクッション置いたのだろう。好きな人に振られた気持ちは痛いほど分かる。
だからと言ってそんな気持ちまで読めてしままったところで、同情で軽く「違う」とも言えない。吉岡が振られることを望んでいる以上、それに答えてあげるしか無かった。
「吉岡、俺はお前のことそういう風に見れない·····。ごめん」
そして、応えると同時に自分も覚悟を決めなきゃいけない·····。
「じゃあ·····」
吉岡は優作の返事を聞くなり、俯いては呟くようにそう言った。
じゃあ·····お前とはもう仲良く出来ない·····。
なんて言葉が頭によぎる。
ここ二年半という月日の中で何だかんだで吉岡といると楽しかったし、学校で腹を抱えて笑うなんてこと、今までの自分だったらありえなかった。
こいつとなら、もうちょっと深く仲良くなっても良かったな·····。
そんなこと考えながら吉岡の次の言葉を待っていると突然、目の前に右手を差し出されて我に返る。
「これからも変わらず友達としてよろしく」
予想外の展開に拍子抜けして、顔を上げるといつもと変わらない吉岡の笑顔がそこにはあった。
吉岡は俺の気持ちが既に分かってるのか、
振られる前提で告白をしてきた。
きっと多かれ少なかれ自分の返事を聞いて傷つくと覚悟しているから自らでワンクッション置いたのだろう。好きな人に振られた気持ちは痛いほど分かる。
だからと言ってそんな気持ちまで読めてしままったところで、同情で軽く「違う」とも言えない。吉岡が振られることを望んでいる以上、それに答えてあげるしか無かった。
「吉岡、俺はお前のことそういう風に見れない·····。ごめん」
そして、応えると同時に自分も覚悟を決めなきゃいけない·····。
「じゃあ·····」
吉岡は優作の返事を聞くなり、俯いては呟くようにそう言った。
じゃあ·····お前とはもう仲良く出来ない·····。
なんて言葉が頭によぎる。
ここ二年半という月日の中で何だかんだで吉岡といると楽しかったし、学校で腹を抱えて笑うなんてこと、今までの自分だったらありえなかった。
こいつとなら、もうちょっと深く仲良くなっても良かったな·····。
そんなこと考えながら吉岡の次の言葉を待っていると突然、目の前に右手を差し出されて我に返る。
「これからも変わらず友達としてよろしく」
予想外の展開に拍子抜けして、顔を上げるといつもと変わらない吉岡の笑顔がそこにはあった。
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