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優の秘密と亀裂
優の秘密と亀裂⑦
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手首を引っ張られ、優作と千晃の立ち位置が逆転しては彼との間で板挟みになった。
「優、何言ってるんだよ。悲しいのは分かるけど冗談は…っ」
「吉岡さぁ、俺のこと好きだろ?恋愛対象として」
まるで全てお見通しであるとでも言うように優作は人差し指を右の胸元に押つけてきた。
彼に気づかれないように警戒をして上手くやり過ごしていたつもりだったのに、意図も簡単に見抜かれてしまっていたショックと優作が何を考えているのか分からない恐怖が織り交ざる。
「そ、そんなわけないだろっ」
「俺が振られて内心喜んでるんだろ?」
「違う」
違うなんて反発してみるが、優作の全部言った通りだ。
篠塚に振られたと聴いて安堵した。また、一緒にいれる時間が増えると思ってしまっていた。
そんな好きな人の幸せを心から喜べない自分の醜さが嫌になる。
そんな千晃の自信のなさから、真意を探るかのように彼はマジマジと顔を覗きこんで来るから、表情を崩さないように唇を噛み締めるのに精一杯だった。
バレたとしても認めてしまいたくない。
認めた先の優作の反応を知るのが怖い。
「違くないだろーよしおかぁー。そういうことで俺を連れ出したんでしょ?」
頭上に優作の右腕が置かれ、完全に壁ドンな状態に千晃の顔が熱くなる。
優作の顔が10cmもないくらいに近い。
改めてみると目も鼻筋も完璧なくらい整った顔立ち。
第2ボタンまで開けたワイシャツから見える色白な首元。そこから醸し出す色気に心拍数が上がる。
「だから違う。優は友達だから友達とし……っっっ」
優作の煽りに屈することなく否定を続けていたら、言葉を遮って優作が左手で右肩を壁に押し付けてくると冷たい感触が唇に触れる。
「んっんっ……何すんだよっ」
「優、何言ってるんだよ。悲しいのは分かるけど冗談は…っ」
「吉岡さぁ、俺のこと好きだろ?恋愛対象として」
まるで全てお見通しであるとでも言うように優作は人差し指を右の胸元に押つけてきた。
彼に気づかれないように警戒をして上手くやり過ごしていたつもりだったのに、意図も簡単に見抜かれてしまっていたショックと優作が何を考えているのか分からない恐怖が織り交ざる。
「そ、そんなわけないだろっ」
「俺が振られて内心喜んでるんだろ?」
「違う」
違うなんて反発してみるが、優作の全部言った通りだ。
篠塚に振られたと聴いて安堵した。また、一緒にいれる時間が増えると思ってしまっていた。
そんな好きな人の幸せを心から喜べない自分の醜さが嫌になる。
そんな千晃の自信のなさから、真意を探るかのように彼はマジマジと顔を覗きこんで来るから、表情を崩さないように唇を噛み締めるのに精一杯だった。
バレたとしても認めてしまいたくない。
認めた先の優作の反応を知るのが怖い。
「違くないだろーよしおかぁー。そういうことで俺を連れ出したんでしょ?」
頭上に優作の右腕が置かれ、完全に壁ドンな状態に千晃の顔が熱くなる。
優作の顔が10cmもないくらいに近い。
改めてみると目も鼻筋も完璧なくらい整った顔立ち。
第2ボタンまで開けたワイシャツから見える色白な首元。そこから醸し出す色気に心拍数が上がる。
「だから違う。優は友達だから友達とし……っっっ」
優作の煽りに屈することなく否定を続けていたら、言葉を遮って優作が左手で右肩を壁に押し付けてくると冷たい感触が唇に触れる。
「んっんっ……何すんだよっ」
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