交わらない心

悟る想いと俺の初恋

悟る想いと俺の初恋④

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正直、吉岡と出会うまで学校なんて行く価値すらないと思っていた。
自分の家庭は少し複雑で、5歳の時に両親を交通事故で亡くして以降、母方の弟、つまり自分からでいう叔父が親代わりをしていた。

その叔父も世間一般でいう叔父じゃない。
着物を来て髪を結って完全に外から見たら女。でもついてるものはついてるし、いわゆるニューハーフってやつだった。

俺自身そんな叔父でも幼少期はなんの不思議に思っていなかったし。
両親が生存していた頃から叔父のことは好きだった。

だけど小学生の時、多感なこの時期に子供ながらの差別を受け始める。
「お前の母ちゃんオカマだろ。だからお前もオカマだ」なんてクラスの中心のガキ大将的な奴にからかわれては、虐められていた時もあった。

叔父に関しては事実だし、その頃から自分の恋愛対象も女の子ではないと自覚はしていたので否定して反論も出来ない。保護者同士でも叔父は偏見を持たれ省かれていたみたいで、それは子供間でも伝わっていた。
「あの子と関わっちゃダメ」なんて言われて、仲の良かった友達は皆自分から離れていき、気づけば1人になっていた。

叔父のことを恨んだこともあったけどそれでも自分らしく生きている叔父が大好きで誰に何を言われようと胸を張って過ごしてきたが、次第に学校に行く気にはなれず小学校高学年あたりから不登校になっていった。
それでも叔父を困らせまいと勉強は人一倍頑張ってきたともりだが、中学になると反抗期から夜に出歩いて遊ぶようになり、その時から同じ性癖の奴と出会っては適当に遊んで、飽きたらバイバイなんてことをしていた。

誰かを好きになったことなんてない。友達何てもっての外。
なる必要性を感じない。

所詮、死ぬ時にはみんな1人だ。
人との関わりなんてばっさり切るくらいが丁度いい。

そんな俺が珍しく自分から話しかけに行ったのは紛れもなく、受験の日にこいつが自分の真後ろの席にいて話しかけてきたからだった。