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知り合い以上友達未満
知り合い以上友達未満⑨
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「元気だしてよ。まだ終わった訳じゃないしさ」
あからさまに落ち込んでいる優作を励ますように声をかける。友達の恋路を応援したい心とホッとしている自分が交差する。青年がこちらに来た時、びっくりしたと同時に優作に興味持ったんじゃないかって気が気じゃなかった。
青年が優作を敵視している姿を見て安堵している自分に内心動揺したし、彼が負かされている状況下で彼を救おうとしたいた。そして今は慰められるのなら自分に出来ることはないだろうか、なんて考えてしまっている。
優作を友達だから当たり前の行動かもしれないが…何か靄がかかったような腑に落ちない感情が生まれる。
「そんな優に元気のでるオススメの曲、貸してあげるよ」
千晃はそんな気持ちを紛らわしたくて、鞄からお気に入りのアイドルのCDを取り出し差し出すと、優作は顔を少し上げてはCDに目を向ける。
「いい。つか、興味ないし」
「優。アイドルなめてるけど、神曲結構、多いんだからな。共感すること沢山あんだぞ?」
優作は無言でCDを受け取ってはジャケット写真を虚ろな瞳で眺める。
自分の好きなものに少し興味を持ってくれたと思ってぬか喜びをしていた束の間に、優作は座席から立ち上がる。
暫く目で追っていると、教室の後方のゴミ箱へと向かっては、何かが落ちる音がした。
ガタン。
「あー女見てると余計に腹立つ」
「·····っ!?ちょっと優。今捨てた?捨てたよね?!」
慌ててゴミ箱に駆け寄り、中を漁るとゴミに沈んだCDが顔を覗かせていた。千晃はCDを取り出すと手でホコリを払う。幸い紙ゴミが多くて目立つ汚れが本体につかなくてホッとする。
「もー俺の大切なもんなんだからー」
「お前必死すぎ」
千晃の慌てた姿が余程面白かったのか、優作はお腹を抱えて笑い始めた。目に涙を浮かべて笑っている優作を見て、さっきまで抱えては紛らわしてたモヤモヤが一瞬にしてどうでも良くなった。
あからさまに落ち込んでいる優作を励ますように声をかける。友達の恋路を応援したい心とホッとしている自分が交差する。青年がこちらに来た時、びっくりしたと同時に優作に興味持ったんじゃないかって気が気じゃなかった。
青年が優作を敵視している姿を見て安堵している自分に内心動揺したし、彼が負かされている状況下で彼を救おうとしたいた。そして今は慰められるのなら自分に出来ることはないだろうか、なんて考えてしまっている。
優作を友達だから当たり前の行動かもしれないが…何か靄がかかったような腑に落ちない感情が生まれる。
「そんな優に元気のでるオススメの曲、貸してあげるよ」
千晃はそんな気持ちを紛らわしたくて、鞄からお気に入りのアイドルのCDを取り出し差し出すと、優作は顔を少し上げてはCDに目を向ける。
「いい。つか、興味ないし」
「優。アイドルなめてるけど、神曲結構、多いんだからな。共感すること沢山あんだぞ?」
優作は無言でCDを受け取ってはジャケット写真を虚ろな瞳で眺める。
自分の好きなものに少し興味を持ってくれたと思ってぬか喜びをしていた束の間に、優作は座席から立ち上がる。
暫く目で追っていると、教室の後方のゴミ箱へと向かっては、何かが落ちる音がした。
ガタン。
「あー女見てると余計に腹立つ」
「·····っ!?ちょっと優。今捨てた?捨てたよね?!」
慌ててゴミ箱に駆け寄り、中を漁るとゴミに沈んだCDが顔を覗かせていた。千晃はCDを取り出すと手でホコリを払う。幸い紙ゴミが多くて目立つ汚れが本体につかなくてホッとする。
「もー俺の大切なもんなんだからー」
「お前必死すぎ」
千晃の慌てた姿が余程面白かったのか、優作はお腹を抱えて笑い始めた。目に涙を浮かべて笑っている優作を見て、さっきまで抱えては紛らわしてたモヤモヤが一瞬にしてどうでも良くなった。
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