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突然の…
突然の····· 12-18
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人生で初めて本気で好きになった初恋は苦い形で終わりを告げた。葵が居なくなった学校は、酷く詰まらなく、彼の行方が分からない以上追いかけることも出来ない。
やり場の無い気持ちを抱きながらも淡々と毎日が過ぎていくだけだった。葵の事は綺麗に諦めて、この過ちを胸に刻みながら自分をやり直すしかない。決別を言い渡されたのに未だ葵に執着し続けるなんて、それでこそ俺に固執していた西田のようになりかねない。それだけは避けたかった。
高校も最終学年に上がり、クラス替えをしたことにより、俺と西田との噂話を面白おかしく揶揄い、個人的な恨みを持たれていた板野とも離ればなれになった。最初こそはすれ違うたびにその名残で罵詈雑言を投げられることはあったものの、受験年ということもあり興味はみな将来へと向かい始め、次第に嫌がらせを受けることもなくなっていった。
あの怒涛の数か月間が嘘だったかのように、穏やかに過ぎていく中で、それでも尚、異性からの告白を持ちかけられたことはあったが、すべて断り続け、目先の色恋よりも自らの将来を優先し大学進学に向けて邁進していた。
そうでもしないと記憶の断片で葵のことを思い出しては胸が引き裂かれる
ように苦しくなるから……。
やり場の無い気持ちを抱きながらも淡々と毎日が過ぎていくだけだった。葵の事は綺麗に諦めて、この過ちを胸に刻みながら自分をやり直すしかない。決別を言い渡されたのに未だ葵に執着し続けるなんて、それでこそ俺に固執していた西田のようになりかねない。それだけは避けたかった。
高校も最終学年に上がり、クラス替えをしたことにより、俺と西田との噂話を面白おかしく揶揄い、個人的な恨みを持たれていた板野とも離ればなれになった。最初こそはすれ違うたびにその名残で罵詈雑言を投げられることはあったものの、受験年ということもあり興味はみな将来へと向かい始め、次第に嫌がらせを受けることもなくなっていった。
あの怒涛の数か月間が嘘だったかのように、穏やかに過ぎていく中で、それでも尚、異性からの告白を持ちかけられたことはあったが、すべて断り続け、目先の色恋よりも自らの将来を優先し大学進学に向けて邁進していた。
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