74 / 101
突然の…
突然の...... 12-7
しおりを挟む
教員によって西田との間を引き剥がされた亨は、当然生徒指導室行きになった。教員に何故あんなことが起きたのかと事情聴取を受けたが、第三者に事のすべてを話すのは気怠く、黙りしているとしばらくして年配の女教員が入ってきては目の前の教員に耳打ちすると出て行った。
どうやら別室で西田も事情聴取を受けているんだろう。
「西田先生はお前に突然殴られたと言ってるそうだ」と言ってきたので、ここにきて生徒よりも己を庇おうとする女に腹が立った亨は「痴情のもつれです。俺と西田先生は男女の関係でした」と腹いせにすべて白状してやった。
最後まで西田は「塩谷くんとは保健室に通う生徒くらいでなにもありません。彼が一方的に私を殴ってきたんです」と被疑者面をしていたが亨と西田が保健室で度々密会していること、隠れて交際していることは教員間でも密かに話題になっていたのか、亨の白状した事実はすんなり受け入れてもらえた。
生まれて初めて、転勤によって遠方に住んでいる両親も呼び出され、学校長と話した結果、処罰として亨は一か月自宅謹慎。西田は辞職することになった。
自宅謹慎からそのまま夏休みへと入ってしまった亨は謹慎一か月の間、授業に遅れをとったとして夏休みはほぼ補習授業にあてられ、担任とワンツーマンの授業をするはめになる。内心気だるかったが、より一層亨の気持ちを沈ませたのはそんなことではない。
メールの返事を送っても葵の返事がないどころか送ったメールが返ってきてしまい、完全に拒絶をされてしまったことのダメージの方が大きかった。
あの日以来、真面に話が出来てない。
夏休みだから当然、登校なんてして来ないだろうし……。
西田と亨の騒動が校内中の噂になっていないわけがない。
当然葵の耳にも入っているはずだった。
せめてももう一度だけでも葵と会って話がしたかった。
葵のことは本気なのだと伝えたい。
どうやら別室で西田も事情聴取を受けているんだろう。
「西田先生はお前に突然殴られたと言ってるそうだ」と言ってきたので、ここにきて生徒よりも己を庇おうとする女に腹が立った亨は「痴情のもつれです。俺と西田先生は男女の関係でした」と腹いせにすべて白状してやった。
最後まで西田は「塩谷くんとは保健室に通う生徒くらいでなにもありません。彼が一方的に私を殴ってきたんです」と被疑者面をしていたが亨と西田が保健室で度々密会していること、隠れて交際していることは教員間でも密かに話題になっていたのか、亨の白状した事実はすんなり受け入れてもらえた。
生まれて初めて、転勤によって遠方に住んでいる両親も呼び出され、学校長と話した結果、処罰として亨は一か月自宅謹慎。西田は辞職することになった。
自宅謹慎からそのまま夏休みへと入ってしまった亨は謹慎一か月の間、授業に遅れをとったとして夏休みはほぼ補習授業にあてられ、担任とワンツーマンの授業をするはめになる。内心気だるかったが、より一層亨の気持ちを沈ませたのはそんなことではない。
メールの返事を送っても葵の返事がないどころか送ったメールが返ってきてしまい、完全に拒絶をされてしまったことのダメージの方が大きかった。
あの日以来、真面に話が出来てない。
夏休みだから当然、登校なんてして来ないだろうし……。
西田と亨の騒動が校内中の噂になっていないわけがない。
当然葵の耳にも入っているはずだった。
せめてももう一度だけでも葵と会って話がしたかった。
葵のことは本気なのだと伝えたい。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる