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御礼がしたいです
御礼がしたいです 5-3
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何日に空けといてだとか、明日の予定だとかそういうのを予め決めておく約束事が苦手で同時に内心、面倒くさいと思った。
西田との約束事なんて守ったことなど片手で数えるくらいじゃないだろうか。
いつも適当にはぐらかして、避けて逃げる。
そして、『ごめん、悪かった』なんて後から埋め合わせをするなんて、ざらにある。
今回の約束も正直、当初は面倒だと思っていたが、あの笑顔で去っていった彼の姿を思い出すと、自然とすっぽかして帰るなんて気は起きなかった。
むしろ放課後のことを考えているうちに、少し期待しているようなそんな自分がいて、誰かと何かをすることに気持ちが浮ついているのは初めての感覚だった。
放課後、迎えにくる葵を待つように自席から窓の外を眺める。放課後の掃除も終わり、クラスの連中は足早に下校支度をしては居なくなる中、未だに葵の姿が現れない。
こんなに人を待ったのは初めてかもしれない。自分本意にふらつく訳にも行かず、ただ待ち人が来るのをぼんやりと待っている現状が時間がゆっくりと流れていくようなそんな気がして悪くなかった。
ふと窓をよく眺めてみると部活をして校庭を走り回っている陸上部を他所に花壇で葵が何やら作業をしている姿を見つける。
自分の約束を忘れられた·····?
昨日「放課後きますね」なんて言いながら笑顔で帰って行ったのは何だったんだろか。
人には先約を優先しろと言いながら自分の約束をすっぽかされたことに亨は小腹を立てながら座席から立ち上がると教室を出る。
そのまま帰ってやろうかと思ったがそれだけじゃ面白くなく、花壇の方へと足が向っていた。
西田との約束事なんて守ったことなど片手で数えるくらいじゃないだろうか。
いつも適当にはぐらかして、避けて逃げる。
そして、『ごめん、悪かった』なんて後から埋め合わせをするなんて、ざらにある。
今回の約束も正直、当初は面倒だと思っていたが、あの笑顔で去っていった彼の姿を思い出すと、自然とすっぽかして帰るなんて気は起きなかった。
むしろ放課後のことを考えているうちに、少し期待しているようなそんな自分がいて、誰かと何かをすることに気持ちが浮ついているのは初めての感覚だった。
放課後、迎えにくる葵を待つように自席から窓の外を眺める。放課後の掃除も終わり、クラスの連中は足早に下校支度をしては居なくなる中、未だに葵の姿が現れない。
こんなに人を待ったのは初めてかもしれない。自分本意にふらつく訳にも行かず、ただ待ち人が来るのをぼんやりと待っている現状が時間がゆっくりと流れていくようなそんな気がして悪くなかった。
ふと窓をよく眺めてみると部活をして校庭を走り回っている陸上部を他所に花壇で葵が何やら作業をしている姿を見つける。
自分の約束を忘れられた·····?
昨日「放課後きますね」なんて言いながら笑顔で帰って行ったのは何だったんだろか。
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