1 / 101
秘密な関係
秘密な関係 1-1
しおりを挟む誰かと衝突するなんて馬鹿馬鹿しくて、面倒くさくて、嫌いだから兎に角、楽な方へと逃げていたかった。
だけど、葵に出会って全てが変わったんだ……。
―――――――――――――――――――
少し開けた窓から温い風が入ってくる昼休みの保健室。鍵を掛けられて二人だけの空間。
白いベッドに座り込んで窓の外を眺めていると、間仕切りカーテンを閉められ、外の景色が一瞬にして遮断され、白い布地へと変わる。
白衣姿の女が何も言わずに当たり前のように隣に座っては上目遣いで見つめてきた。
「ねぇ、亨。今日、終わるまで待っててくれる?」
少し身体を反らせて見る景色には黒い瞳に人工的なものであろう睫毛が長くカールしては赤い口紅の女の顔がある。
下着が見えそうな膝上の短いスカート。
お手入れが行き届いているのか健康的な肌の色の長い脚を組んでは、胸元を強調させるようなざっくりと空いた洋服。その隙間から見える、黒いレースの下着を見せつけては誘惑しようとしているのがみえみえだ。
保健室の教員、西田亜希子
三十代後半から四十代の教師が多い中唯一二十七歳と若いだけに校内の男子が密かに想いを寄せている人も少なくはない。
若い大人の保健教師というだけで思春期の男子、男性教員でさえ鼻の下が伸びるくらいの存在だった。
塩谷亨もその一人·····と言いたいところだが、差ほどその設定に興味はない。
そう言っておきながらも西田と恋人同士の関係であった。
表面上はあくまで教師と生徒。
「嫌だ。第一お前終わるの遅いじゃん。待ってらんない。」
亨は西田の気配を避けるように立ち上がったが手首を掴まれては引き止められる。
交際を迫ってきたのはあくまで教員にも拘らず西田の方からだった。
『亨くんはカッコいいし、周りの男子より大人っぽいわ。』などと言われ、大して好きではなかったが成り行きで付き合った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる