憧れはすぐ側に

なめめ

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大樹先輩の彼女

7-7

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「.......見たいです」

あまりの律仁さんの真剣な瞳と疑問符責めに圧倒され、渉太は素直な気持ちを漏らしてしまった。渉太の返事を聞くなり、満面の笑みを浮かべてくる律仁さん。

「じゃあ、渉太は参加決定なっ?大樹よろしく」
「お、おう。いいのか渉太」

大樹先輩も律仁さんに押されるように頷いては渉太に改めて確認をとってきた。
先輩のことは今でも気持ちは秘めたままだし、いつ溢れそうになるか分からない。

「はい、お願いします」
「そっか、よかった。渉太とまた星を見ながら話できるの楽しみだな」

律仁さんの圧に負けたのもあるけど、大樹先輩ともう一度だけ天体観測ができたなら·····。それでキッパリ先輩を想うのは諦めよう·····。そう渉太は覚悟した。

「あ、大樹。ちなみにそれ部外者も行っていいやつ?」
「いいけど。まさかお前、来る気か?」

会話のターンが自分に向き終わると、途中だったお弁当をつつきながら律仁さんと大樹先輩の話を聞き流す。

「うん。渉太もいるし。面白そうだから」
 
ふいに自分の名前が律仁さんから出てきてドキっとしてしまい、口内に含んでいたもので喉が詰まりそうになった。
渉太は本人自身は関係のないサークルの野外活動に俺がいるというだけで参加する理由になることに恥ずかしさを覚える。
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