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また一から.........、絶たれた夢
また一から......、絶たれた夢③
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事務所玄関の自動ドアの開閉速度の遅さにもどかしさを感じながら、ロビーを抜けてエレベーターのボタンを連打する。マネージャーのデスクのある階層に到着すると部屋の扉を開けて、真っ先に吉澤のデスクへと足を踏み鳴らしながら向かう。
律仁の存在に気づいて「律仁、どうした?」と惚けた顔で問うてくる吉澤が憎くて、彼の机を思い切り手のひらで叩くと大きな音がした。
周りからの視線を感じるが律仁にとってはそんなことが眼中にないほど、あのニュースの真相が知りたくて仕方がなかった。
「どうした?じゃないんだけど、鈴奈が結婚ってどういうことだよ」
「ああ、そのことか。そのままの話だ。鈴奈は結婚した」
「どこの誰と、なんで」
音楽フェスの時、はっきりと言葉で聴いた訳では無いが、少なからず鈴奈も俺のことが好きだったような気がした。あの時否定してくるはずだし、律仁のことを『言えない……』だなんて曖昧なことを言ってこないはずだ。
だから、俺がトップアイドルになって迎えに行こうと決意した。その為に頑張ってきたはずなのに……。
「なんでって言われても、相手は会社勤めの一般人だし俺が知ることは他にない。それに鈴奈が決めたことだ。二十歳を過ぎたタレントのプライベートは本人に任せてることになっている」
呆れたように深いため息を吐いた吉澤は、薄いビジネス鞄にデスクにあった書類を仕舞い始めていた。
「また樫谷みたいに仕込んだやつなんじゃないのか。じゃなきゃ鈴奈が俺以外の奴と結婚なんてするわけがないだろっ」
「お前は過信しすぎだ。どうして鈴奈がお前を選ぶと思った?トップアイドルにすらなりきれてないお前を。振られたんだから潔く諦めろ」
諦めろと言われて諦めることが出来たのならとっくに鈴奈への想いは断ち切れている。無理やり事務所の意向で引き離されて、オマケに自分の目標とすべきものを失い、目の前の吉澤を恨まずには居られなかった。
律仁の存在に気づいて「律仁、どうした?」と惚けた顔で問うてくる吉澤が憎くて、彼の机を思い切り手のひらで叩くと大きな音がした。
周りからの視線を感じるが律仁にとってはそんなことが眼中にないほど、あのニュースの真相が知りたくて仕方がなかった。
「どうした?じゃないんだけど、鈴奈が結婚ってどういうことだよ」
「ああ、そのことか。そのままの話だ。鈴奈は結婚した」
「どこの誰と、なんで」
音楽フェスの時、はっきりと言葉で聴いた訳では無いが、少なからず鈴奈も俺のことが好きだったような気がした。あの時否定してくるはずだし、律仁のことを『言えない……』だなんて曖昧なことを言ってこないはずだ。
だから、俺がトップアイドルになって迎えに行こうと決意した。その為に頑張ってきたはずなのに……。
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「お前は過信しすぎだ。どうして鈴奈がお前を選ぶと思った?トップアイドルにすらなりきれてないお前を。振られたんだから潔く諦めろ」
諦めろと言われて諦めることが出来たのならとっくに鈴奈への想いは断ち切れている。無理やり事務所の意向で引き離されて、オマケに自分の目標とすべきものを失い、目の前の吉澤を恨まずには居られなかった。
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