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偽りの花言葉
偽りの花言葉⑥
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オーナーの話に意図が掴めず、首を傾げているとピンときていない律仁の様子に気づいたのか、彼も首を傾げ始めた。
「あれ?鈴奈ちゃんから聞いてない?鈴奈ちゃん事務所からソロデビュー決まったって」
「ソロデビュー!?じゃあ、今日のライブは……」
「君とは解散になるからって一週間前にキャンセルの連絡してきたけど。おかげで代わりを探すの大変だったよー。もしかして知らなかったのか?てっきり今日は遊びに来てくれたのだとばかり……」
「え……」
ケロッとした表情で話すオーナーを他所に言葉を理解していても心が追いついていない律仁はその場で固まってしまった。
鈴奈がソロデビューする話なんて聞いていない。昨日だってライブを成功させるようにお互い打ち合わせだってしていたはずだ。
そんなことを言って俺をからかっているんだろうか。鈴奈ならやりかねない……。
律仁は思い立ってライブハウス会場から抜け出すとスマホを取りだし、鈴奈の番号に電話をかけた。何コール立っても出てくれない彼女に苛立ちを覚えながらも、かけては切ってを繰り返す。
そうこうしているうちに待ち合わせ時間が過ぎていき、三十分も経ったところでどうやらオーナーの話は事実であることが明確になっていく。
電話が繋がらなければ鈴奈の寮の部屋まで行って問いただすしかない。いなかったら帰ってくるまで待っていればいい話。
逸る気持ちを抑えて、駆け足で駅の方へ向かうと「この人キレー」と商業ビルのビジョンの方に目線を上げて、話している女子高生につられて律仁も顔をあげる。
そこには一瞬目を疑いそうになったもの黒髪でロングでゆるふわパーマの鈴奈の姿が映し出されていた。心做しか化粧がいつもより濃いのに違和感を覚えたが、聞こえてくる楽曲の歌声は鈴奈のもので間違いなかった。
「あれ?鈴奈ちゃんから聞いてない?鈴奈ちゃん事務所からソロデビュー決まったって」
「ソロデビュー!?じゃあ、今日のライブは……」
「君とは解散になるからって一週間前にキャンセルの連絡してきたけど。おかげで代わりを探すの大変だったよー。もしかして知らなかったのか?てっきり今日は遊びに来てくれたのだとばかり……」
「え……」
ケロッとした表情で話すオーナーを他所に言葉を理解していても心が追いついていない律仁はその場で固まってしまった。
鈴奈がソロデビューする話なんて聞いていない。昨日だってライブを成功させるようにお互い打ち合わせだってしていたはずだ。
そんなことを言って俺をからかっているんだろうか。鈴奈ならやりかねない……。
律仁は思い立ってライブハウス会場から抜け出すとスマホを取りだし、鈴奈の番号に電話をかけた。何コール立っても出てくれない彼女に苛立ちを覚えながらも、かけては切ってを繰り返す。
そうこうしているうちに待ち合わせ時間が過ぎていき、三十分も経ったところでどうやらオーナーの話は事実であることが明確になっていく。
電話が繋がらなければ鈴奈の寮の部屋まで行って問いただすしかない。いなかったら帰ってくるまで待っていればいい話。
逸る気持ちを抑えて、駆け足で駅の方へ向かうと「この人キレー」と商業ビルのビジョンの方に目線を上げて、話している女子高生につられて律仁も顔をあげる。
そこには一瞬目を疑いそうになったもの黒髪でロングでゆるふわパーマの鈴奈の姿が映し出されていた。心做しか化粧がいつもより濃いのに違和感を覚えたが、聞こえてくる楽曲の歌声は鈴奈のもので間違いなかった。
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