住年の想ひ

碧野 宙

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「君って自分に執着しないよね?」

そうだね。僕自身に感情移入しないね。

「映画とか見たらバンバン泣くのにね?」

自分が情けないと思うけど
実際情けなくても辛くても泣けないね。

「最後に自分に感情移入したのはいつ?」

小学生の時好きな子が告られたと
知ったときかな。勇気が出なかった
弱い自分が嫌いになったからね。

「案外それが君のスタートかもね?」

僕が僕を嫌う出発点かもね。
初めて自分の欠点を認識した瞬間だね。

「君は自身を他人事見たいに言うね?」

実際他人事かもよ。僕はどうだっていい。

「どうだっていい?」

僕は僕がどうなろうとどうだっていい。
どうなってもいい。したいことがある
ならしたいことをすればいい。したくない
ならしなければいい。その代わり、
僕は僕を一生軽蔑して、一生嫌い続ける。

「誰かを好きでいるために?」

他人に感情移入するために。
誰かと気持ちを共有するために。

「一周回って不器用なのかな?」

手先は器用だと思いたいけどね。

「君はどんなことも締切直前まで
しなかったりするよね?」

なんかやる気が起きないのさ。
自分に無頓着だから焦らない。
焦っても行動に起こせない。

「いつ焦るの?」

人に言われてやっと、みたいな感じ。
他人の感情が自分の感情に作用する。

「他人にとっての自分が自分?」

我思う故に我ありではなく
他が思う故に我ありって感じ。
他人にとっての僕という存在が
僕を僕たらしめている。

「君にとって自分って何?」

僕は他人の人生のモブだよ。
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