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その革命によって、ひとつの王朝が幕を閉じた。
王朝の打倒は、革命を望んだ民衆にとっては光り輝く日々の始まりであったことだろう。だが、打倒された王朝に属する私にとっては、暗澹たる地獄の幕開けだった。
不穏な予兆はあった。
けれど、それはあまりにも突然のことだったのだ。
王である父も、王妃である母も、出来る限りのことをしたと思う。周辺諸国との戦争に連戦連敗し、それでも自国の領土を守る為戦い続けた。
結果、財政難に陥り税収を上げる為、民に重税を課すことになった。それも、貴族たちが税の一部でも払えば民への重税を回避できたのだ。
だが、貴族たちは断固として課税に反対し、課税を受け入れるようにと願う王を最弱王などと呼んで影で罵詈雑言を向けていた。
私たち王家の周りは敵だらけになっていた。課税を拒み、そのような王は追放すべきだと暗躍する貴族たち。重税に強く反発し、奔流となって団結を始めた市民たち。王家を守る国王軍は、国境で戦いを続けており、私たちを守る者は誰もいなかった。
その日は、突然にやってきた。
王城に乗り込んできた民たち。手招きをしたのは貴族だった。近衛兵たちは大量に雪崩れ込んでくる民たちによって撲殺され、私たち王家は容易く捕えられた。
アインハルト王家の紋章である二頭の獅子の旗は踏みつぶされ、泥と血で汚れていく。家族は離散させられた。父、母、三人の兄、二人の姉、一人の妹。その全ての行方が分からなくなる。
私も、己がどこへ連れ去られるのか分からなかった。ただ、それが楽園でないことだけは理解していた。
初日から、その世界を支配しているのが暴力であることは分かっていた。
私が連れて行かれた先は、城下町にある家屋だった。何かの集会場になっていたのか、たくさんの椅子があり、アインハルトの馬鹿共を粛清、といった標語が壁中に描かれていた。
ここで死ぬのだと、恐怖しながらも覚悟をしていた。だが、結果は死んだ方がマシだと思えるほどの惨状だった。
「お前みたいなクソガキのために、俺らは税を払い続けてたのかよ!!」
罵声と共に顔を殴られた。そんな体験は初めてで、何も分からなくなる。十人ほどの男たちに囲まれて、四方八方から殴られ、蹴られ、いたるところから血が出た。叫び声すら上げられず、涙と鼻血と鼻水が混じって私の顔は汚れていった。
「お前の血と肉は俺たちの税金だ!」
「豪勢な服を着やがって!」
「それも俺たちが必死に働いて収めた金で買ってんだろ!」
「脱がせろ! それは俺たちのもんだ!」
色々な方向から伸びてくる手が、私から衣類の一切を奪い取った。私から奪った衣類を、さらに奪い合っている。
ここが地獄なのだと思った。私が地獄に落とされたのなら、なんの罪によってだったのだろう。必死に勉強をして、剣術も磨いて。いずれは兄が治めるこの国を支えたいと、努めてきた。私が犯した罪は何だったのか。私の罪を教えて欲しかった。
その日から、私は衣類を纏うことを許されなくなった。
家族と離ればなれにされ、殴られ続け、服を脱がされ、その上でまた殴られて意識を失ったその後、私はここから逃げようとした。全裸ではあったが、そんなことに構ってはいられなかった。体中が痛むがそれを無視して全力で走った。だが、すぐに捕まった。
愚かなことをしたと思うが、ただひたすらに逃げたかったのだ。逃げた私への罰として、また暴力が振るわれた。体中が青痣だらけになる。そのまま殺してくれれば良かったのに、更に良くないことが起こった。
右足の腱を切られたのだ。
激痛で叫べば、五月蠅いといってまた殴られ、傷の処置だと称して、暖炉の中で熱された火掻き棒で傷跡を焼かれた。あまりの激痛に意識を失う。目を開いた時には、首輪をされ、左足には足枷が嵌められていた。
寒い夜だった。
相変わらず私は裸で、周囲では私に暴力を振るい続けた男たちがいびきをかいて寝ていた。体中が痛くて涙が溢れてくる。声を出して泣きたかったが、男たちが目を覚まして殴られるのが怖かったので、必死になって口を塞いだ。
オリヴィエ殿下。
容易く涙を流してはいけませんよ。
辛くても耐えなくては。
貴方様には、きっとそれが出来ます。
私に剣術を指南していたテオドールの声が蘇る。逞しい体で優しい気性のテオドールを、私はテオと呼んで慕っていた。
光沢を帯びた美しい黒髪と、見つめられると心臓が跳ねる紅玉の瞳。美しいテオの姿を思い出した。テオは、私の憧れだった。
テオは王国軍の第三師団長という名誉ある地位についていた。私より十歳くらいしか年が上ではないのに、立派な軍人だった。テオはいま、どこにいるのだろう。私たち一家の窮状を、知っているのだろうか。
テオ、こんな痛みに私は耐えられそうにない。
心の中でテオに話しかける。助けに来てほしい。いつか見せてくれた見事な剣術で、この男たちを撃退して欲しい。私はもうこの男たちに立ち向かう勇気がない。
一刻も早く助けに来てほしい。それが叶わないのであれば、この男たちが私を殺してくれることを願う。自殺は出来ない。これ以上の地獄には落ちたくない。だから、救いか死を望むことしか出来ないのだ。
「お前、髪が真っ白になってんぞ」
「本当だ。一晩でこんな有様になるなんてなぁ」
「オリヴィエ殿下は榛色の美しい髪を持つって褒め称えられてたのに残念だったなぁ!」
痛みで目を覚ませば、男の手で髪を引っ張られ顔を持ち上げられていた。どうやら私の髪は白に変色しているらしい。何故そんなことになっているのか分からなかった。ただ、父や母に愛された髪色ではなくなっていることは事実であるようだった。
髪を手放され、床に投げ捨てられる。したたかに頭を打ち付けたが、痛がる気力もなかった。早く殺してくれ、それだけを心の中で祈っている。この世界と己を切り離す努力をした。この世界に私はいないのだと思えば、痛みは感じなくなる。心を殺そうとしたその時だった。
「なぁ、おい。王子様よ。あんたの姉妹がどうなったか知りたいか」
男の一人がそんなことを言いだした。心を殺そうとしたのに、阻まれてしまった。家族のことが知りたい。皆の無事を知りたい。私のそんな心を見透かして、心が死ぬことを許さなかった。男はにやにやと笑っている。
「三人の女共はみんな、俺たちの仲間がまわして美味しく頂いたんだとよ」
「おいおい。王子様は“まわした”なんて言葉知らねぇだろ」
「はぁ? じゃあなんて言うんだよ」
「んー……犯した、とかじゃねぇの?」
三人の女。それは、二人の姉と、一人の妹を差していた。それを、犯したとそう言っているのか。二人の姉にはそれぞれ異国に婚約者がおり、来年には嫁ぐはずだった。そんな姉を凌辱したというのか。妹も、犯したと言った。その言葉が信じられなかった。
「そんな……、妹は……まだ、十歳なのに……!!」
ここに来てから初めて、悲鳴ではない声を上げた。喉も殴られており、うまく声が出せないことに今更気付く。私の叫びを聞いて、男たちが声を上げて笑った。
「だからなんだってんだ」
「そんなこと知るかよ」
「お前たち貴族は、何歳でも気が乗りゃ簡単に娘っ子たちを犯していくじゃねーか」
そんな貴族たちのことなんて、私は知らない。それは私たち一家ではない。それなのに、幼い妹にまで凌辱の手を伸ばした。この者たちに、神の裁きが下るべきだ。この者たちが地獄へ落ちるべきだ。なのになぜ、神は我らを救っては下さらないのか。
「あーあ、やっぱ女が良かったよな。なんで俺たちの担当は男なんだよ」
「まあそう言うなって。こいつだって、結構きれいな顔してんじゃん」
「そう言われれば……そうだなぁ」
男たちの野卑な目が私に向く。嫌な予感がした。男たちの手が伸びてきた瞬間に逃げ出そうとするが、右足はまったく動かず走り出すことが出来なかった。容易く私は捕まって、引きずられながらテーブルの上に投げ出される。
「いや……っ、いや、いや……!! やめて!! お願い、それだけはやめて!!」
叫んでも、誰もそんな声には耳を傾けない。五月蠅いといって頭を殴られた。テーブルの上にうつ伏せにさせられ、臀部がテーブルの端に来るように置かれる。乱暴な手つきで足は開かされた。涙が止まらない。テオの言いつけは守れそうになかった。
私の後孔に乱暴に指が入ってくる。中で無理やりに広げられ、すぐに男のものが差し込まれた。絶叫を上げるが、男の手によって口を塞がれておりくぐもった声しか出ない。
「きっつ……!」
「おい、次は俺だからな!」
「お前はさっき散々殴ってただろ、俺はこいつで全然遊んでねぇんだって」
「まぁまぁ、落ち着けよ。まだまだ時間はあるんだ。皆で順番に楽しもうぜ」
苦しい。下腹部を短剣で劈かれているようだ。痛みしかない。体を揺らされて、永遠に続く苦痛を与えられている。私は、この男たちにとって人ではない。ただの道具だ。殴って、犯して、貶めて、辱めて。それらが許される都合の良い玩具だ。
「死ぬまで詫び続けろ、王子様」
何を詫びればいい。
何の罪なのか教えてくれ。
その贖罪としてこの命を奪ってくれたらいい。だから、今すぐに殺してくれ。
この世の全てを呪った。
この絶望と理不尽に対する恨みで人が殺せるのなら、この場の全員を殺している。だが私は無力な子供だ。十七歳の、第四王子。降り注ぐ暴力から己の身を守る方法すら知らない。
助けて、テオ。
王朝の打倒は、革命を望んだ民衆にとっては光り輝く日々の始まりであったことだろう。だが、打倒された王朝に属する私にとっては、暗澹たる地獄の幕開けだった。
不穏な予兆はあった。
けれど、それはあまりにも突然のことだったのだ。
王である父も、王妃である母も、出来る限りのことをしたと思う。周辺諸国との戦争に連戦連敗し、それでも自国の領土を守る為戦い続けた。
結果、財政難に陥り税収を上げる為、民に重税を課すことになった。それも、貴族たちが税の一部でも払えば民への重税を回避できたのだ。
だが、貴族たちは断固として課税に反対し、課税を受け入れるようにと願う王を最弱王などと呼んで影で罵詈雑言を向けていた。
私たち王家の周りは敵だらけになっていた。課税を拒み、そのような王は追放すべきだと暗躍する貴族たち。重税に強く反発し、奔流となって団結を始めた市民たち。王家を守る国王軍は、国境で戦いを続けており、私たちを守る者は誰もいなかった。
その日は、突然にやってきた。
王城に乗り込んできた民たち。手招きをしたのは貴族だった。近衛兵たちは大量に雪崩れ込んでくる民たちによって撲殺され、私たち王家は容易く捕えられた。
アインハルト王家の紋章である二頭の獅子の旗は踏みつぶされ、泥と血で汚れていく。家族は離散させられた。父、母、三人の兄、二人の姉、一人の妹。その全ての行方が分からなくなる。
私も、己がどこへ連れ去られるのか分からなかった。ただ、それが楽園でないことだけは理解していた。
初日から、その世界を支配しているのが暴力であることは分かっていた。
私が連れて行かれた先は、城下町にある家屋だった。何かの集会場になっていたのか、たくさんの椅子があり、アインハルトの馬鹿共を粛清、といった標語が壁中に描かれていた。
ここで死ぬのだと、恐怖しながらも覚悟をしていた。だが、結果は死んだ方がマシだと思えるほどの惨状だった。
「お前みたいなクソガキのために、俺らは税を払い続けてたのかよ!!」
罵声と共に顔を殴られた。そんな体験は初めてで、何も分からなくなる。十人ほどの男たちに囲まれて、四方八方から殴られ、蹴られ、いたるところから血が出た。叫び声すら上げられず、涙と鼻血と鼻水が混じって私の顔は汚れていった。
「お前の血と肉は俺たちの税金だ!」
「豪勢な服を着やがって!」
「それも俺たちが必死に働いて収めた金で買ってんだろ!」
「脱がせろ! それは俺たちのもんだ!」
色々な方向から伸びてくる手が、私から衣類の一切を奪い取った。私から奪った衣類を、さらに奪い合っている。
ここが地獄なのだと思った。私が地獄に落とされたのなら、なんの罪によってだったのだろう。必死に勉強をして、剣術も磨いて。いずれは兄が治めるこの国を支えたいと、努めてきた。私が犯した罪は何だったのか。私の罪を教えて欲しかった。
その日から、私は衣類を纏うことを許されなくなった。
家族と離ればなれにされ、殴られ続け、服を脱がされ、その上でまた殴られて意識を失ったその後、私はここから逃げようとした。全裸ではあったが、そんなことに構ってはいられなかった。体中が痛むがそれを無視して全力で走った。だが、すぐに捕まった。
愚かなことをしたと思うが、ただひたすらに逃げたかったのだ。逃げた私への罰として、また暴力が振るわれた。体中が青痣だらけになる。そのまま殺してくれれば良かったのに、更に良くないことが起こった。
右足の腱を切られたのだ。
激痛で叫べば、五月蠅いといってまた殴られ、傷の処置だと称して、暖炉の中で熱された火掻き棒で傷跡を焼かれた。あまりの激痛に意識を失う。目を開いた時には、首輪をされ、左足には足枷が嵌められていた。
寒い夜だった。
相変わらず私は裸で、周囲では私に暴力を振るい続けた男たちがいびきをかいて寝ていた。体中が痛くて涙が溢れてくる。声を出して泣きたかったが、男たちが目を覚まして殴られるのが怖かったので、必死になって口を塞いだ。
オリヴィエ殿下。
容易く涙を流してはいけませんよ。
辛くても耐えなくては。
貴方様には、きっとそれが出来ます。
私に剣術を指南していたテオドールの声が蘇る。逞しい体で優しい気性のテオドールを、私はテオと呼んで慕っていた。
光沢を帯びた美しい黒髪と、見つめられると心臓が跳ねる紅玉の瞳。美しいテオの姿を思い出した。テオは、私の憧れだった。
テオは王国軍の第三師団長という名誉ある地位についていた。私より十歳くらいしか年が上ではないのに、立派な軍人だった。テオはいま、どこにいるのだろう。私たち一家の窮状を、知っているのだろうか。
テオ、こんな痛みに私は耐えられそうにない。
心の中でテオに話しかける。助けに来てほしい。いつか見せてくれた見事な剣術で、この男たちを撃退して欲しい。私はもうこの男たちに立ち向かう勇気がない。
一刻も早く助けに来てほしい。それが叶わないのであれば、この男たちが私を殺してくれることを願う。自殺は出来ない。これ以上の地獄には落ちたくない。だから、救いか死を望むことしか出来ないのだ。
「お前、髪が真っ白になってんぞ」
「本当だ。一晩でこんな有様になるなんてなぁ」
「オリヴィエ殿下は榛色の美しい髪を持つって褒め称えられてたのに残念だったなぁ!」
痛みで目を覚ませば、男の手で髪を引っ張られ顔を持ち上げられていた。どうやら私の髪は白に変色しているらしい。何故そんなことになっているのか分からなかった。ただ、父や母に愛された髪色ではなくなっていることは事実であるようだった。
髪を手放され、床に投げ捨てられる。したたかに頭を打ち付けたが、痛がる気力もなかった。早く殺してくれ、それだけを心の中で祈っている。この世界と己を切り離す努力をした。この世界に私はいないのだと思えば、痛みは感じなくなる。心を殺そうとしたその時だった。
「なぁ、おい。王子様よ。あんたの姉妹がどうなったか知りたいか」
男の一人がそんなことを言いだした。心を殺そうとしたのに、阻まれてしまった。家族のことが知りたい。皆の無事を知りたい。私のそんな心を見透かして、心が死ぬことを許さなかった。男はにやにやと笑っている。
「三人の女共はみんな、俺たちの仲間がまわして美味しく頂いたんだとよ」
「おいおい。王子様は“まわした”なんて言葉知らねぇだろ」
「はぁ? じゃあなんて言うんだよ」
「んー……犯した、とかじゃねぇの?」
三人の女。それは、二人の姉と、一人の妹を差していた。それを、犯したとそう言っているのか。二人の姉にはそれぞれ異国に婚約者がおり、来年には嫁ぐはずだった。そんな姉を凌辱したというのか。妹も、犯したと言った。その言葉が信じられなかった。
「そんな……、妹は……まだ、十歳なのに……!!」
ここに来てから初めて、悲鳴ではない声を上げた。喉も殴られており、うまく声が出せないことに今更気付く。私の叫びを聞いて、男たちが声を上げて笑った。
「だからなんだってんだ」
「そんなこと知るかよ」
「お前たち貴族は、何歳でも気が乗りゃ簡単に娘っ子たちを犯していくじゃねーか」
そんな貴族たちのことなんて、私は知らない。それは私たち一家ではない。それなのに、幼い妹にまで凌辱の手を伸ばした。この者たちに、神の裁きが下るべきだ。この者たちが地獄へ落ちるべきだ。なのになぜ、神は我らを救っては下さらないのか。
「あーあ、やっぱ女が良かったよな。なんで俺たちの担当は男なんだよ」
「まあそう言うなって。こいつだって、結構きれいな顔してんじゃん」
「そう言われれば……そうだなぁ」
男たちの野卑な目が私に向く。嫌な予感がした。男たちの手が伸びてきた瞬間に逃げ出そうとするが、右足はまったく動かず走り出すことが出来なかった。容易く私は捕まって、引きずられながらテーブルの上に投げ出される。
「いや……っ、いや、いや……!! やめて!! お願い、それだけはやめて!!」
叫んでも、誰もそんな声には耳を傾けない。五月蠅いといって頭を殴られた。テーブルの上にうつ伏せにさせられ、臀部がテーブルの端に来るように置かれる。乱暴な手つきで足は開かされた。涙が止まらない。テオの言いつけは守れそうになかった。
私の後孔に乱暴に指が入ってくる。中で無理やりに広げられ、すぐに男のものが差し込まれた。絶叫を上げるが、男の手によって口を塞がれておりくぐもった声しか出ない。
「きっつ……!」
「おい、次は俺だからな!」
「お前はさっき散々殴ってただろ、俺はこいつで全然遊んでねぇんだって」
「まぁまぁ、落ち着けよ。まだまだ時間はあるんだ。皆で順番に楽しもうぜ」
苦しい。下腹部を短剣で劈かれているようだ。痛みしかない。体を揺らされて、永遠に続く苦痛を与えられている。私は、この男たちにとって人ではない。ただの道具だ。殴って、犯して、貶めて、辱めて。それらが許される都合の良い玩具だ。
「死ぬまで詫び続けろ、王子様」
何を詫びればいい。
何の罪なのか教えてくれ。
その贖罪としてこの命を奪ってくれたらいい。だから、今すぐに殺してくれ。
この世の全てを呪った。
この絶望と理不尽に対する恨みで人が殺せるのなら、この場の全員を殺している。だが私は無力な子供だ。十七歳の、第四王子。降り注ぐ暴力から己の身を守る方法すら知らない。
助けて、テオ。
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