女神皇主は悪魔王子に溺愛されて受難の日々です!

如月ニヒト

文字の大きさ
上 下
24 / 71

侍医からの質問

しおりを挟む
「レティシア、朝食だぞ」

 不機嫌なレギアスの声で目覚めると、自室のいつものカウチソファでレギアスに抱かれて座っていた。
 目の前のローテーブルには朝食と大量の分厚いステーキが並べられている。

「なんか昨日より多くない?……あら?竜王様??」

 目の前のソファには悠然と竜王様が座っていた。紅茶を飲む姿も板に付いていて素敵だわ。

「あのままにしておくと弟子が皇主に何をするかわからないからな。付いてきてやったぞ」
「まあ。頼もしいですわ。ありがとうございます」
「聖印があるからレティシアから離れたくないだけだろ。ていうかレティシアの計算通りだろコレ」

 竜王ほどの戦力を取り込まずしてどうするというのだ。

「ふふふ、竜王まで我が国にいるとなればなかなか手を出せないでしょ?」
「……レティシアってけっこう打算まみれだよな。女神で聖女のくせに……」
「私は国主な上に世界で一二を争う変態権力者に狙われているのよ?優しく清らかなだけじゃ生きていけないわよ」
「くくっ、お前、なかなか面白い女を嫁にするんだな」
「いい女だろ?手を出すなよ?あと俺にいじめられるのはレティシアの趣味だから邪魔もするな」
「皇主、弟子はこんな事を言ってるが本当か?」
「へ?え、えーと……」

 本当ですなんて恥ずかしすぎて言えないけど、嘘だなんて言ったらそれはそれで面倒なことに……

「あの……死にそうだったら、助けてください……」
「くっ、くくくっ、本当に好きなようだ」
「え?あ、ち、違います!違いますよ?」
「レティシア、違わないだろ?諦めろ」

 少し機嫌が治ったレギアスがニヤニヤしながら抱きしめてくる。
 私、こんなんじゃ人のこと変態とか言ってられない気がする。
 遠巻きに眺めてる侍女たちの視線も痛い……
 私は心を無にして朝食に集中することにした。



 竜王様は私の賓客としてヴァルグやシャリーアと一緒に城に住めるように手続きをさせて、また公務をこなした。
 竜王様も見学がてら付いてきたので他の賓客たちに紹介しておいた。みんな半信半疑の様子だったけれど、只者じゃないというのは本能でか察したようだった。
 これで抑止力になるといいな。時々国境近くの空を飛び回って貰うのもいいかもしれない。大きさだけで誰もが畏れるのは間違いない。

 それにしても、竜王様に見つめられてるとちょっとドキドキする……私ってやっぱりセレスティア神の生まれ変わりなのかしら……今まで気が付かなかったけど実は気が多いのかもしれない。
 なんか嫌だな、一途でいたいのに。
 まあでも、見た目にときめくくらいは……それくらいはいいわよね。
 嫉妬もちょっとした恋のスパイスだと思えば……

 もしレギアスが他の女性に目を奪われたりしたらどんな気分になるのかしら……


 想像して勝手に落ち込んでしまった私はバカかもしれない。
 そっと隣にいるレギアスの顔を見上げると、甘やかな笑顔が返ってきて、私は胸が苦しくなった。
 レギアスはいつも私しか見ていない。

 ずっとこのまま、私だけを見ていて……


 一日の公務を終えドラゴン達を用意が整った皇主の部屋に案内したあと、私とレギアスで自室に帰った。
 部屋には侍医のクリスティーヌが待っていた。
 私がカウチソファに寝そべるとクリスティーヌがお腹の上に手をかざして探査魔術を発動する。

「どう?もう何ともないでしょう?」
「ええ、月のものもだいたい終わったようですね。新しい出血はほとんどありません」
「えっとじゃあ、その……」

 レギアスの方を見ると何か言いたそうにしているが、多分我慢している。自分が言うとYESもNOになりそうだとわかっているのだろう。
 そういえば血塗れがどうこう言ってたけど、時間が経ったら落ち着いたのかしら?ちゃんと侍医の言うことを聞こうとしている雰囲気だ。

「レギアスと……しても大丈夫かしら?」

 クリスティーヌが女性で良かった。今も恥ずかしくて顔が赤くなっている自覚があるけど、男性だったら聞ける気がしない。
 あとドラゴンたちが居なくて良かった……

 クリスティーヌを見ると渋い顔をしている。

「そうですねぇ……まだ完全に終わったわけではないので1日様子を見てほしいというのが正直なところですが……聖上自身は、したいのですか?」
「え!?……それは、その…………………………わたくしも、したいわ……」

 な、なんでこんな辱めを受けなければいけないのかしら……顔が熱い……泣きそう。

「聖上はあんな乱暴な行為がお好きなのですか?」
「え!?ち、違うの!……レギアスはいつも乱暴なわけじゃないのよ。本当よ?」

 部屋中の視線がレギアスに注がれている気がする。
 レギアスはというと近くの1人がけソファで所在なさげにしながら目を逸らしている。

「そうですね、乱暴はせずにゆっくり優しくいたわった行為ができるなら少しだけ許可しましょう」
「わ、わかった。優しくする」
「いいですか?少しだけです。何回もしてはいけません。できますか?」
「……せ、せめて3回くらいは……」
「では短いのを2回だけ。これ以上は譲りません」

 2回、2回か、とレギアスがブツブツ言っているけどちょっと嬉しそうだ。良かった。

「聖上。先ほどの質問ですけれど、乱暴な行為はお好きじゃないということでよろしいですか?」
「へ?」
「乱暴な行為はお嫌いと言うことですね?」
「えっと……言わなきゃ、ダメ?」
「加虐行為がエスカレートすると命を失うこともございます。侍医としては聖上陛下の嗜好をきちんと把握しておきたいのです。もし聖上が嫌がっているのなら、レギアス殿下の行為をこのままにしてはおけませんし」
「たぶん……嫌いでは……ないわ」

 は、恥ずかしい……

「……そういうことでしたら、危険がないよう程々に楽しんでくださいませ。もちろん、今日はダメですよ?」
「……わかったわ」
「レギアス殿下、くれぐれも行為がエスカレートしないように。きちんとご自分をコントロールして下さいませ。わかりましたね?」
「わ、わかった」

 なんかクリスティーヌが凄い迫力出していてレギアスがコクコクしてる。

 クリスティーヌが下がって侍女がお茶を出してくれたけど、私は恥ずかしさにカウチの上で横になったまま髪の毛に顔を隠して丸まっていた。

「レティシア、なに可愛いことしてるの?」
「恥ずかしくて……どこかに埋まりたい気分なの」
「じゃあ俺の腕の中に埋まりなよ、ね?」

 レギアスが軽々と私を持ち上げて自分の好きな体勢に持っていく。
 私はレギアスの膝の上に乗って胸に顔をうずめる形になった。

「レティシアはやっぱり一昨日のも嫌じゃなかったんだ」

 レギアスが嬉しそうにニコニコしている。全く反省していない。

「い、嫌だったわよ?」
「わかってるよ。嫌がってるのを無理やりされるのが好きなんだよね」
「私も、よくわからないわ……」
「今までずっと言うこと聞いてくれる相手しか居なかったからじゃない?」
「……そういえば、そうね。私の言うことを聞かない相手はレギアスが初めてだわ」
「やっぱりね」
「レギアスも王子なんだから似たようなものでしょう?」
「俺には姉貴たちがいるからね……」
「ああ……」

 レギアスのお姉様達。どんな人達なんだろう?
 何人居るかすらまだ聞いてなかったわ。
 私の両親を思い出すから家族の話はお互いに避けてきてしまっている。レギアスのお母様のこともそういえば知らない……

「レティシアは気の強さでは姉貴たちと変わらないのに、なんでこんなに可愛いんだろ」

 そう言うとレギアスは私の顔中にキスを落とした。
 私はそっとレギアスを押しのけるとレギアスの肩に手をかけて体を伸ばし、唇を重ねた。

「レギアス、お風呂、いこ?」
「レティシア?」
「綺麗にして、早くレギアスに抱かれたい……」

 私は恥ずかしくてレギアスの肩に顔をうずめた。
 レギアスの私を抱く手に力が入る。
 顔が、体が熱い……

「レティシア!」

 レギアスは私の脇腹に手を差し入れると私を持ち上げ、深く口付けるときつく抱きしめた。
  レギアスの舌が私の口の中を這い回ると身体中がビリビリと痺れて、感じすぎて息が、息ができない。

「んっ、レギアスっ、待って、息が、苦し、の。は、んっ、んんっ!んーー!!」

 レギアスは私の苦情にお構い無しに私の口内を蹂躙し続け、私はすぐに達してしまった。

 呼吸を乱しながらぐったりしている私のドレスを脱がせるとレギアスは自分も服を脱ぎ捨て、浴室に連れていかれた。



今回の挿絵は私の下絵をしろねこ。(https://x.com/white_cat_novel)さんに線画に起こしていただき、柚月ひなた(https://x.com/HINATA_YUZUKI)さんに彩色していただいたものです
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

処理中です...