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第三章 我、太陽の如き愛の伯(おさ)とならん
第五十一話 初恋の果て(3)※
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初めは慎重に朱昂をくわえていたが、根元から先端まで何度も愛撫してから伯陽は大きく喉を開いて、口の中に朱昂を迎え入れた。じゅぶじゅぶと唾液を絡ませながら頭を動かすと、朱昂の指が髪に絡み、白い腿がひくひくと動く。
朱昂が喜んでいるのがうれしい。喉を使えば単にくわえるより苦しいが、朱昂の腰がなんとか律動をこらえているのを見ると、幸せだ。朱昂が自分との行為で快楽を得ている事実が、伯陽の胸をいっぱいにする。体中が熱くて、朱昂のためになんでもしてやりたくなるのだ。
「伯陽。伯陽」
「んぁ」
髪の毛をぴんぴんと引っ張られて、ごぷ、と喉奥から朱昂を出しながら顔を上げた。ギラギラとした目を細めて、朱昂が手招く。
「足、こっちに持ってこい。俺もやってやる」
「無理するな」
初めてだろうと言うと、朱昂はうなずく。男との経験がない朱昂に、あまり肉竿を触らせたくなかった。せっかくのやる気が萎えたら困る。
慌てる伯陽を朱昂はねめつけた。不要な気遣いだと、顔に書いてあった。
「さっきからほとんどお前に触っていない。早く尻をこちらに向けろ」
「分かった……」
おとなしく尻を枕もとに向ける。お互いが横向きになって、相手の楔に触る。朱昂の指を感じたかと思うと、ぴたぴたと先端を指で押された。口淫を再開しようとしていた伯陽は、ぺたぺたぺたぺたと先端ばかり指の腹で叩かれて、腰を震わせた。背骨がが一瞬熱の柱になったかと思うと、陰茎の先からじゅ、と何か出た気配があった。
「どろどろ」
「あそぶな、ぁ……ん」
「でっかいなぁ」
しごきながら朱昂がぶつぶつ感想をもらしている。黙らせるために、朱昂の亀頭をまるごとくわえて強く吸った。朱昂の膝がぎゅうっと閉じるが、陰茎は前に引っ張り出しているため、意味はない。膝の間に手を入れて陰嚢を指先で転がすと、少し腿が開いた。手のひらの上で転がすように揉む。
「ん。ん、ん、ん」
朱昂は鼻にかかった音を出して首を横に振っている。伯陽が顔を上げなくても、敷布が朱昂の悶えを伝える。
朱昂はいたずらを止め、右手で伯陽の竿を上下にしごき続けている。自分の快感に浸りきらずに手を動かしてくれることがうれしい。しゃぶるのをやめて、赤々と隆起した鈴口に何度もくちづける。愛情を込めたくちづけに、朱昂の先走りがひたひたとこぼれる。
――愛おしい。かわいい。最高。
交接でこれほど幸福に包まれるのは初めてだと、伯陽は朱昂の雄を愛撫し、太ももや尻をなで回しながら、うっとりと瞬きをする。快楽の蜜に漬け込まれるような夢王の淫眼ですら、ここまでの充足感は得られなかった。
「や……」
喘ぐ朱昂が片膝を立てた。無意識にだろうか、白い尻がくいくいと揺れる。すると、陰嚢の奥、割り開かれた溝の中に、美しく筋を作ってすぼまる秘孔があった。心なしか、ふっくらと充血しているように見える。偶然目にした伯陽は、視線を外すことができなかった。思わず片方の尻たぶを柔く掴むと、朱昂の手が下りてくる。隠されるかと思ったら、その逆で、朱昂は人差し指と中指で尻肉を広げ、菊門を曝け出すようにした。ごく、と小さくない音が、伯陽の喉から出た。
「伯陽。なか、触りたかったら、いいぞ……。洗ってある」
「洗う……?」
ガン、と頭を殴られたような衝撃だった。朱昂の顔を見ようとするも、朱昂は左手で尻を広げたまま、右腕で目元を覆っている。
「朱昂、洗ってるって」
「洗うだろ……。毎晩夜中に、布団に忍び込むんだから」
きゅううっと音がするほど、朱昂の体が紅潮する。とうとう両手で、朱昂は顔を覆った。
「もうこれ以上聞かないでくれ」
白い肌を桃色に染めて震える朱昂に、伯陽は不覚にも泣きそうだった。急いで起き上がり、体を反転させると顔を覆ったままの朱昂を抱きしめる。顔を覆う手の甲にくちづけると、朱昂が首に腕を回し、肩にすがりついてくる。
右肩を下にして寝る朱昂の左ひざを抱えると、朱昂は素直に左足を伯陽の腰に巻きつけた。
伯陽は人差し指と中指をしゃぶり、朱昂の尻の奥を羽の先でくすぐるような力加減で愛撫する。
「朱昂?」
「んぅ……、なに」
「潤滑用の油か何かあるか?」
朱昂は伯陽の胸に顔を埋めたまま、「引き出しの一番下」と答えた。
朱昂が喜んでいるのがうれしい。喉を使えば単にくわえるより苦しいが、朱昂の腰がなんとか律動をこらえているのを見ると、幸せだ。朱昂が自分との行為で快楽を得ている事実が、伯陽の胸をいっぱいにする。体中が熱くて、朱昂のためになんでもしてやりたくなるのだ。
「伯陽。伯陽」
「んぁ」
髪の毛をぴんぴんと引っ張られて、ごぷ、と喉奥から朱昂を出しながら顔を上げた。ギラギラとした目を細めて、朱昂が手招く。
「足、こっちに持ってこい。俺もやってやる」
「無理するな」
初めてだろうと言うと、朱昂はうなずく。男との経験がない朱昂に、あまり肉竿を触らせたくなかった。せっかくのやる気が萎えたら困る。
慌てる伯陽を朱昂はねめつけた。不要な気遣いだと、顔に書いてあった。
「さっきからほとんどお前に触っていない。早く尻をこちらに向けろ」
「分かった……」
おとなしく尻を枕もとに向ける。お互いが横向きになって、相手の楔に触る。朱昂の指を感じたかと思うと、ぴたぴたと先端を指で押された。口淫を再開しようとしていた伯陽は、ぺたぺたぺたぺたと先端ばかり指の腹で叩かれて、腰を震わせた。背骨がが一瞬熱の柱になったかと思うと、陰茎の先からじゅ、と何か出た気配があった。
「どろどろ」
「あそぶな、ぁ……ん」
「でっかいなぁ」
しごきながら朱昂がぶつぶつ感想をもらしている。黙らせるために、朱昂の亀頭をまるごとくわえて強く吸った。朱昂の膝がぎゅうっと閉じるが、陰茎は前に引っ張り出しているため、意味はない。膝の間に手を入れて陰嚢を指先で転がすと、少し腿が開いた。手のひらの上で転がすように揉む。
「ん。ん、ん、ん」
朱昂は鼻にかかった音を出して首を横に振っている。伯陽が顔を上げなくても、敷布が朱昂の悶えを伝える。
朱昂はいたずらを止め、右手で伯陽の竿を上下にしごき続けている。自分の快感に浸りきらずに手を動かしてくれることがうれしい。しゃぶるのをやめて、赤々と隆起した鈴口に何度もくちづける。愛情を込めたくちづけに、朱昂の先走りがひたひたとこぼれる。
――愛おしい。かわいい。最高。
交接でこれほど幸福に包まれるのは初めてだと、伯陽は朱昂の雄を愛撫し、太ももや尻をなで回しながら、うっとりと瞬きをする。快楽の蜜に漬け込まれるような夢王の淫眼ですら、ここまでの充足感は得られなかった。
「や……」
喘ぐ朱昂が片膝を立てた。無意識にだろうか、白い尻がくいくいと揺れる。すると、陰嚢の奥、割り開かれた溝の中に、美しく筋を作ってすぼまる秘孔があった。心なしか、ふっくらと充血しているように見える。偶然目にした伯陽は、視線を外すことができなかった。思わず片方の尻たぶを柔く掴むと、朱昂の手が下りてくる。隠されるかと思ったら、その逆で、朱昂は人差し指と中指で尻肉を広げ、菊門を曝け出すようにした。ごく、と小さくない音が、伯陽の喉から出た。
「伯陽。なか、触りたかったら、いいぞ……。洗ってある」
「洗う……?」
ガン、と頭を殴られたような衝撃だった。朱昂の顔を見ようとするも、朱昂は左手で尻を広げたまま、右腕で目元を覆っている。
「朱昂、洗ってるって」
「洗うだろ……。毎晩夜中に、布団に忍び込むんだから」
きゅううっと音がするほど、朱昂の体が紅潮する。とうとう両手で、朱昂は顔を覆った。
「もうこれ以上聞かないでくれ」
白い肌を桃色に染めて震える朱昂に、伯陽は不覚にも泣きそうだった。急いで起き上がり、体を反転させると顔を覆ったままの朱昂を抱きしめる。顔を覆う手の甲にくちづけると、朱昂が首に腕を回し、肩にすがりついてくる。
右肩を下にして寝る朱昂の左ひざを抱えると、朱昂は素直に左足を伯陽の腰に巻きつけた。
伯陽は人差し指と中指をしゃぶり、朱昂の尻の奥を羽の先でくすぐるような力加減で愛撫する。
「朱昂?」
「んぅ……、なに」
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朱昂は伯陽の胸に顔を埋めたまま、「引き出しの一番下」と答えた。
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