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第八章・ユリアの決意。7

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 そう考えたら迷ってしまった。自分の気持ちに……。自分の立場よりも。
 私が涙を拭きながら皇宮の中に戻った。明日のこの時間までには答えないといけない。どうしたらいいの……私。
 それに陛下ともちゃんと話し合わないといけないだろう。私は寝室に戻るが陛下は姿はなかった。何処に行ったのかしら?
 てっきり寝室に戻って行ったのかと思ったんだけど……?
 しばらく待っていたが一向に戻ってこない。違う場所でいじけているのかだろうか? 私があんなことを言ったから。
 執務室? それともまだ廊下で歩いているのかしら?
 心配になりランタンを持って捜しに行くことにする。だが執務室に行ったがダイニングルームにも居ない。ロンのところかしら?
 何だか不安になりロンの居る部屋に向かった。部屋に着くと急いでドアをノックする。しばらくしてロンが出てくれたので陛下の居るか尋ねるが、
「陛下ですか? こちらには来ていませんが。何かあったのですか?」 
 と逆に心配されてしまう。
「あ、ううん。いいの。きっとお手洗いに行っててすれ違ったのね。ごめんなさい。気にしないで休んで」
 私は必死に誤魔化した。喧嘩のことも含めて、あまり大事にしたくなかった。もしかしたら、その辺に居るかもしれないし。皇宮中を探すとなったら大変だ。
 ロンの部屋から離れると私は、また探し直すことに。途中でアミーナや他の兵に声をかけられたりしたが、同じように誤魔化しておいた。
 しかし私の力では見つけられなかった。どうしよう。もしかして皇宮の外に?
 いや、夜で遅いし、こんな暗い状態で外に出るとは考えにくい。後探していないところは……。あ、秘密の部屋⁉
 まだあそこは探して行っていない。一人になりたいのなら丁度いい部屋だ。
 もしかしたら、そこに居るかもしれない。
 私は慌てて図書室の方に向かった。図書室に着くとランタンを頼りに中に入る。静かだが、夜だと何だか不気味で怖い。
 恐る恐る進むと中央にある星の絵柄がついた花瓶まで行くが元に戻されていた。そこではないのかな? とも思ったが、皆に見つからないように元の位置に戻した可能性もある。とりあえず中を見て確かめるために花瓶をずらす。お、重い……。
 よくこんな重い物を持てたわね。私は必死になりながら花瓶を動かした。
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