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第六章・それぞれの想いと秘密の部屋。15

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 読んでいた陛下は、それ以上読むのをやめてしまう。どうしたのよ? 続きは?
 そう思いながら見ると陛下は、耳まで真っ赤になっていた。どうやら両親のなれそめを聞いて恥ずかしくなったようだ。
 まぁ……仕方がないわよね。自分でも親のなれそめ聞いたら恥ずかしくなるし。それに聞いていて分かったのだが、どうやらこの隠し部屋が前皇帝と前皇后様の愛の巣だったようだ!
 この先は読まれなくても何となく分かってきた。もしかしてここで、お腹に宿った可能性が高いだろう。
「フフッ……もしかしてここで、前皇后様のお腹に陛下が宿ったのかもしれないわね」
「それ以上言うな。恥ずかしくなる」
「あら、どうして? 素敵じゃない?」
 私は、わざとそう言うと陛下は、さらに恥ずかしそうに本で顔を隠した。
 照れている。まさか、こんな貴重な部屋で両親が愛を育んでいたとは驚く。だが素敵だと思う。
「両親がだぞ……? しかも今座っている場所かもしれない。そんなの恥ずかしくて、どうしたらいいか分からん」
「あら、喜べばいいじゃない? 私は憧れるわ。陛下と侍女だった前皇后様が、ひっそりと愛を育んでいたなんてロマンチックじゃない」
「女は好きだな……そういうの」
 陛下は呆れたようにため息を吐いてくる。
「だって素敵じゃない? 身分の低かった前皇后様は自分の力で、前皇帝に惚れさせるなんて。しかもそれがお互い好き本よ。まるでロマンチックな恋愛小説を読んでいるみたいだわ」
 私はうっとりしながら語った。陛下には分からないかもしれないが、女性は一度でもそれを夢見るものだ。私もそんな恋愛したいって。
「ユリアも同じことをしてみたいのか?」
 えっ? すると陛下は、そのまま私を押し倒してきた。覆い被され、心臓はドキドキと高鳴ってしまう。えっ……これって。
 まるで前皇帝と前皇后様を再現しているような状態だ。
「ちょっと……陛下⁉」
 私は必死に陛下と呼ぶ。すると見つめてきた陛下は、そのまま私にキスをしてきた。
 甘く深いキスをされてさらに心臓が激しく高鳴る。唇を離すと首筋に移動してきた。
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