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第六章・それぞれの想いと秘密の部屋。4

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 今は病で引退しているが、それもあり後に続くように侍女になった。確かアイツの場合は、十五歳ぐらいの時だったか?」
 三人の意外な関係に驚かされる。ロンに関しては確かにそんな家系な感じがする。侯爵とは意外だが優秀な一族なのだろう……。
 エレンは、あまり自分の事は話さないが母親が元侍女だったのね? 知らなかった。
「でもその時は、また幼かったし。大人になって意識するようになったかもしれないじゃない」
「そんなもんかね……?」
「きっとそうよ! それに気になるじゃない。両思いなのか? とかエレンの片思いなのか? とか。もし片思いとかなら応援したくならない?」
 私ならなるわね。お世話になっている二人だし、もし片思いなら力になりたいと思うのは自然なことだと思うけど。すると陛下は深いため息を吐いてくる。
「まったく。女共は好きだよな……そういう話。くだらん。誰が誰を好きかなんて興味もないし知りたいとは思わんな」
「もう~またそんな屁理屈を言う。あなたにはなくても私には興味があるの。もういいわよ……一人で調べるから」
 呆れたように言うため、ちょっとムッとした。女からそういう話が好きなんじゃなくて恋愛とか素敵なラブストーリーがありそうだからいいんじゃない。
 別にあなたが興味がなくてもいいわよ。私一人で二人の関係を調べるから。
 その後。二人を探ることにする。エレンに関しては、いつもの通りだ。専属侍女なので常に私のそばに居るし、離れる時は用を頼んだ時や日常の準備をする時ぐらい。
 でも用を済ませるとすぐに戻ってくる。試しに今、付き合っている男性とか居るの? 
 と質問するが答えは「そんなお方は居りませんわ」とだけ。
 つまりエレンの片思いってこと?
「じゃあ好きな男性のタイプは?」
「そうですわね……面白い方でしょうか? でもただ面白い方ってよりも、楽しませて頂ける方に心惹かれますわね」
 えっ? 楽しませて頂ける方……?
 面白い男性が好きな女性は、よく聞く話だが楽しませて頂けるって……どういう意味でだろうか? 面白いと違うの? あ、一緒に楽しめるって意味かしら?
 うーん。だとしたらロンでは違うかも。彼は冷静沈着で楽しませてくれるとなると、ちょっと違う気がする。
 ロンに対して恋愛感情とかあるのか、ますます分からなくなってしまった。
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