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第三章・二人の距離感。4

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 ムキになってくる陛下に呆れてしまう。何で心配してくれたの? と聞いただけで、そこまでキレるの?
 相変わらず素直じゃないというかツンデレよね。ムカつくぐらいに。
「別に怒ることないじゃない。私は嬉しかったから心配してくれたの? と聞いただけなのに」
「そ、それが勘違いだと言っているんだ⁉ はぁ? 貴様の心配……ふざけるな。俺は抱きたい時に抱いただけだ。そもそも、それぐらいで痛がるとか鍛え方が足りんも。力をつけろ」
「はぁ~? 何よ……それ? ちょっと見直して褒めたらすぐに調子に乗る。大体女と男は体力も痛さも違うのよ。あんたは、楽でいいだろうけど、私は、あんたの……。もういいわ。最低、もう知らない」
 腹を立てて湯船から出ようとする。だが、それに慌てたのか腕を掴まえてくる。
「ま、待て。違う……そういうのじゃなくて」
「な、何よ……離して」
 無理やり引き離そうとするが、陛下は必死に止めようとする。すると、またバランスを崩してしまい二人共倒れてしまう。浅い湯船の中だったが、抱き締められた状態になってしまった。逆に恥ずかしいシチュエーションだ。心臓が飛び出しそうになる。ドキドキしていると目が合う。
 あっ……どうしよう。
 本来なら、すぐに慌てて離れるか、目をそれなのに目が逸らせない。陛下も真っ直ぐと私を見ていて逸らさない。すると顔を近付けてくる。
 う、噓……キスされる⁉
 拒むとかすればいいのに、私は思わず目をつぶってしまった。
 最初は遠慮がちのキスだったが、段々と舌を絡ませるような深いキスになっていく。
 湯船の中だからなのか気持ちがいい。私は陛下の肩に掴まりながら夢中になっていく。だが、下半身に硬いものに当たり我に返る。
 ま、まさか……立ったちゃったの⁉
「ちょっと……当たっているんだけど?」
「し、仕方がないだろう。生理現象だ」
「ど、どうにか……しなさいよ」
「無茶を言うな。し、仕方がない……ちょっと身体を持ち上げるぞ」
「えっ? ちょっと⁉﹂
 陛下は、許可を取る前に私を持ち上げる。慌ててしがみつく。少しずつ下に降ろしてくるが……えっ? 噓っ……ちょっと⁉
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