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第二章・初めての夜。11

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「ユリア様。この際、また一緒にお風呂に入る約束をなされたらどうでしようか?」
「はぁっ? 何で私が⁉」
「もう、この際妥協をしましょうよ。陛下は打たれてユリア様に嫌われたかもしれないと思ったからショックなんだと思います。なら、ユリア様からお誘いすれば万事解決しますから」
 いや……解決するとか、そういう問題? それだと私が陛下と関係を持ちたいみたいじゃないのよ⁉
 冗談じゃないと思いながら見てみるとエレンやロンも期待の眼差しで私を見ていた。
 えっ? ちょっと何よ……その眼差しは? わ、私は言わないわよ。そんな恥ずかしいこと。私は嫌がるが、それを回避するほどのアイデアが出てこない。
 ロンには陛下が居ないと仕事にならないと言われ、エレンにも散々説得されてしまう。嫌だ……でも。確かに、このままにはしておけないし。
 もう~分かったわよ。一緒に入ればいいんでしょ? 私はドンドンとドアを思いっきり叩いた。
「ねぇ~聞いてる? さっきのことは謝るわ。ごめんなさい。お風呂なら、また一緒に入ればいいじゃない。だからお願い……出てきて。もう怒ってないから」
 これで大人しく出て来るとは思わないが。すると、しばらくしてガチッと鍵が開けられた。あ、本当に開いた⁉
 驚いているとドアが少し開けられる。陛下が少し顔を覗かせた。バスローブを着ておりムスッとした表情をしていた。頬は私が叩いたから赤い。だが、それよりも目が少し赤く充血していた。えっ……まさか泣いていたの? 
 ロンは機嫌が損ねないように、
「良かったですね。ユリア様が、また一緒に入浴されるみたいですよ。なら、お風呂に参りましょう」
 と言ってきた。えっ? 今から入り直すの?
 明日でもいいじゃないと思ったが、また怒鳴ると部屋に籠りそうだからグッと我慢する。結局、また風呂に入り直すことになってしまったが。
 そして、大きな湯船の中にぽっつりと二人きり。隣は隣なのだが、微妙な距離感になっていた。お互いに話しかける訳でもない。
 目線を逸らしながら、ただ浸かっているだけだった。き、気まずい。なるべく早く入って出よう。
 バスタオルをギュッと握り締めながらチラッとアイツを見る。改めて見ると色が白いのに鍛えられた身体だった。
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