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番外編・皇太子の憂鬱(レイヴァン視点)28
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全て暴露されてもレイナは謝罪どころか強気だった。『増幅』させる魔法石を持っていたからだ。だがクリスにはそれは効かなかった。
そして結局『時を操る』能力でレイナの本来過ぎてしまった年に戻し、元の居た世界に帰らせる事に成功する。最後は見るからにも形がないほど年寄りになっていたが。
あんなに美しいと言われていた彼女も元の世界で年寄りとして生きて行くのだろう。
容姿に絶対的の自信があった彼女には、この現実に耐えられないだろう。それが神が下した罰。レイナ自身にはピッタリだったに違いない。
そして最後は聖皇だけとなった。元々の元凶だ。
しかし聖皇は『増幅』させる魔法石を手に取ると我々を攻撃しようとしてきた。正気の沙汰ではない。だが運悪くクリスのマナが切れてしまう。
元の幼い赤ん坊に戻ってしまった息子を必死に庇おうとするエルザ。
危ない⁉ そう思ったら自然と飛び出してエルザと息子を守ろうとしていた。
攻撃が私の背中に当たる。激痛はするが、怖さとか無かった。むしろ、これで良かったのだと思った。私は酷い罪を犯した。
大切な彼女を傷つけて婚約破棄を告げてしまった。それは、絶対に許される事ではない。いや……自分自身がどうしても許せなかった。
だから、罰を受けるならこれでいい。大切な彼女を本当の意味で守れたんだ。それだけでも自分自身が救われるだろう。
倒れた後は彼女は泣いて叫んでいた。泣かないで……私は君の笑顔が好きなのだから。
冷たくなっていく身体。意識も朦朧になっていく。これが死ぬって事らしい。
あぁ、結局夢で終わっちゃったな。家族で幸せに過ごす夢が……。
目が閉じていくと、何処からか赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。この声は……何処かで聞いた事があるような気がする。
すると身体があたたかくなる。包み込むような優しいぬくもり。
まるでエルザに抱かれているような安心感があった。これが死なら、悪くないものだ。
しかし、気づいたら見慣れたベッドで眠っていた。あれ……? これは幻か?
だが、それに気づいたクレソンが騒いでいた。
「目を覚まされたんですね⁉」
「えっ?」
そこでクレソンから衝撃の事実を聞いた。私が息を引き取った直後、クリスティーナがエルザのお腹に宿したそうだ。
そして結局『時を操る』能力でレイナの本来過ぎてしまった年に戻し、元の居た世界に帰らせる事に成功する。最後は見るからにも形がないほど年寄りになっていたが。
あんなに美しいと言われていた彼女も元の世界で年寄りとして生きて行くのだろう。
容姿に絶対的の自信があった彼女には、この現実に耐えられないだろう。それが神が下した罰。レイナ自身にはピッタリだったに違いない。
そして最後は聖皇だけとなった。元々の元凶だ。
しかし聖皇は『増幅』させる魔法石を手に取ると我々を攻撃しようとしてきた。正気の沙汰ではない。だが運悪くクリスのマナが切れてしまう。
元の幼い赤ん坊に戻ってしまった息子を必死に庇おうとするエルザ。
危ない⁉ そう思ったら自然と飛び出してエルザと息子を守ろうとしていた。
攻撃が私の背中に当たる。激痛はするが、怖さとか無かった。むしろ、これで良かったのだと思った。私は酷い罪を犯した。
大切な彼女を傷つけて婚約破棄を告げてしまった。それは、絶対に許される事ではない。いや……自分自身がどうしても許せなかった。
だから、罰を受けるならこれでいい。大切な彼女を本当の意味で守れたんだ。それだけでも自分自身が救われるだろう。
倒れた後は彼女は泣いて叫んでいた。泣かないで……私は君の笑顔が好きなのだから。
冷たくなっていく身体。意識も朦朧になっていく。これが死ぬって事らしい。
あぁ、結局夢で終わっちゃったな。家族で幸せに過ごす夢が……。
目が閉じていくと、何処からか赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。この声は……何処かで聞いた事があるような気がする。
すると身体があたたかくなる。包み込むような優しいぬくもり。
まるでエルザに抱かれているような安心感があった。これが死なら、悪くないものだ。
しかし、気づいたら見慣れたベッドで眠っていた。あれ……? これは幻か?
だが、それに気づいたクレソンが騒いでいた。
「目を覚まされたんですね⁉」
「えっ?」
そこでクレソンから衝撃の事実を聞いた。私が息を引き取った直後、クリスティーナがエルザのお腹に宿したそうだ。
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