128 / 158
第八章・皇女・クリスティーナ。28
しおりを挟む
私は申し訳なさそうに話しかけるとカルバーナ侯爵夫人はニコッと微笑んだ。
「もちろんですわ。皇太子殿下とは積もる話もありますし、是非この機会にお話をさせていただけたら幸いですわ」
「……分かりました。では、宜しくお願い致します」
申し訳ないと思ったが、確かに積もる話はあるだろう。前世はクリスの実の妹で、クリスティーナとも義理の姉妹に当たる。私達が居ては話せない事もあるに違いない。
私はお言葉に甘えてレイヴァン様とダンスを踊りに向かうことに。カルバーナ侯爵夫人は、クリスティーナを抱っこして微笑みかけていた。
クリスティーナは、義姉だと分かるのかニコニコしている。
『ロザンナ。お前も相変わらずだな……遠くから見ているだけとは。しかし、もし母上が危ないようだったら助けるつもりだったのだろう? そのために、私より早く憑依したのだろう?』
「あら……お兄様ったら、分かり切ったことを。それに、お兄様がいらっしゃるなら私が前に出る必要はなかっただけですわ。私はどちらでも良かったのですよ? だって、もし失敗したらお兄様のせい。こんな面白い事……見逃せる訳がありませんわ。ミシェルの事もあるし、長生きはするものですわね」
フフッと可笑しそうに不敵な笑みをこぼしている。クリスはそれを聞いてため息を吐く。
『まったく。お前って奴は……本当に君主に性格がそっくりだな』
「オホホッ……最高に光栄なお言葉ですわ。お兄様」
呆れた顔をするクリスとは違い、カルバーナ侯爵夫人は高笑いしていた。
私達がダンスが終わり戻って来た頃には勝ち誇った夫人と何とも言えない顔をしているクリスが居た。それを見て私達は首を傾げる。
何があったのか分からないが、この国は今日も平和だった。
END
「もちろんですわ。皇太子殿下とは積もる話もありますし、是非この機会にお話をさせていただけたら幸いですわ」
「……分かりました。では、宜しくお願い致します」
申し訳ないと思ったが、確かに積もる話はあるだろう。前世はクリスの実の妹で、クリスティーナとも義理の姉妹に当たる。私達が居ては話せない事もあるに違いない。
私はお言葉に甘えてレイヴァン様とダンスを踊りに向かうことに。カルバーナ侯爵夫人は、クリスティーナを抱っこして微笑みかけていた。
クリスティーナは、義姉だと分かるのかニコニコしている。
『ロザンナ。お前も相変わらずだな……遠くから見ているだけとは。しかし、もし母上が危ないようだったら助けるつもりだったのだろう? そのために、私より早く憑依したのだろう?』
「あら……お兄様ったら、分かり切ったことを。それに、お兄様がいらっしゃるなら私が前に出る必要はなかっただけですわ。私はどちらでも良かったのですよ? だって、もし失敗したらお兄様のせい。こんな面白い事……見逃せる訳がありませんわ。ミシェルの事もあるし、長生きはするものですわね」
フフッと可笑しそうに不敵な笑みをこぼしている。クリスはそれを聞いてため息を吐く。
『まったく。お前って奴は……本当に君主に性格がそっくりだな』
「オホホッ……最高に光栄なお言葉ですわ。お兄様」
呆れた顔をするクリスとは違い、カルバーナ侯爵夫人は高笑いしていた。
私達がダンスが終わり戻って来た頃には勝ち誇った夫人と何とも言えない顔をしているクリスが居た。それを見て私達は首を傾げる。
何があったのか分からないが、この国は今日も平和だった。
END
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
652
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる