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第八章・皇女・クリスティーナ。10
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それはレイヴァン様も同じだったみたいで私を強く抱き締めてくる。
「仕方がなくじゃない。エルザはエルザだ。君が生まれてくれて良かったと私は常に思っている」
「レイヴァン様……」
レイヴァン様のそんな風に想ってくれていたのだと分かり嬉しく思う。胸が熱くなった。するとクリスは呆れたようにため息を吐いてきた。
『そんなの分かっている。君主も最初はそのつもりだったが、メアリー夫人の魂には変わりない。母上を大切に想って見守っていた。現にもし将来死んで天界に昇ってきたら自分の傍に置こうかと考えていたぐらいだしな』
「「えっ……?」」
クリスの言葉にレイヴァン様と一緒に一瞬固まってしまう。
それって……私も時の神・クロノス様の恋人に? えぇっ!?
「そんな事は例え神でも黙ってはおけない。エルザはこれからずっと俺の妻だ」
必死に抱き締めながら反論するレイヴァン様。私はドキドキと心情が高鳴る。
『まあ、それは冗談だけどな。そんな事をしたらメアリー夫人が怒ってしまう』
「えっ……冗談だったの?」
『さあな……』
クリスを見るとニヤニヤと笑っていた。からかわれている……。
冗談か本気なのか分からなくなってきた。レイヴァン様の方を見ると眉間のシワを寄せると真っ赤になって『紛らわしい事を言うな』と怒っていた。
『そう怒るな、父上。そのお陰で魔女みたいな女を退治出来ただろう? それに、私だって複雑なのだぞ。良き戦友であったリアムの生まれ変わりである父上が、メアリー夫人の生まれ変わりである母上がくっつくのだからな』
クリスの言葉にハッとする。確かに、息子としては複雑よね。前世だとは言え、親子関係にあった私と大切にしていた友人と結ばれるなんて。
「ごめんなさい。あなたも複雑だったのね……気づいてあげられなくて」
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。すると、クリスはクスッと笑う。
『いや……逆に良かったと思っている。実はリアムの初恋は母上……メアリー夫人だったからな』
「「えっ……そうなの!?」」
思わない真実に驚いてしまう。まさか前皇帝がメアリー夫人に恋心を抱いていたなんて驚く。私だけではなくレイヴァン様も驚いていた。
「仕方がなくじゃない。エルザはエルザだ。君が生まれてくれて良かったと私は常に思っている」
「レイヴァン様……」
レイヴァン様のそんな風に想ってくれていたのだと分かり嬉しく思う。胸が熱くなった。するとクリスは呆れたようにため息を吐いてきた。
『そんなの分かっている。君主も最初はそのつもりだったが、メアリー夫人の魂には変わりない。母上を大切に想って見守っていた。現にもし将来死んで天界に昇ってきたら自分の傍に置こうかと考えていたぐらいだしな』
「「えっ……?」」
クリスの言葉にレイヴァン様と一緒に一瞬固まってしまう。
それって……私も時の神・クロノス様の恋人に? えぇっ!?
「そんな事は例え神でも黙ってはおけない。エルザはこれからずっと俺の妻だ」
必死に抱き締めながら反論するレイヴァン様。私はドキドキと心情が高鳴る。
『まあ、それは冗談だけどな。そんな事をしたらメアリー夫人が怒ってしまう』
「えっ……冗談だったの?」
『さあな……』
クリスを見るとニヤニヤと笑っていた。からかわれている……。
冗談か本気なのか分からなくなってきた。レイヴァン様の方を見ると眉間のシワを寄せると真っ赤になって『紛らわしい事を言うな』と怒っていた。
『そう怒るな、父上。そのお陰で魔女みたいな女を退治出来ただろう? それに、私だって複雑なのだぞ。良き戦友であったリアムの生まれ変わりである父上が、メアリー夫人の生まれ変わりである母上がくっつくのだからな』
クリスの言葉にハッとする。確かに、息子としては複雑よね。前世だとは言え、親子関係にあった私と大切にしていた友人と結ばれるなんて。
「ごめんなさい。あなたも複雑だったのね……気づいてあげられなくて」
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。すると、クリスはクスッと笑う。
『いや……逆に良かったと思っている。実はリアムの初恋は母上……メアリー夫人だったからな』
「「えっ……そうなの!?」」
思わない真実に驚いてしまう。まさか前皇帝がメアリー夫人に恋心を抱いていたなんて驚く。私だけではなくレイヴァン様も驚いていた。
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