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第七章・魔女狩り。13

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「レイヴァン……さま?」
 レイヴァン様は無事を確認するとニコッと微笑む。
「良かった……やっと本当の意味で君を……守る事が出来た」
 レイヴァン様は、そのまま意識を失うと横に倒れて行く。そ、そんな……!?
 私は恐怖とショックで頭が一瞬真っ白になってしまう。身体がガタガタと震える。
「い、いやーっっ!! レイヴァンさま~!!」
 私はやっとの思いで大声を上げて泣き叫んだ。そ、そんな……レイヴァン様!!
 急いでクリスを降ろすとレイヴァン様を抱き上げる。
 レイヴァン様の背中には攻撃を受けた痕跡があった。服が大きく破けて黒くなった背中。どれぐらいの衝撃だったのかが分かるほどだ。
 レイヴァン様の身体はどんどんと冷たくなっていくのが肌で感じる。
 嫌だ……死なないで。私は必死に揺する。しかし反応はなかった。
 皇太子が攻撃され、殺された事で周りの貴族達は悲鳴が上がり大パニックになる。
 逃げ回る貴族達。だが聖皇様は、まだ笑っていた。
「やったぞ。これで……この国は私のものだ。アハハッ……」
 そんな……何故こんな事に。
 私はただ元の生活に戻りたかっただけなのに。やっと手に入れた幸せ。
 レイヴァン様が居て、可愛い息子のクリスが居て。それにもうすぐ産まれてくれるかもしれないクリスティーナと幸せに暮らしたかっただけなのに。涙が溢れてくる。
 レイヴァン様は……最期まで私を愛してくれていた。それが分かっただけでも嬉しかった。でも……こんな最期は悲し過ぎるわ。
 目尻から涙がこぼれレイヴァン様の頬に当たる。その時だった。
 広々としたダンスホールの天井から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。この泣き声は聞き覚えがある。クリスティーナの声だわ!?
 泣き声に聞こえたのは私だけではなかった。周りの貴族達や騎士達も聞こえたようで、ざわめきだした。
「赤ん坊の泣き声?」
「一体何処から聞こえてくるんだ?」
 するとガタガタと天井が揺れ始める。地震!?
 大きく横に揺れ、窓ガラスが割れる。シャンデリアが消えたり光ったして、地震の大きさが現れている。周りの貴族達はさらい悲鳴が聞こえてきてパニックに。
『これは……クリスティーナのマナだ!? クリスティーナが癇癪を起こしている』
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