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第七章・魔女狩り。4
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「な、何を言っているのよ!? 私は正真正銘の聖女よ。その証拠に多くの人々の怪我や病気を治してきたわ。皆私に感謝しているもの」
クリスの言葉に慌てて反論をするレイナ様。するとそれをそばで聞いていたセイン様が激怒してきた。
「そうだ。レイナが噓をついたと言うのか!? 性悪女の息子か何か知らないが、これ以上聖女であるレイナを侮辱するのは許さない」
セイン様!? 腰につけていた剣を抜いて今にも襲い掛かろうとするではないか。
私は慌てて止めようとするが、クリスは深くため息を吐いていた。
「……実に愚かだな」
「ぐっ……あっ……」
クリスがセイン様を睨みつけると、指をパチンッと鳴らした。その瞬間だった。急にセイン様が苦し始めるではないか。
剣を落とし、跪くと頭を抱えながらもがきだす。えっ……何が起きたの!?
困惑していると、スッと何も無かったかのように静かになる。そして頭を上げたセイン様は目を見開いて驚いた表情をしていた。
「あれ……? 俺は……何をしていたんだ?」
えっ……まさかレイナ様の『魅了』が解けたの?
何が起きたのか分からない様子のセイン様。周りの貴族達も今の出来事に困惑をし、どよめき出した。
「これで分かっただろう? この男も『魅了』で操っていたに過ぎない。それに、怪我や病気を治しただと? 貴様のやっていた事は『魅了』で操り治ったと錯覚をさせただけではないか。その証拠に、その治したはずの患者を調べてみろ。軽傷の者以外の患者はその後に全員死んでおる。脳にマナを送り込んで治った気でいるだけで、実際は悪化させる一方で死を早めたに過ぎない」
そ、そんな……!? それは私も知らなかった真実だった。
聖女として数多くの怪我や病気の人を治してきたと聞いていた。その偉大なる力に多くの民や兵士達は聖女だと慕っていたのに。
「ち、違う。あなたこそ噓を言わないでよ。私は間違いなく能力で治したわ。私は神に愛されているのよ。そんな事ぐらいで疑わないでほしいわ」
そんな事って……。
「ほう……聖女とは思えない発言だな。良かろう……では証明してみせよ。本物の聖女なら、このぐらいの怪我ぐらい簡単に治せるはずだろう?」
クリスの言葉に慌てて反論をするレイナ様。するとそれをそばで聞いていたセイン様が激怒してきた。
「そうだ。レイナが噓をついたと言うのか!? 性悪女の息子か何か知らないが、これ以上聖女であるレイナを侮辱するのは許さない」
セイン様!? 腰につけていた剣を抜いて今にも襲い掛かろうとするではないか。
私は慌てて止めようとするが、クリスは深くため息を吐いていた。
「……実に愚かだな」
「ぐっ……あっ……」
クリスがセイン様を睨みつけると、指をパチンッと鳴らした。その瞬間だった。急にセイン様が苦し始めるではないか。
剣を落とし、跪くと頭を抱えながらもがきだす。えっ……何が起きたの!?
困惑していると、スッと何も無かったかのように静かになる。そして頭を上げたセイン様は目を見開いて驚いた表情をしていた。
「あれ……? 俺は……何をしていたんだ?」
えっ……まさかレイナ様の『魅了』が解けたの?
何が起きたのか分からない様子のセイン様。周りの貴族達も今の出来事に困惑をし、どよめき出した。
「これで分かっただろう? この男も『魅了』で操っていたに過ぎない。それに、怪我や病気を治しただと? 貴様のやっていた事は『魅了』で操り治ったと錯覚をさせただけではないか。その証拠に、その治したはずの患者を調べてみろ。軽傷の者以外の患者はその後に全員死んでおる。脳にマナを送り込んで治った気でいるだけで、実際は悪化させる一方で死を早めたに過ぎない」
そ、そんな……!? それは私も知らなかった真実だった。
聖女として数多くの怪我や病気の人を治してきたと聞いていた。その偉大なる力に多くの民や兵士達は聖女だと慕っていたのに。
「ち、違う。あなたこそ噓を言わないでよ。私は間違いなく能力で治したわ。私は神に愛されているのよ。そんな事ぐらいで疑わないでほしいわ」
そんな事って……。
「ほう……聖女とは思えない発言だな。良かろう……では証明してみせよ。本物の聖女なら、このぐらいの怪我ぐらい簡単に治せるはずだろう?」
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