50 / 158
第五章・運命の歯車が動き出す。2
しおりを挟む
その微笑みは、どこか余裕の表情で妖艶な雰囲気だった。ドキッと心臓が高鳴る。
えっ……笑った!?
すると、その時だった。バタバタと誰かが入ってくる。
「子供が生まれたって本当か!?」
「れ、レイヴァン様……」
レイヴァン様が、わざわざ子供が生まれると分かると駆けつけてくれた。
あっ……この場合はどうなるのだろう。男の子だったが、私と同じ能力を持っている。そうなると、どう扱われるのだろう?
何よりレイヴァン様は、何を考えているのだろうか。
私は戸惑っていると、レイヴァン様は息を整えながらベッドの方まで来てくれた。他の侍女や助産婦を下がらせる。
「レイヴァン様」
「……この子か」
すると息子の顔を見た途端、眉をひそめた。表情も自分の息子と初めて対面するとは思えないほど冷たい。まさか……良くない事を考えているの!?
だとしたら止めなくちゃあ。慌てて息子を守ろうとする。すると、その時だった。
「……やっと生まれたか。クリス。遅いぞ」
『仕方がなかろう。早く産まれたら、未熟児過ぎてこの身体が持たない』
「まったく……私がどれほど待った事か」
やれやれと、ため息混じりに言うレイヴァン様。えっ……?
止めるはずが、二人の言葉に驚いてしまった。今、二人が会話したの?
正確には息子の方は会話というより、テレパシーのように脳内に響いてきた。それに、レイヴァン様が反応して話しかけているようだった。
こんな産まれたばかりの赤ん坊がテレパシーの形で話せるのも驚きだが、その知性にも驚かされる。それに、この赤ん坊とは思えない低く大人っぽい口調。何処かで聞いた事があるような気がする。何処だったかしら?
うっ……。すると頭痛が。
「エルザ!? 大丈夫か?」
私の異変に気づいたレイヴァン様は慌てる。
『……説明が出来るまで私達の会った記憶を消していたから、その反動だろう。母上の記憶を元に戻すとしよう』
息子はそう言うと、私の手を触れる。すると、消えてしまった記憶が鮮明に思い出す。
えっ……笑った!?
すると、その時だった。バタバタと誰かが入ってくる。
「子供が生まれたって本当か!?」
「れ、レイヴァン様……」
レイヴァン様が、わざわざ子供が生まれると分かると駆けつけてくれた。
あっ……この場合はどうなるのだろう。男の子だったが、私と同じ能力を持っている。そうなると、どう扱われるのだろう?
何よりレイヴァン様は、何を考えているのだろうか。
私は戸惑っていると、レイヴァン様は息を整えながらベッドの方まで来てくれた。他の侍女や助産婦を下がらせる。
「レイヴァン様」
「……この子か」
すると息子の顔を見た途端、眉をひそめた。表情も自分の息子と初めて対面するとは思えないほど冷たい。まさか……良くない事を考えているの!?
だとしたら止めなくちゃあ。慌てて息子を守ろうとする。すると、その時だった。
「……やっと生まれたか。クリス。遅いぞ」
『仕方がなかろう。早く産まれたら、未熟児過ぎてこの身体が持たない』
「まったく……私がどれほど待った事か」
やれやれと、ため息混じりに言うレイヴァン様。えっ……?
止めるはずが、二人の言葉に驚いてしまった。今、二人が会話したの?
正確には息子の方は会話というより、テレパシーのように脳内に響いてきた。それに、レイヴァン様が反応して話しかけているようだった。
こんな産まれたばかりの赤ん坊がテレパシーの形で話せるのも驚きだが、その知性にも驚かされる。それに、この赤ん坊とは思えない低く大人っぽい口調。何処かで聞いた事があるような気がする。何処だったかしら?
うっ……。すると頭痛が。
「エルザ!? 大丈夫か?」
私の異変に気づいたレイヴァン様は慌てる。
『……説明が出来るまで私達の会った記憶を消していたから、その反動だろう。母上の記憶を元に戻すとしよう』
息子はそう言うと、私の手を触れる。すると、消えてしまった記憶が鮮明に思い出す。
1
お気に入りに追加
662
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢のユリアは時間停止の魔法で凌辱される。【完結】
ちゃむにい
恋愛
その時ユリアは、ただ教室で座っていただけのはずだった。
「……っ!!?」
気がついた時には制服の着衣は乱れ、股から白い粘液がこぼれ落ち、体の奥に鈍く感じる違和感があった。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
悪役令嬢の許嫁は絶倫国王陛下だった!? ~婚約破棄から始まる溺愛生活~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢の許嫁は絶倫国王陛下だった!? 婚約者として毎晩求められているも、ある日
突然婚約破棄されてしまう。そんな時に現れたのが絶倫な国王陛下で……。
そんな中、ヒロインの私は国王陛下に溺愛されて求婚されてしまい。
※この作品はフィクションであり実在の人物団体事件等とは無関係でして
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年はご遠慮下さい。
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
絶倫彼は私を離さない~あぁ、私は貴方の虜で快楽に堕ちる~
一ノ瀬 彩音
恋愛
私の彼氏は絶倫で、毎日愛されていく私は、すっかり彼の虜になってしまうのですが
そんな彼が大好きなのです。
今日も可愛がられている私は、意地悪な彼氏に愛され続けていき、
次第に染め上げられてしまうのですが……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
国王陛下は悪役令嬢の子宮で溺れる
一ノ瀬 彩音
恋愛
「俺様」なイケメン国王陛下。彼は自分の婚約者である悪役令嬢・エリザベッタを愛していた。
そんな時、謎の男から『エリザベッタを妊娠させる薬』を受け取る。
それを使って彼女を孕ませる事に成功したのだが──まさかの展開!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる