74 / 140
第六章。修羅場の行く末。3
しおりを挟む
「あぁ、君が良かったらだけど……」
そう言いながら稲葉先輩は少し照れたように笑った。社会人らしくビシッとスーツで決めているが、その少し照れたように笑う姿は、昔の先輩の面影があって懐かしく思えた。私は承諾すると近くの喫茶店に入る。
そしてお互いにコーヒーを注文すると高校の頃の話をして盛り上がった。懐かしい話が出て楽しい時間を過ごした。
「アハハッ……本当に懐かしいな。佐久間さんと居ると昔の頃に戻ったみたいだよ」
「私もです」
違うとすれば、こんな風に話が出来ていることだろうか。昔の私は彼女も居たせいで声をかけられずに、遠くから応援をしているのが精一杯だった。
「でも昔の君は、遠くからサッカー部をよく見ていたよね?」
「えっ? 気づいていたのですか⁉」
「うん。君……目立っていたから」
えぇっ? あんなに応援してくれるファンがたくさん居たのに。目立って……どういう意味で? まさか変な事をやらかしていたのかしら? まさか……。
私は困惑していると稲葉先輩はアハハッと笑い出した。
「佐久間さんって密かに狙っている男子とか多かったんだよ? 美人でスタイルが良かったから」
び、美人⁉ 私が?
まさか稲葉先輩に言われるなんて思わなかったから驚いてしまった。
「まぁ、俺もその一人だったのだけど……」
えっ? 今の言葉は聞き間違い? 何か凄いことを言われたような??
思わない言葉に胸が余計にドキドキと高鳴ってしまう。
「俺さ……佐久間さんのこと気になっていたんだよね。高校の頃」
えっ……えぇっ⁉ そんなの知らなかった。いや、しかし稲葉先輩には彼女が居たのに。どうして?
「えっ……でも、彼女さんが居ましたよね? マネージャーの」
「……うん。当時付き合っていた。彼女……麗奈とは付き合っていたが嫉妬や束縛が激し過ぎてね。正直別れようと揉めていた時に君を見つけた。一目惚れって……やつかな? でも、彼女の目が合ったし、なかなか決着がつかずにズルズルとなってしまい卒業をしてしまった。彼女とは、あれから進路も違うから別れられたけど、その時には、すでに遅かった」
そう言いながら稲葉先輩は少し照れたように笑った。社会人らしくビシッとスーツで決めているが、その少し照れたように笑う姿は、昔の先輩の面影があって懐かしく思えた。私は承諾すると近くの喫茶店に入る。
そしてお互いにコーヒーを注文すると高校の頃の話をして盛り上がった。懐かしい話が出て楽しい時間を過ごした。
「アハハッ……本当に懐かしいな。佐久間さんと居ると昔の頃に戻ったみたいだよ」
「私もです」
違うとすれば、こんな風に話が出来ていることだろうか。昔の私は彼女も居たせいで声をかけられずに、遠くから応援をしているのが精一杯だった。
「でも昔の君は、遠くからサッカー部をよく見ていたよね?」
「えっ? 気づいていたのですか⁉」
「うん。君……目立っていたから」
えぇっ? あんなに応援してくれるファンがたくさん居たのに。目立って……どういう意味で? まさか変な事をやらかしていたのかしら? まさか……。
私は困惑していると稲葉先輩はアハハッと笑い出した。
「佐久間さんって密かに狙っている男子とか多かったんだよ? 美人でスタイルが良かったから」
び、美人⁉ 私が?
まさか稲葉先輩に言われるなんて思わなかったから驚いてしまった。
「まぁ、俺もその一人だったのだけど……」
えっ? 今の言葉は聞き間違い? 何か凄いことを言われたような??
思わない言葉に胸が余計にドキドキと高鳴ってしまう。
「俺さ……佐久間さんのこと気になっていたんだよね。高校の頃」
えっ……えぇっ⁉ そんなの知らなかった。いや、しかし稲葉先輩には彼女が居たのに。どうして?
「えっ……でも、彼女さんが居ましたよね? マネージャーの」
「……うん。当時付き合っていた。彼女……麗奈とは付き合っていたが嫉妬や束縛が激し過ぎてね。正直別れようと揉めていた時に君を見つけた。一目惚れって……やつかな? でも、彼女の目が合ったし、なかなか決着がつかずにズルズルとなってしまい卒業をしてしまった。彼女とは、あれから進路も違うから別れられたけど、その時には、すでに遅かった」
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お見合い相手は極道の天使様!?
愛月花音
恋愛
恋愛小説大賞にエントリー中。
勝ち気で手の早い性格が災いしてなかなか彼氏がいない歴数年。
そんな私にお見合い相手の話がきた。
見た目は、ドストライクな
クールビューティーなイケメン。
だが相手は、ヤクザの若頭だった。
騙された……そう思った。
しかし彼は、若頭なのに
極道の天使という異名を持っており……?
彼を知れば知るほど甘く胸キュンなギャップにハマっていく。
勝ち気なお嬢様&英語教師。
椎名上紗(24)
《しいな かずさ》
&
極道の天使&若頭
鬼龍院葵(26歳)
《きりゅういん あおい》
勝ち気女性教師&極道の天使の
甘キュンラブストーリー。
表紙は、素敵な絵師様。
紺野遥様です!
2022年12月18日エタニティ
投稿恋愛小説人気ランキング過去最高3位。
誤字、脱字あったら申し訳ないありません。
見つけ次第、修正します。
公開日・2022年11月29日。
ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編
タニマリ
恋愛
野獣のような男と付き合い始めてから早5年。そんな彼からプロポーズをされ同棲生活を始めた。
私の仕事が忙しくて結婚式と入籍は保留になっていたのだが……
予定にはなかった大問題が起こってしまった。
本作品はシリーズの第二弾の作品ですが、この作品だけでもお読み頂けます。
15分あれば読めると思います。
この作品の続編あります♪
『ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編』
【完結】【R18短編】その腕の中でいっそ窒息したい
夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
私立大学の三年生である辻 朱夏《つじ あやか》は大層な美女である。
しかし、彼女はどんな美形に言い寄られてもなびかない。そんなこともあり、男子学生たちは朱夏のことを『難攻不落』と呼んだ。
だけど、朱夏は実は――ただの初恋拗らせ女子だったのだ。
体育会系ストーカー予備軍男子×筋肉フェチの絶世の美女。両片想いなのにモダモダする二人が成り行きで結ばれるお話。
◇hotランキング入りありがとうございます……!
――
◇初の現代作品です。お手柔らかにお願いします。
◇5~10話で完結する短いお話。
◇掲載先→ムーンライトノベルズ、アルファポリス、エブリスタ
【R18・完結】蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない〜
花室 芽苳
恋愛
契約結婚しませんか?貴方は確かにそう言ったのに。気付けば貴方の冷たい瞳に炎が宿ってー?ねえ、これは大人の恋なんですか?
どこにいても誰といても冷静沈着。
二階堂 柚瑠木《にかいどう ゆるぎ》は二階堂財閥の御曹司
そんな彼が契約結婚の相手として選んだのは
十条コーポレーションのお嬢様
十条 月菜《じゅうじょう つきな》
真面目で努力家の月菜は、そんな柚瑠木の申し出を受ける。
「契約結婚でも、私は柚瑠木さんの妻として頑張ります!」
「余計な事はしなくていい、貴女はお飾りの妻に過ぎないんですから」
しかし、挫けず頑張る月菜の姿に柚瑠木は徐々に心を動かされて――――?
冷徹御曹司 二階堂 柚瑠木 185㎝ 33歳
努力家妻 十条 月菜 150㎝ 24歳
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
身代わりお見合い婚~溺愛社長と子作りミッション~
及川 桜
恋愛
親友に頼まれて身代わりでお見合いしたら……
なんと相手は自社の社長!?
末端平社員だったので社長にバレなかったけれど、
なぜか一夜を共に過ごすことに!
いけないとは分かっているのに、どんどん社長に惹かれていって……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる