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第五章・秘書としての役割。4
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「はい。幸い軽い怪我で済んだみたいです。しかし親御様が酷く怒っている様子で、我が社を訴えると言っているそうです」
訴えでもされたら、会社のイメージダウンになりかねない。なんとしてでも取り下げてもらわないと。
「今すぐ車を出せ。その家に謝罪に行くぞ!」
「は、はい。承知致しました」
「それぐらいの対処なら部下に行かせたらどうですか? わざわざ多忙な社長が出る必要は無いのでは? スケジュールの都合もありますし」
だが、栗本さんが慌てて止めてきた。しかし社長は背広を羽織ながら、
「いや、ただのおもちゃの不満ぐらいならいい。だが子供が我が社のおもちゃで怪我をしたのなら、社長として謝るのが筋だ!」
と言った。私は早々と車の手配をする。栗本さんも一緒にクレームをしてきた自宅に行き、深々と頭を下げて謝罪をする。
「今回は誠に申し訳ありませんでした!」
「少しの怪我で済んだから良かったけど、ウチの子に怪我をさせるなんてどういうつもりよ⁉ もし酷い怪我だったらどうする気だったのよ?」
「大切なお子様が怪我をされてお怒りなのは、ごもっともです。今回の件は我々の不手際です。本当に申し訳ありませんでした」
一切言い訳をせずに社長は自ら深々と頭を下げて謝罪をした。その姿は潔くて男らしいと思った。私は頭を下げながら、その姿に思わず見惚れてしまう。
「そ、そんな謝罪程度で済むなんて思わないで。あんな危ないおもちゃなんて、もう二度と遊ばせ……」
「もしかして今、抱いているお子様が怪我をしたお子様ですよね?」
お客様が言い終わる前に突然社長が言い出した。お客様は困惑した表情をすると社長は気にすることなく、その怪我をしたお子さんに近づく。
「痛い思いさせて悪かったな。今度は、もっと安全にしたおもちゃで、たくさん遊ばせてやるからな」
そう言って優しい笑顔で微笑みかけ頭を撫でてあげていた。すると、小さなお子さんはキャッキャッと笑顔で抱っこを要求してくる。
「よしよし。抱っこしてもよろしいですか?」
「えっ……あ、はい」
許可をもらうと社長は笑顔で高い高いをする。お子さんは、キャッキャッと大はしゃ
訴えでもされたら、会社のイメージダウンになりかねない。なんとしてでも取り下げてもらわないと。
「今すぐ車を出せ。その家に謝罪に行くぞ!」
「は、はい。承知致しました」
「それぐらいの対処なら部下に行かせたらどうですか? わざわざ多忙な社長が出る必要は無いのでは? スケジュールの都合もありますし」
だが、栗本さんが慌てて止めてきた。しかし社長は背広を羽織ながら、
「いや、ただのおもちゃの不満ぐらいならいい。だが子供が我が社のおもちゃで怪我をしたのなら、社長として謝るのが筋だ!」
と言った。私は早々と車の手配をする。栗本さんも一緒にクレームをしてきた自宅に行き、深々と頭を下げて謝罪をする。
「今回は誠に申し訳ありませんでした!」
「少しの怪我で済んだから良かったけど、ウチの子に怪我をさせるなんてどういうつもりよ⁉ もし酷い怪我だったらどうする気だったのよ?」
「大切なお子様が怪我をされてお怒りなのは、ごもっともです。今回の件は我々の不手際です。本当に申し訳ありませんでした」
一切言い訳をせずに社長は自ら深々と頭を下げて謝罪をした。その姿は潔くて男らしいと思った。私は頭を下げながら、その姿に思わず見惚れてしまう。
「そ、そんな謝罪程度で済むなんて思わないで。あんな危ないおもちゃなんて、もう二度と遊ばせ……」
「もしかして今、抱いているお子様が怪我をしたお子様ですよね?」
お客様が言い終わる前に突然社長が言い出した。お客様は困惑した表情をすると社長は気にすることなく、その怪我をしたお子さんに近づく。
「痛い思いさせて悪かったな。今度は、もっと安全にしたおもちゃで、たくさん遊ばせてやるからな」
そう言って優しい笑顔で微笑みかけ頭を撫でてあげていた。すると、小さなお子さんはキャッキャッと笑顔で抱っこを要求してくる。
「よしよし。抱っこしてもよろしいですか?」
「えっ……あ、はい」
許可をもらうと社長は笑顔で高い高いをする。お子さんは、キャッキャッと大はしゃ
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