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遅効性の毒みたい
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ハッと目が覚めた。
アニメやドラマ、映画で見るような、パチッと目を覚ます感じ。
名前を、呼ばれた気がした。
いつもみたいに。彼女が、私を呼んだ気がした。
眠ってから、まだ4時間弱しか経っていない頃。
聞こえるはずないのに、ただ暗がりが広がる部屋を見つめていた。
結局、その後眠れず、睡眠不足のせいか酷い頭痛に襲われた。
私は、基本的にずっと家で仕事をしているから、自ら外に出ようと思わなければ外に出ることはないし、人に会うこともない。
だから睡眠不足でも問題は大してない。
それに今は、なんとなく仕事ができない気がして、休んでる。今やっても、ダメダメなことしかしなさそうで。
心は、無に近い。
悲しいとか寂しいとか、あるいは怒っているとか…あるいは、楽しいとか、そういった感情が欠落してる。
食事も、彼女と出会う前に戻って、あまり美味しいと感じられない。
でも、たぶん、悲しいんだろうし、寂しいんだろうし、怒っているんだろうし、美味しいんだと思う。たまに体が勝手に反応してるから。
だけど、感じられない。
蓋をしたのかもしれない。
蓋をしないと、一瞬でも気が緩むと、自分が今にもあっち側に逝ってしまいそうで。
きっと、そうなったら、誰にも気づかれず、体は醜く腐敗するのだろう。
もっと、「彼女は今、何をしているだろうか?」とか、「風邪を引いてひとりで苦しんではいないだろうか?」とか、「寂しい思いやつらい思いをしていないだろうか?」とか、思うと思ってた。
でも、全然そういったことを思わない。
「なぜ思わないんだろう?」とは思う。
ということは、回り回って思ってるってこと?
結局そういうことも、考えないように蓋をしているんだろう。
仕事を休んでいるのだから、小説の続きを書こうか…と、何度か思った。
それと、「いや…まだ無理か…」を何度も繰り返している。
仕事もせずに家に引きこもって何をしているのかと言えば、ただひたすらに映像作品を見続け、家の片付け(掃除)をし、運動をし、料理をし、食事をし、読書をし、たまに歌を歌い、昨日はクローゼットの扉をペンキで塗った。
真っ白に塗ってやった。
古びた木製の扉だ。
金具が変な位置にあって、開けるたびに毎度毎度体のどこかしらに金具が引っかかるから、ずいぶん前に、金具を取り外して、位置を変えた。
金具はネジがバカになっていて、強引に外したら、剥き出しの木材は見事に大きなささくれを作った。
ネジ穴とささくれを、適当にパテで埋めたのだけれど、剥き出しの木材と、雑に埋められた穴が、やはり毎度毎度扉を開けるたびに気になっていた。
いつかやろうと思っていて、ずっとしていなかった。
パテの上に、今度は丁寧にパテを塗り、乾燥させてからヤスリをかけ、マスキングテープを扉のフチに貼り、思いっきり塗ってやった。
真っ白な扉になった。
部屋が明るくなった。
いっそ、家中の全部が全部塗ってやろうかとも思ったけど、やめた。
ペンキの量が足りないし、素人が塗ったって下手くそが目立つだけだ。
マスキングテープを貼るのが雑だったから、塗りたくないところまでペンキが漏れて真っ白くなってしまったし。
ボヤッとした頭でやるからそうなるんだ。
最近流行りのリメイクシートでどうにかしようと最初は考えていたんだけれど、昔使った時に時間が経ってから剥がれてしまったことがあって、それを思い出すと使いたいとは思えなかった。
昔、趣味でDIYをしていた時は、家具職人さんに塗るのが上手いと褒められたし(お世辞かもしれないけど)、自分でもなかなか上手くいろんな物を作れていたと思っていた。
久しぶりにやると、こうも下手くそになるのかと少し落ち込んだ。
でもまあ、部屋が明るくなったんだし、誰か家に来るわけでもないし、見られるわけでもないし、「いっか」と最終的にはどうでもよくなった。
ところで、秋をひとっ走りして、夏から突然冬が訪れたような気候のなかで、乾燥が酷くなってきたね。
私は除湿機を慌ててしまって加湿器を出したのだけれど、私に似たのか、急に出番がきてやる気のない加湿器は、ミストをちょろちょろとしか出してきやがらない。
全然部屋の湿度が上がらず、私の指はささくれだらけになるし、唇も乾燥してガサガサになった。
「なんでー?」と加湿器に話しかけながら、昔のおばあちゃんがやるようにバシバシ叩いてみた。
もちろん去年の冬に出してくれた勢いのあるミストは出てくれない。
それで数日過ごして、数日過ごしたら機嫌を直してくれるかと思ったけれど、ダメだった。
仕方ないから、水のタンク部分と接触する装置をこちゃこちゃいじったら、急にミストが最大級の威力でぶわっと溢れ出すもんだから、驚いて笑った。
笑っても、心は無だから、不思議な感覚。
でもこの感覚は、私が物心ついた時からあったもの。
慣れ親しんだ感覚のはず。
こうも、たった数年で忘れてしまうものなのか。
…“たった”ではないか。
ずいぶん大人になった。
むかしむかし、まだ私が学生で、人生で一番ストレスを抱えていた頃。
親に虐待され、虐待されていることにも気づけていなかった頃。
私は暴力と性への妄想で頭がおかしくなりそうだった。
シリアルキラーの思考の過程を踏んでいた。
幸いにも、未だに誰かに暴力を振るったことはないし、むしろ人に親切であろうと心がけられている。
…いや、その“親切であろう”とする心がけも、アメリカの有名なシリアルキラーにそっくりで嫌になる。
が、私は、つくづく、日本にいて良かったと思う。
アメリカのように銃は簡単には手に入らないし、やることが身近になくてパーティー三昧で、その過程でドラッグなどを気軽に手にすることもない。
アメリカは今、大変なことになっているみたいだね、本当に。
っていうか、洋画とか見てても、放映当時まだアメリカで違法だったにも関わらず、普通にそういうシーンが当たり前のように描かれていることに恐怖を感じるよね、本当に。
まあ、いいや。
なにより、日本にはアニメがある。
マスコミと酒鬼薔薇事件のせいで、一時はアニメオタクが恐れられたり気持ち悪がられたりしていたけれど、無事地位が上がり、アニメの良さが世界に知れ渡った。
私は、アニメのおかげでまともになれた。
全部、始まりはアニメのおかげだ。
私が学生の頃は、まだアニメの地位は高くなかった。放送してる数も少なかったしね。
特に、一番虐待が酷かった頃は。
アニメオタクと呼ばれる人達は、教室の隅にいるような、下手したらいじめられるような、そんな存在だった。
ただ、元からの性格から、私は差別意識みたいな…そういうのがあまりなかった。
自分が同性も好きになれると知った時にすんなり受け入れられたのと同様に、誰が何を好きでも、正直どうでもよかった。
基本的に誰彼構わず話しかけるタイプだったし、私の通っていた学校はオタクが多い、当時珍しい学校だったから、アニメや漫画やゲームに自然に触れ合えたのは良かった。
それでも…まともになれても、私はR18の小説を書くくらいには性欲がある。
で、頭がおかしくなりそうで…おかしいんじゃないかと、自分が怖くて仕方なかった頃、どうやったらこの暴力的な欲求を抑えられるのかと、なんの知識もないなか、必死に考えていた。
本当に、必死に。
大人になってからは、心理の勉強とかして、自己分析も散々してきて、たまに暴力的な妄想が頭をよぎっても、冷静に「あ、ストレスたまってるんだな」と判断できるようになった。
冷静になれただけで、人間の三大欲求と呼ばれるものがなくなるわけではない。
…でも初めて、そういうことに興味を持たなくなった。
むしろ、なんか、拒絶反応みたいなのが出るようになった。
それは、彼女に「気持ち悪い」と言われてから、1年以上経ってからのこと。
自分で何度も再生ボタンを押したから、そのせいで、私もそう考えるようになった。
自分で自分を洗脳するかのように。
あの頃…自分のことが怖くて怖くて仕方なかったあの頃…必死に自分をコントロールしていたのに、今では、あっさり、その欲求を手放した。
でも、たぶん、体は求めているんだとは思う。
だけど、同時に拒絶もしている。矛盾した状態。
鬱状態ってのもあるのかなあ。
自分は、異常だと思っていた。
けど、この前、友人達と性について初めて深く語り合って、自分は全然異常なんかじゃないってことがわかった。
私は、レスって、3ヶ月~半年くらいをイメージしていたんだけど、世界基準では1ヶ月しないだけでレスになるらしい。
その話をしたら、「1ヶ月しなかったらレスでしょ!!3ヶ月しないとか無理無理」と1人が言うと、みんなが頷いた。
となると、私は1年以上レスなのを我慢して、浮気もせず、小説で欲を消化しようとしていたんだから、むしろ凄いのでは?と思った。
そんな話ができる友人がいるなんてさ、恵まれているよね、私は。
そんな話ができなかったら、自分がおかしいと思ったままだったのだから。
まあ、小説を書くことで消化しようとしていたことが凄いってこと自体は、友人達と話さなくても自負していたんだけれど、なんていうか…少なくとも3ヶ月くらいのレスは苦痛じゃないってことがわかって、自分が異常じゃないと認識したって感じ。
その友人達は異性愛者なのだけれど、話を聞いていたら、まともにイけたことがないらしい。
よく、世の多くの女性は気持ち良くなくても演技してるって聞くし、実際アンケートでも数字でそう出ている。
彼氏、あるいは旦那のことを想ってするらしいし、触れ合えることが重要で、そもそもイくって感覚があまりわからないから、“そんなもの”だと思っていたらしい。
イくって感覚がよくわからないのに、1ヶ月しないのは無理って感覚がすごい。
まあ、私も同性とする時は基本的に攻める側だから、イかないという意味では同じだけど。
あ、同じなのか。
触れ合えることが重要なんだもんね。
アンケート調査って、結構本当なんだなって思った。
…いや、信じていないわけじゃないんだけど、実際身近に複数人いるとなると、ただの数字が人間味を帯びてくるというか…。
みんな相手にちゃんと気を使っているんだね、ホント。
愛だね、愛。
前にも書いた気がするけど、そうなるとさ、私が今までしてきた子達のなかにも、演技派がいたのだろうか…?って思っちゃうよね😂
むずいよねーーー、わかんないもん…!
相手に演技をさせてしまっているかもしれないと常に頭の隅に入れ、常に配慮することが、たぶん、大事だよね…!
あとは…まあ、普通に、疲れさせすぎちゃうのは、本当に良くない癖だよね。
そのせいでレスになったんじゃないかって説も、私のなかではかなり有力だよ。
でも楽しくなっちゃうと止まらないんだよなー。
「もうやめよう、やめよう」ってぶつくさ言ってるとさ、優しさから「あとちょっとだけならいいよ」とか言ってくれちゃうわけよ。
そしたら「わぁっ🥹✨✨✨」ってなって、やりすぎる。
反省すべきなんだろうけど、どうやったら脳みそが本当に心の底から反省できるのか、わからないよ…。
…なんてくだらない話だ。
まとまりのない話。
ちなみにこの記事の本題は、最初の7行である。
実は最初の7行でこの記事を書いた意味は終わっていた。
ただ、残しておきたくて。
彼女に名前を呼ばれた気がして、パッと目を開けた時の感覚を、覚えておきたくて。
書いておけば、記録しておけば、目を開けた瞬間の感覚を、いつでも蘇らせられるから。
言葉にしようのない感覚を。
それだけのために、ここまで読んでくれたあなたは、このまとまりのない話に付き合わされたのです。
わっはっは。
アニメやドラマ、映画で見るような、パチッと目を覚ます感じ。
名前を、呼ばれた気がした。
いつもみたいに。彼女が、私を呼んだ気がした。
眠ってから、まだ4時間弱しか経っていない頃。
聞こえるはずないのに、ただ暗がりが広がる部屋を見つめていた。
結局、その後眠れず、睡眠不足のせいか酷い頭痛に襲われた。
私は、基本的にずっと家で仕事をしているから、自ら外に出ようと思わなければ外に出ることはないし、人に会うこともない。
だから睡眠不足でも問題は大してない。
それに今は、なんとなく仕事ができない気がして、休んでる。今やっても、ダメダメなことしかしなさそうで。
心は、無に近い。
悲しいとか寂しいとか、あるいは怒っているとか…あるいは、楽しいとか、そういった感情が欠落してる。
食事も、彼女と出会う前に戻って、あまり美味しいと感じられない。
でも、たぶん、悲しいんだろうし、寂しいんだろうし、怒っているんだろうし、美味しいんだと思う。たまに体が勝手に反応してるから。
だけど、感じられない。
蓋をしたのかもしれない。
蓋をしないと、一瞬でも気が緩むと、自分が今にもあっち側に逝ってしまいそうで。
きっと、そうなったら、誰にも気づかれず、体は醜く腐敗するのだろう。
もっと、「彼女は今、何をしているだろうか?」とか、「風邪を引いてひとりで苦しんではいないだろうか?」とか、「寂しい思いやつらい思いをしていないだろうか?」とか、思うと思ってた。
でも、全然そういったことを思わない。
「なぜ思わないんだろう?」とは思う。
ということは、回り回って思ってるってこと?
結局そういうことも、考えないように蓋をしているんだろう。
仕事を休んでいるのだから、小説の続きを書こうか…と、何度か思った。
それと、「いや…まだ無理か…」を何度も繰り返している。
仕事もせずに家に引きこもって何をしているのかと言えば、ただひたすらに映像作品を見続け、家の片付け(掃除)をし、運動をし、料理をし、食事をし、読書をし、たまに歌を歌い、昨日はクローゼットの扉をペンキで塗った。
真っ白に塗ってやった。
古びた木製の扉だ。
金具が変な位置にあって、開けるたびに毎度毎度体のどこかしらに金具が引っかかるから、ずいぶん前に、金具を取り外して、位置を変えた。
金具はネジがバカになっていて、強引に外したら、剥き出しの木材は見事に大きなささくれを作った。
ネジ穴とささくれを、適当にパテで埋めたのだけれど、剥き出しの木材と、雑に埋められた穴が、やはり毎度毎度扉を開けるたびに気になっていた。
いつかやろうと思っていて、ずっとしていなかった。
パテの上に、今度は丁寧にパテを塗り、乾燥させてからヤスリをかけ、マスキングテープを扉のフチに貼り、思いっきり塗ってやった。
真っ白な扉になった。
部屋が明るくなった。
いっそ、家中の全部が全部塗ってやろうかとも思ったけど、やめた。
ペンキの量が足りないし、素人が塗ったって下手くそが目立つだけだ。
マスキングテープを貼るのが雑だったから、塗りたくないところまでペンキが漏れて真っ白くなってしまったし。
ボヤッとした頭でやるからそうなるんだ。
最近流行りのリメイクシートでどうにかしようと最初は考えていたんだけれど、昔使った時に時間が経ってから剥がれてしまったことがあって、それを思い出すと使いたいとは思えなかった。
昔、趣味でDIYをしていた時は、家具職人さんに塗るのが上手いと褒められたし(お世辞かもしれないけど)、自分でもなかなか上手くいろんな物を作れていたと思っていた。
久しぶりにやると、こうも下手くそになるのかと少し落ち込んだ。
でもまあ、部屋が明るくなったんだし、誰か家に来るわけでもないし、見られるわけでもないし、「いっか」と最終的にはどうでもよくなった。
ところで、秋をひとっ走りして、夏から突然冬が訪れたような気候のなかで、乾燥が酷くなってきたね。
私は除湿機を慌ててしまって加湿器を出したのだけれど、私に似たのか、急に出番がきてやる気のない加湿器は、ミストをちょろちょろとしか出してきやがらない。
全然部屋の湿度が上がらず、私の指はささくれだらけになるし、唇も乾燥してガサガサになった。
「なんでー?」と加湿器に話しかけながら、昔のおばあちゃんがやるようにバシバシ叩いてみた。
もちろん去年の冬に出してくれた勢いのあるミストは出てくれない。
それで数日過ごして、数日過ごしたら機嫌を直してくれるかと思ったけれど、ダメだった。
仕方ないから、水のタンク部分と接触する装置をこちゃこちゃいじったら、急にミストが最大級の威力でぶわっと溢れ出すもんだから、驚いて笑った。
笑っても、心は無だから、不思議な感覚。
でもこの感覚は、私が物心ついた時からあったもの。
慣れ親しんだ感覚のはず。
こうも、たった数年で忘れてしまうものなのか。
…“たった”ではないか。
ずいぶん大人になった。
むかしむかし、まだ私が学生で、人生で一番ストレスを抱えていた頃。
親に虐待され、虐待されていることにも気づけていなかった頃。
私は暴力と性への妄想で頭がおかしくなりそうだった。
シリアルキラーの思考の過程を踏んでいた。
幸いにも、未だに誰かに暴力を振るったことはないし、むしろ人に親切であろうと心がけられている。
…いや、その“親切であろう”とする心がけも、アメリカの有名なシリアルキラーにそっくりで嫌になる。
が、私は、つくづく、日本にいて良かったと思う。
アメリカのように銃は簡単には手に入らないし、やることが身近になくてパーティー三昧で、その過程でドラッグなどを気軽に手にすることもない。
アメリカは今、大変なことになっているみたいだね、本当に。
っていうか、洋画とか見てても、放映当時まだアメリカで違法だったにも関わらず、普通にそういうシーンが当たり前のように描かれていることに恐怖を感じるよね、本当に。
まあ、いいや。
なにより、日本にはアニメがある。
マスコミと酒鬼薔薇事件のせいで、一時はアニメオタクが恐れられたり気持ち悪がられたりしていたけれど、無事地位が上がり、アニメの良さが世界に知れ渡った。
私は、アニメのおかげでまともになれた。
全部、始まりはアニメのおかげだ。
私が学生の頃は、まだアニメの地位は高くなかった。放送してる数も少なかったしね。
特に、一番虐待が酷かった頃は。
アニメオタクと呼ばれる人達は、教室の隅にいるような、下手したらいじめられるような、そんな存在だった。
ただ、元からの性格から、私は差別意識みたいな…そういうのがあまりなかった。
自分が同性も好きになれると知った時にすんなり受け入れられたのと同様に、誰が何を好きでも、正直どうでもよかった。
基本的に誰彼構わず話しかけるタイプだったし、私の通っていた学校はオタクが多い、当時珍しい学校だったから、アニメや漫画やゲームに自然に触れ合えたのは良かった。
それでも…まともになれても、私はR18の小説を書くくらいには性欲がある。
で、頭がおかしくなりそうで…おかしいんじゃないかと、自分が怖くて仕方なかった頃、どうやったらこの暴力的な欲求を抑えられるのかと、なんの知識もないなか、必死に考えていた。
本当に、必死に。
大人になってからは、心理の勉強とかして、自己分析も散々してきて、たまに暴力的な妄想が頭をよぎっても、冷静に「あ、ストレスたまってるんだな」と判断できるようになった。
冷静になれただけで、人間の三大欲求と呼ばれるものがなくなるわけではない。
…でも初めて、そういうことに興味を持たなくなった。
むしろ、なんか、拒絶反応みたいなのが出るようになった。
それは、彼女に「気持ち悪い」と言われてから、1年以上経ってからのこと。
自分で何度も再生ボタンを押したから、そのせいで、私もそう考えるようになった。
自分で自分を洗脳するかのように。
あの頃…自分のことが怖くて怖くて仕方なかったあの頃…必死に自分をコントロールしていたのに、今では、あっさり、その欲求を手放した。
でも、たぶん、体は求めているんだとは思う。
だけど、同時に拒絶もしている。矛盾した状態。
鬱状態ってのもあるのかなあ。
自分は、異常だと思っていた。
けど、この前、友人達と性について初めて深く語り合って、自分は全然異常なんかじゃないってことがわかった。
私は、レスって、3ヶ月~半年くらいをイメージしていたんだけど、世界基準では1ヶ月しないだけでレスになるらしい。
その話をしたら、「1ヶ月しなかったらレスでしょ!!3ヶ月しないとか無理無理」と1人が言うと、みんなが頷いた。
となると、私は1年以上レスなのを我慢して、浮気もせず、小説で欲を消化しようとしていたんだから、むしろ凄いのでは?と思った。
そんな話ができる友人がいるなんてさ、恵まれているよね、私は。
そんな話ができなかったら、自分がおかしいと思ったままだったのだから。
まあ、小説を書くことで消化しようとしていたことが凄いってこと自体は、友人達と話さなくても自負していたんだけれど、なんていうか…少なくとも3ヶ月くらいのレスは苦痛じゃないってことがわかって、自分が異常じゃないと認識したって感じ。
その友人達は異性愛者なのだけれど、話を聞いていたら、まともにイけたことがないらしい。
よく、世の多くの女性は気持ち良くなくても演技してるって聞くし、実際アンケートでも数字でそう出ている。
彼氏、あるいは旦那のことを想ってするらしいし、触れ合えることが重要で、そもそもイくって感覚があまりわからないから、“そんなもの”だと思っていたらしい。
イくって感覚がよくわからないのに、1ヶ月しないのは無理って感覚がすごい。
まあ、私も同性とする時は基本的に攻める側だから、イかないという意味では同じだけど。
あ、同じなのか。
触れ合えることが重要なんだもんね。
アンケート調査って、結構本当なんだなって思った。
…いや、信じていないわけじゃないんだけど、実際身近に複数人いるとなると、ただの数字が人間味を帯びてくるというか…。
みんな相手にちゃんと気を使っているんだね、ホント。
愛だね、愛。
前にも書いた気がするけど、そうなるとさ、私が今までしてきた子達のなかにも、演技派がいたのだろうか…?って思っちゃうよね😂
むずいよねーーー、わかんないもん…!
相手に演技をさせてしまっているかもしれないと常に頭の隅に入れ、常に配慮することが、たぶん、大事だよね…!
あとは…まあ、普通に、疲れさせすぎちゃうのは、本当に良くない癖だよね。
そのせいでレスになったんじゃないかって説も、私のなかではかなり有力だよ。
でも楽しくなっちゃうと止まらないんだよなー。
「もうやめよう、やめよう」ってぶつくさ言ってるとさ、優しさから「あとちょっとだけならいいよ」とか言ってくれちゃうわけよ。
そしたら「わぁっ🥹✨✨✨」ってなって、やりすぎる。
反省すべきなんだろうけど、どうやったら脳みそが本当に心の底から反省できるのか、わからないよ…。
…なんてくだらない話だ。
まとまりのない話。
ちなみにこの記事の本題は、最初の7行である。
実は最初の7行でこの記事を書いた意味は終わっていた。
ただ、残しておきたくて。
彼女に名前を呼ばれた気がして、パッと目を開けた時の感覚を、覚えておきたくて。
書いておけば、記録しておけば、目を開けた瞬間の感覚を、いつでも蘇らせられるから。
言葉にしようのない感覚を。
それだけのために、ここまで読んでくれたあなたは、このまとまりのない話に付き合わされたのです。
わっはっは。
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