いたずらはため息と共に

常森 楽

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7.向

469.序開

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午前中に生徒会を終えて走って家に帰ると、永那ちゃんは私のベッドで寝ていた。
少しお腹がすいたけど、昨日出来たしこりを解消したい。
服を着替えて、ベッドの中に忍び込む。
永那ちゃんが起きる気配はなく、気持ち良さそうに寝息を立てていた。
彼女に覆いかぶさるように、うつ伏せに寝転ぶ。
サラサラの髪に指を通して撫でると、眠っている彼女の口角が上がった。
「可愛い…」
頬にキスする。
上半身を起こして、額、瞼、鼻先、唇の順でキスを落とす。
永那ちゃんが私によくやってくれること。
唇をゆっくり舐める。
何度往復しても、永那ちゃんは起きない。
だから彼女の下唇を吸った。
開いたすき間に舌を入れて、彼女の歯をなぞる。

フフッと彼女が笑うから、起きたのだとわかった。
それでも私は接吻を続けた。
続けていると、彼女が舌を絡めてくれる。
布団から腕を出して、私の頭を抱えるように抱きしめられた。
ただでさえ自重じじゅうで唇を押し付けるような形になっていたのに、強力な磁石みたいに私達はくっついた。
舌の力を抜いて彼女に任せると、気持ち良さが全身を駆け巡っていく。
混じり合う唾液の滑らかな感触が気持ち良い。

入れ替わるように、彼女が上に、私が下になって寝転ぶ。
優しく胸を揉まれる。
いつもの流れ、“いつもと同じ”という安心感。
彼女の手が服の中に入ってくる。
少し冷たく感じるけれど、たぶん彼女の手が冷たいわけではない。
私の体が、彼女の体温以上に火照っているのだとわかる。
「昨日は全然できなかったから、嬉しい」
彼女が話すために離れると、私達の間に透明の橋がかかった。
マッサージするように胸を優しく揉まれ、私は目を薄く開ける。
「永那ちゃん」
「ん?」
あまりに優しい眼差しで見つめられると、彼女が私に本気で意地悪なことをするようには思えなかった。
「どうして、私に嫉妬させたいの?」
彼女はパチパチと瞬きをする。
「最近、永那ちゃん、たくさん“嫉妬させたい”って言ってる気がする…。どうして?仕返し?私が…最初に千陽の誘いを断れなくて、そのままズルズル…おかしな関係になったから…」
永那ちゃんの瞳が鋭くなって、真剣な顔つきになる。

「穂、嫉妬したくないの?」
「したい人、いるの?」
「さあ?…穂がイライラしてるなんて珍しい」
「い、イライラしてるわけじゃないよ…」
「そうかな?」
「そうだよ。…永那ちゃん、答えてよ。仕返し?…お仕置き?」
フッと彼女が笑う。
「仕返しじゃないよ」
「じゃあ、どうして?どうして、昨日、先に千陽をさわったの?なんで、私じゃなかったの?」
永那ちゃんが私の服を捲って、おへそにキスする。
肌を優しく撫でられ、そのままゆっくり上がっていく。
乳房に赤い華をつけるように吸い付いた。
「永那ちゃん…」
答えてよ。

チュッと音を鳴らして彼女が顔を上げる。
ニヤリと笑って、鼻を突き出すように私に顔を寄せた。
「穂が千陽と2人でシた後、穂がいつもより興奮した」
ふぅっと息をかけられて、反射的に目を閉じた。
「嫉妬した。でも、興奮する穂を見るのが楽しかった」
瞼を上げると、永那ちゃんはもう片方の乳房にもをつけ始めていた。
またチュッと音を鳴らす。
「私が千陽とシた後、穂が積極的になった。嬉しかった」
上目遣いに見られて、目が合って、鼓動が速くなる。
「千陽がそばにいると、穂の反応がいつもより良い」
彼女の手が私の胸に乗り、見せつけるように手を大きく動かした。
「めちゃくちゃ妬く。めっちゃくちゃ妬く、けど、私もそれを楽しんでる」
見下ろされ、唾を飲む。
「穂に私の気持ちをわかってほしいって気持ちももちろんある。けど…それ以上に、穂のエロいとこ、もっと引き出したいって思ってる」
彼女の左眉が上がる。
「私もまだ完全には割り切れないままだけど、今を楽しみたい気持ちのが強いかな。穂が3人でシたいなら、そう思うしかないでしょ?」
永那ちゃんは…私よりもずっと前にしこりを抱えて、そのしこりを、自分で小さくしていったのだと、教わる。
わかっていたつもりだった。
でも私は、全然の気持ちなんてわからないんだ。未だに、全然。
そんな私を、永那ちゃんはずっと「好き」と言い続けてくれた。
私の気持ちに寄り添い続けてくれた。

手を伸ばして、彼女の頭を抱き寄せる。
谷間に彼女の熱い息がかかる。
「永那ちゃん」
「ん?」
「シたい」
フフッと彼女が笑う。
「シて?」
「いいよ」

彼女の頭を解放して、私は自分でブラを外す。
彼女が嬉しそうに笑って、視線を私の胸元に落とした。
「エロ…」
乳房が手に包まれ、キスを交わす。
「好き」
「私も好きだよ」
溢すように言った“好き”に返してくれる。
吐息を交換し合って、踊るみたいに舌を絡めあった。
髪を耳にかけられ、触れられる。
首筋を撫でられ、そのままゆっくり下りていく。
もう一度乳房が包まれ、焦れったいくらい優しく揉まれた。
「永那ちゃん好き、好き」
「可愛い穂」
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