いたずらはため息と共に

常森 楽

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7.向

448.足りない

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穂の腰を掴む。
ポルチオを刺激するように、激しめに抜き挿しした。
自分の腰も使って、彼女の腰を引き寄せて。
穂の息が絶え絶えになる。
ピュッと白い液体が私の右手を覆う。
何度体験しても嬉しい瞬間だ。
…あ、失神しちゃったりしないよね?
なんて思うけど、手は止めないし、ゆるめない。

失神してほしいわけではない。
だって私のことも気持ち良くしてほしいから。
正直なところ、最初は嬉しかったけど、だんだん心配にもなってくる。
病気なんじゃないか?とか、体に負担がかかるんじゃないか?とか。
「穂、息して」
私が話したことで、千陽と目が合った。
すぐにそれる。
「穂」
彼女の腰を激しく引き寄せておきながら言うことでもないけど。
全身から汗が噴き出している。
粒になった汗が照明に照らされて、私が穂の体を揺らすたびにそれも揺れた。
「穂!」
「ハァッ、ハァッ…ぁぁっ」
ケホケホと彼女が咽る。
千陽が彼女の頭を撫でた。
「あぁァッ、ハァッ…ダ、メッんっ…ぁっ」
全身が痙攣して、止まらなくなる。

ゆっくり指を抜くと、千陽も合わせて体を起こした。
「穂、汗すごい」
頭の下に敷いたタオルで、千陽が彼女の顔を拭いてあげる。
穂の胸元は激しく上下して、必死に体に酸素を送り込もうとしている。
「千陽」
呼ぶと、こちらを見る。
「舐めて」
右手を差し出すと、恨めしそうな顔をしつつも、顔を近づけて舌を出した。
「エロ…」
睨まれた。

千陽が手についた液を綺麗に舐め取ってくれて、満足感に浸る。
「永那ちゃ、んッ…ちゃん、と…洗っ…て…」
「はいはい」
立ち上がって、洗面台に向かう。
ちゃんと石鹸で洗った。
戻ると、千陽が穂の頭を撫でていた。
穂の呼吸も少し落ち着いたみたいだった。

「千陽、こっち来て」
穂の足元に座って、手招きする。
千陽が四つん這いになりながら移動して、私のそばに座った。
「前教えたみたいにやってみてよ。私、穂に気持ち良くしてもらうから」
千陽の瞳が不安げに揺れる。
「大丈夫だって。とりあえず、やってみな?」
コクリと頷くのを確認して、場所を譲った。
「んっ…!」
穂の体が大きく揺れる。
千陽が恥部に触れたから。
私はニヤリと笑って、穂の胸元で跨がった。
片手でパジャマの裾を捲る。
この、ワンピースみたいなパジャマはなんなんだろうね?
ユニセックスなんだと思うんだけど、なんでズボンないの?
まあ、どうでもいいか。
「穂、私のことも気持ち良くして?」
眉間も、顎の下もしわくちゃにして“できないよ”と訴えられる。
「さっきお願いしたら“うん”って言ったじゃん」
彼女が深呼吸する。
ゴクリと唾を飲む音がする。
「ぁっ、んッ」
穂が目を閉じてしまう。
後ろを見ると、千陽が穂の恥部に口づけしていた。

「穂、舐めてくれるよね?私もイきたいな~」
「んっ、んッ」
小さく上下に頭を振るから“うん”ってことなんだろうな。
ショーツを脱いで、彼女の口元に自分の割れ目を押し付ける。
舐められた。
「あぁぁっ…」
気持ち良い…。やばい…。割れ目舐められただけなのに…。
ベッドのヘッドボードに片手をつく。
もう片方の手で、自分の胸に触れた。
パジャマの上から、中指で乳首をカリカリ引っ掻く。
私は胸でイけるわけじゃないけど、今日はなんとなくさわりたい気分だ。
「穂、やばい…気持ち良い…」
その言葉で、穂の舌がチロチロと動き出す。
「あぁ…っ」
穂に脚を掴まれる。
私の脚を掴んだ手に、たまにキュッと力が入るから、穂も感じているんだろう。
「ハァッぁぁっ」
チュッと音がして、クリトリスが吸われたのだとわかる。
ヘッドボードにつく手にギュッと力が入り、ビクビクと体が震える。
「ハァッ…穂…めちゃくちゃ気持ちよかった…」
私の股の間からひょこっと覗く瞳が、嬉しそうに弧を描く。

離れようとするけど、穂が脚を離してくれない。
「穂?…もう一回するの?」
返事はない。
でも、彼女の舌が動き始めるから身を任す。
「あぁ…気持ち良い…」
目を閉じて、上を向く。
「んゥッ」
私の脚を掴む穂の手に、一段と力が入った。
動いていた舌が止まる。
振り向いて千陽の方を見ると、指を挿れながら舐めているみたいだった。
シたことがない割に、なかなか高度なことをしているじゃないか。
なんて、上から目線に思う。
穂が止まってしまったから、ほんの少し後ろに下がって、自分の手で気持ち良いところに触れる。
「ハァッハァッ」と穂の熱い吐息が手にかかる。
一緒にイけたりするかな?
「穂、イく時教えて?」
返事の代わりに、喘ぎ声が返ってくる。

「ぁっ、んッ…んっ、イッ…イく…っ」
その声に合わせて、指の速度を速める。
薄く目を開いて、穂が気持ち良さそうにする姿を眺めながら、自分も静かにイった。
穂から僅かに遅れたものの、ほぼ同時と言っていいだろう。
大満足。
穂の手を取って、半ば無理やり脚から離させる。
後ずさって、穂の横に座る。
正座して、千陽を眺めた。
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