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8.閑話
6.永那 中2 冬〜春《古賀日和編》
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「んじゃ、少しずつ慣らしていこっか」
お腹のなかから優しくさわられているのはわかる。
でも、気持ち良いのかどうかは、わからなくて戸惑う。
戸惑っていた…のに、いつも自分でもさわっているところをさわられて、途端に気持ち良くなる。
ビクビクと体を痙攣させて、何度もイった。
恥ずかしいくらいに声も出た。
先輩が汗を拭いてくれて、シャツを胸元にかけてくれる。
「…開発しがいがありそうだ」
彼女は指をティッシュで拭って、小さく呟いた。
私はゴクリと唾を飲んで、寝転んだまま彼女の顔を眺めていた。
背中がゾクリとする。
…私、大人になれた?
その日から、先輩から何度もメッセージで呼び出された。
学校の4階のトイレは人が少ないからと、そこに、何度も。
「声出しちゃダメだよ」
蕩けるようなキスをされて、優しく胸をさわられる。
ブラをお母さんに買ってもらったときには「可愛いね、似合ってる」と微笑まれて、それだけでショーツに愛液が滲んだ。
声が出そうになったときは、口を手で塞がれた。
なのに私の体に触れる手つきは優しいから、足がガクガクと痙攣して、すぐにイってしまう。
膣で感じられるようになると、先輩は心底楽しそうに笑った。
私もそれが嬉しくて、先輩からいつ呼び出されてもいいように、授業中も何度もスマホをチェックするようになった。
授業中は、先輩だって授業中なはずなのに。
そんなことも考えられないくらい、先輩に夢中になった。
冬休みも明けて、もうすぐで春休みになる頃…先輩からの呼び出しが減っていた。
冬休みも1回しか会えなくて、寂しさを募らせていた。
「日和」
お昼休み、スマホを見ていたら、肩を叩かれた。
「菫ちゃん…」
「ちょっと…いい?」
(先輩から連絡がきたら嫌だな…)なんて思いつつ、頷く。
人気の少ない廊下の隅で菫ちゃんが立ち止まる。
「あのさ?最近、何かあった?」
「え?どうして?」
「いや…部活にも全然行ってないみたいだし、家でも変だって…映画部の子とかお母さんとか、みんな心配してるみたいだよ?」
…菫ちゃんは、心配してくれてないの?
「べつに、何もないよ」
「ホントに?…私から見ても、日和、なんか変わったなって思うけど」
「どう、変わった?」
「え…うーん…なんか、心ここにあらず…みたいな?」
「ふーん。それって…悪いことなの?」
「良いとか悪いとかじゃないけど…今まで部活サボったことなんて、なかったんでしょ?…それに、スカートも、最近、短いし。…なんかあったんじゃないの?」
「ハァ」とため息をつく。
「菫ちゃんには関係ないじゃん」
「え…?」
「あっ、ご、ごめん…」
まさか自分の口から悪態をつくような言葉が出てくるとは思いもしなかった。
しかも、一番の友達だと思っていた、あの菫ちゃんに…。
一番の友達…。
本当に、そうなのかな?
私のことなんて、何も知らないくせに。
「…ホント、どうしたの?日和らしくない…」
私らしいって、なに?
「…好きな人、できただけだから。本当に、何もないから」
「え!?好きな人!?」
「うん」
「な、なんだ…そっか。…そっか!!」
菫ちゃんが手をモジモジし始める。
「そ、その…相手は?」
“やめたほうがいい”
菫ちゃんが前に言っていたのを思い出す。
永那先輩のこと、悪く言ってほしくないな…。
「秘密…」
「え~!なんでよー!」
「菫ちゃん…その人のこと、嫌いそうだから…」
「え!?私、そんな嫌いな人いないよ!?」
「…そうかな?」
「私、信用ないな~」
菫ちゃんの眉根が垂れて、ポリポリと頭を掻いた。
ちょっと、冷たくし過ぎたかな?なんて…胸が痛んだ。
「絶対悪く言わない?」
「え!うん!絶対言わないよ!」
そう、言われても…やっぱり少し言うのに躊躇う。
「言わないよ!私、悪口とか嫌いだし」
フゥッと息を吐いて、心を落ち着かせる。
…そっか。
考えてみれば私って、恋話したことなかったな。
いつもみんなの話を聞いてるだけで、好きってどんな感じなんだろう?ってずっと思ってた。
いざ自分の話をするとなると、結構緊張する。
「…永那先輩」
長い沈黙…。
廊下を走る生徒が先生に叱られる声がする。
「う、嘘…」
「嘘ついてどうするの」
永那先輩のことを悪く言ってほしくなくて、私は俯いた。
“悪く言わない”って言っていたから、悪くは言われないんだろうけど…。
「えっと…どうして、両角先輩?接点なんてあった?ああ、でも、まあ…あの人、綺麗だもんね」
勝手に接点がないと決めつけられることにイライラする。
私みたいな、クラスの隅にいる人には、永那先輩とは関わり合えないってこと?
「優しいんだよ、すごく。私が、困ってたとき…助けてくれた」
「…困ってた?」
「うん。いつも“可愛い”って言ってくれる」
「え?え…?いつもって、そんな会ってるの?」
思わず笑ってしまう。
「会ってるよ」
菫ちゃんが動揺する声に、ほんの少しの優越感を抱きながら、私は真っ直ぐ菫ちゃんを見た。
「だ、大丈夫なの?…その、えっと…両角先輩って、ほら…」
やっぱり悪く言うんじゃん!
眉間にシワが寄った。
「ああ、ごめん」
また菫ちゃんはポリポリ頭を掻く。
お腹のなかから優しくさわられているのはわかる。
でも、気持ち良いのかどうかは、わからなくて戸惑う。
戸惑っていた…のに、いつも自分でもさわっているところをさわられて、途端に気持ち良くなる。
ビクビクと体を痙攣させて、何度もイった。
恥ずかしいくらいに声も出た。
先輩が汗を拭いてくれて、シャツを胸元にかけてくれる。
「…開発しがいがありそうだ」
彼女は指をティッシュで拭って、小さく呟いた。
私はゴクリと唾を飲んで、寝転んだまま彼女の顔を眺めていた。
背中がゾクリとする。
…私、大人になれた?
その日から、先輩から何度もメッセージで呼び出された。
学校の4階のトイレは人が少ないからと、そこに、何度も。
「声出しちゃダメだよ」
蕩けるようなキスをされて、優しく胸をさわられる。
ブラをお母さんに買ってもらったときには「可愛いね、似合ってる」と微笑まれて、それだけでショーツに愛液が滲んだ。
声が出そうになったときは、口を手で塞がれた。
なのに私の体に触れる手つきは優しいから、足がガクガクと痙攣して、すぐにイってしまう。
膣で感じられるようになると、先輩は心底楽しそうに笑った。
私もそれが嬉しくて、先輩からいつ呼び出されてもいいように、授業中も何度もスマホをチェックするようになった。
授業中は、先輩だって授業中なはずなのに。
そんなことも考えられないくらい、先輩に夢中になった。
冬休みも明けて、もうすぐで春休みになる頃…先輩からの呼び出しが減っていた。
冬休みも1回しか会えなくて、寂しさを募らせていた。
「日和」
お昼休み、スマホを見ていたら、肩を叩かれた。
「菫ちゃん…」
「ちょっと…いい?」
(先輩から連絡がきたら嫌だな…)なんて思いつつ、頷く。
人気の少ない廊下の隅で菫ちゃんが立ち止まる。
「あのさ?最近、何かあった?」
「え?どうして?」
「いや…部活にも全然行ってないみたいだし、家でも変だって…映画部の子とかお母さんとか、みんな心配してるみたいだよ?」
…菫ちゃんは、心配してくれてないの?
「べつに、何もないよ」
「ホントに?…私から見ても、日和、なんか変わったなって思うけど」
「どう、変わった?」
「え…うーん…なんか、心ここにあらず…みたいな?」
「ふーん。それって…悪いことなの?」
「良いとか悪いとかじゃないけど…今まで部活サボったことなんて、なかったんでしょ?…それに、スカートも、最近、短いし。…なんかあったんじゃないの?」
「ハァ」とため息をつく。
「菫ちゃんには関係ないじゃん」
「え…?」
「あっ、ご、ごめん…」
まさか自分の口から悪態をつくような言葉が出てくるとは思いもしなかった。
しかも、一番の友達だと思っていた、あの菫ちゃんに…。
一番の友達…。
本当に、そうなのかな?
私のことなんて、何も知らないくせに。
「…ホント、どうしたの?日和らしくない…」
私らしいって、なに?
「…好きな人、できただけだから。本当に、何もないから」
「え!?好きな人!?」
「うん」
「な、なんだ…そっか。…そっか!!」
菫ちゃんが手をモジモジし始める。
「そ、その…相手は?」
“やめたほうがいい”
菫ちゃんが前に言っていたのを思い出す。
永那先輩のこと、悪く言ってほしくないな…。
「秘密…」
「え~!なんでよー!」
「菫ちゃん…その人のこと、嫌いそうだから…」
「え!?私、そんな嫌いな人いないよ!?」
「…そうかな?」
「私、信用ないな~」
菫ちゃんの眉根が垂れて、ポリポリと頭を掻いた。
ちょっと、冷たくし過ぎたかな?なんて…胸が痛んだ。
「絶対悪く言わない?」
「え!うん!絶対言わないよ!」
そう、言われても…やっぱり少し言うのに躊躇う。
「言わないよ!私、悪口とか嫌いだし」
フゥッと息を吐いて、心を落ち着かせる。
…そっか。
考えてみれば私って、恋話したことなかったな。
いつもみんなの話を聞いてるだけで、好きってどんな感じなんだろう?ってずっと思ってた。
いざ自分の話をするとなると、結構緊張する。
「…永那先輩」
長い沈黙…。
廊下を走る生徒が先生に叱られる声がする。
「う、嘘…」
「嘘ついてどうするの」
永那先輩のことを悪く言ってほしくなくて、私は俯いた。
“悪く言わない”って言っていたから、悪くは言われないんだろうけど…。
「えっと…どうして、両角先輩?接点なんてあった?ああ、でも、まあ…あの人、綺麗だもんね」
勝手に接点がないと決めつけられることにイライラする。
私みたいな、クラスの隅にいる人には、永那先輩とは関わり合えないってこと?
「優しいんだよ、すごく。私が、困ってたとき…助けてくれた」
「…困ってた?」
「うん。いつも“可愛い”って言ってくれる」
「え?え…?いつもって、そんな会ってるの?」
思わず笑ってしまう。
「会ってるよ」
菫ちゃんが動揺する声に、ほんの少しの優越感を抱きながら、私は真っ直ぐ菫ちゃんを見た。
「だ、大丈夫なの?…その、えっと…両角先輩って、ほら…」
やっぱり悪く言うんじゃん!
眉間にシワが寄った。
「ああ、ごめん」
また菫ちゃんはポリポリ頭を掻く。
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