いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
上 下
344 / 595
6.さんにん

343.まだ

しおりを挟む
「シたいっ」
永那の胸に抱きつく。
「シたい、シたい…!」
「あっそ」
顎を上げられて、永那の唇が重なる。
…ああ…時間が、止まってほしい。
もっと、可愛い服、着てくればよかった…。
下着は、ちゃんと…選んできたけど。
彼女が指先1本分離れて、もう一度重なった。
何度もそれを繰り返す。
前にキスしてもらったときは、濃厚なのが、短めだった。
今日は、長くて…それだけで、腰が砕けてしまいそうで。
彼女の舌がなかに入ってくる。
やっぱり、穂と…全然、違う。
足がぷるぷると震え始めて、彼女の背の服をギュッと掴んで、へたり込んでしまわないように、必死に立つ。

…やばい。やばい、やばい、やばい…。どうしよう。

手の指先までピリついてきて、力が抜けてしまいそう。
あたしが何も出来ずにいても、永那はあたしを気持ち良くしてくれる。
まるで最初から、あたしの全てを知ってるみたいに、あたしのなかを這っていく。
彼女があたしの背中に手を回して、そのまま、窓のない暗い部屋に連れて行かれた。
既に布団が敷かれていて、ドキドキが止まらない。

永那が布団に座って、足の間をトントンと叩く。
あたしはそこに座って、体育座りした。
後ろから抱きしめられて、真横に永那の顔が来る。
「ハァ、ハァ」と何度も呼吸するのに、どれだけ吸っても、酸素が肺に届いていないみたいな気分。
「照れてんの?」
「…うざ」
絞り出すように言うと、フッと彼女が笑う。
「私のこと、好きなんでしょ?」
あたしは目を閉じて、敏感になってる全身を鎮めたくて、奥歯を強く噛んだ。
「“うざい”んじゃなくて、“好き”なんでしょ?」
胸に優しく触れられて、「あッ…」と声が出て、顔が熱くなる。
足にギュッと力を込めて、足のつけ根のムズムズを誤魔化す。

「ねえ」
永那の、少しイライラした声。
「ちゃんと言えよ」
「…好き」
「ん」
彼女の息が首筋にかかって、チュッと吸われた。
「ぁっ」
ニット越しなのに、永那の体温が、胸から伝わってくるような気がする。
優しく上下に揉まれる。
「でかいな」
フッと彼女が笑って、くすぐったい。
心臓があまりに激しく動くから、眩暈がする。

彼女の手がニットの中に潜ってくる。
インナーの上から、くびれを撫でられて、少しずつ、上がっていく。
「ハァッ…んっ…」
「やわらか…。ブラつけてんだよね?」
なんとか頷いて、“パッドが入ってないし、ブラの生地がレースだから”と心のなかで答える。
穂にプレゼントしたランジェリーよりも、さらにやわらかい生地で、施された刺繍も控えめだ。
…胸を見せるなら、下着からセクシーなほうがいいかと、思って。
全身が火照って、暑い。

ニットの中でインナーが捲くられて、直に彼女の手が肌に触れた。
「ぁぁっ…」
フフッと彼女が笑う。
「…な、なに?ハァッ」
「いや…そんな感じてんの?」
恥ずかしくて、下唇を噛んだ。
「我慢しなくていいよ。声、出しなよ」
へその辺りを優しく撫でられる。
お腹を撫でられてるだけなのに、さっきから、臍の下の奥が熱くなりすぎて…そこから熱が下りていくように、恥部から蜜がドクドクと溢れているのが、わかる。
レースのブラに触れられて、体がビクッと揺れた。
「あっ…ぁぁッ…」
出したくないのに、声が漏れ出た。
ねっとり纏わり付くみたいに…でも、優しく、乳房を揉まれただけで、お腹がピクピクと反応する。

乳首の辺りを何度も擦られる。
「んぁっ…」
直接…直接、さわってほしい。
でも…そんなすぐにさわってもらえてしまったら、この時間も…終わってしまうのかな?
嫌だ…。終わってほしく、ない。
「お前さ…怖くないの?」
「え…?」
顔を横に向けると、永那が優しく笑って、触れるだけのキスをしてくれる。
「あの、さ…そんなに、シてほしかったの?」
永那が伺うようにあたしを見るから、その瞳をジッと見つめた。
顔が、近い。
「当たり、前…じゃん…」
ぐっと奥歯を噛んだ。
どんだけ、あたしが永那で妄想してきたと思ってるの。

「ふーん」
彼女の手が、いなくなってしまう。
彼女の手を、掴む。
離れないで。
胸がズキズキと痛む。
「大丈夫だよ」
永那がそっとあたしの手を離して、あたしの前に移動する。
向かい合って、思わず俯いた。
「そんな、私のこと、好きなんだ」
視線だけ彼女に遣ると、笑みをたたえていた。
キュゥッと胸が締め付けられる。
同時に、また蜜がショーツに溢れる。
…ホントに、やばいかも。
こんなの…見せられない。
「じゃあ、見せて」
「え…」
あれ?心の声、出てた?

永那があたしのニットの裾を持つ。
インナーごと脱がされる。
「おぉっ…」
永那の左眉が上がって、口角が最大限上がって、彼女の目が鈍く輝いた。
「めっちゃエロいな…」
両手を床について、永那があたしに近づく。
「ちょっと乳首見えてんじゃん」
そっと胸を包まれる。
「ねえ」
顔が近くて、顔をそらす。
「もっとよく見たいんだけど、だめ?」
意味がわからず、瞬きをする。
あたしが返事をしないでいると、永那が立ち上がって、部屋の電気がつけられた。
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...