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5.時間
329.考える
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「いっぱい汗かいたもんね。こんな長時間ヤったのは、ハロウィンぶりかな?」
コップを渡されて、ゴクゴクと飲む。
「明日、手が筋肉痛で試験解けなかったらどうしよう?」
永那ちゃんが胡座をかいて、ニヤニヤ笑う。
「そんなこと…今まで、なかった、で、しょ…ハァッ」
髪を撫でられて、目を閉じる。
「シャワー浴びる?…このままじゃ体冷えて風邪引いちゃうし」
「も、もう少し…休みたい…」
「いいよ」
そう言って、彼女が横に寝転ぶ。
お尻を揉まれて「ぁっ」と声が出た。
「まだ感じられるの?穂はホント、感度良好だね。普通は疲れて、もう感じられないと思うんだけど」
「え、永那ちゃん、が…上手、なんだ、よ…」
へへへと彼女が笑う。
少しして、2人でシャワーを浴びる。
かなり体力がついたのか、あんなにイッたのに、普通に立ててビックリした。
永那ちゃんは「なんで普通に立てるのー?」と唇を尖らせた。
私は苦笑して、お腹を撫でた。
お腹のなかに、まだ彼女がいるみたいな感覚。
不思議。
直後、生理になった。
永那ちゃんが体をあたためてくれて、2人で寝る。
翌日、テストを解き終えて、最後の確認をしている最中、昨日のことを思い出して、思わず机に顔を突っ伏した。
お腹を擦る。
…本当、久しぶりで、すごく…良かったな…。
良い香りのする、目の前に座る千陽の背中を見る。
「ハァ」とため息をついて、ぐるぐる渦巻くモヤモヤする感情を吐き出す。
私って本当にわがままだ。
千陽の胸をさわりたいと思うのに…千陽の気持ちよさそうにする表情が嬉しかったのに…永那ちゃんが千陽をさわると思うと…どうにも…気持ちがぐちゃぐちゃする。
前は、千陽が1人でシているのが可哀想に思えて、私がさわっちゃダメなら、永那ちゃんが気持ち良くしてあげればいいと思ったのに。
いざ、永那ちゃんが千陽をさわっているところを見てしまうと、胸がザワついて、居心地が悪くなる。
考えていると、先生がテスト時間の終了を告げた。
後ろの人から解答用紙を受け取って、千陽に渡す。
千陽と目が合って、微笑まれた。
…可愛い。
私、本当に最低な人かもしれない。
「穂」
項垂れていると、彼女の声が降ってくる。
「できなかったの?」
私は首を横に振る。
「じゃあ、なんでため息ついてたの?」
聞こえてたんだ…。
「千陽、可愛いなあって思って…」
「なにそれ」
彼女の香りがふわりと漂って、気配を近くに感じた。
目線だけ上げると、彼女が私の机に頬杖をついていた。
開いた第二ボタンの襟のすき間から、彼女の谷間が見える。
「なにに悩んでるの?」
見透かされてて、目をそらす。
頬を片手で掴まれて、強引に前を向かされる。
「穂、隠し事、しないで?」
彼女の手を離して、お尻をほんの少し上げる。
耳に口を近づける。
…ああ、良い匂い。
「永那ちゃんが土曜日、3人でシようって」
椅子に座ると、千陽が耳を赤く染めていた。
「土曜日は…予定、あるんだけど…」
彼女が左腕を右手で擦る。
「そっか」
安堵する自分にイライラした。
「日曜じゃ、だめ?」
千陽の上目遣いに、心臓がキュッと締めつけられる。
「…聞いてみるね」
「うん」
いつものメンバーで、永那ちゃんの家に行く。
「永那、新しいマフラーだね!」
「うん、穂がくれたんだ。手編みだよ?ヤバくない?」
「愛だ!」
優里ちゃんと永那ちゃんが楽しそうに話す。
千陽が私の腕に抱きついて上目遣いに見た。
幸せそうに笑う千陽を見て、ほんの少しの罪悪感を抱く。
…大事にするって、難しい。
彼女と恋人繋ぎをして、コートのポケットに手を入れた。
無言のまま歩く。
前を歩く永那ちゃんと優里ちゃんは楽しそうに会話を続ける。
「そっか!昨日半年記念日だもんね~!」
「そう、めっちゃあっという間だったわ」
「もう2人、10年くらい連れ添ったみたいな雰囲気あるもんね」
「そう?…だって!穂!」
永那ちゃんが嬉しそうに笑うから、私も笑う。
千陽の握る手に力が込もる。
千陽を見ると、優しく笑みを浮かべてくれた。
日曜日、早くに目覚めた。
布団から出て、暖房をつける。
こたつの電源も入れて、お湯を沸かす。
まだ冷たい水で顔を洗う。
あったかいお茶を淹れて、私はこたつに座った。
お昼前に千陽が家に直接来てくれることになっている。
まだオレンジ色と紺色が混ざっている空。
ジッと、薄いカーテン越しに外を見る。
あと、1ヶ月とちょっとで、永那ちゃんのお母さんが退院する。
今、お母さんの病状が良いのか悪いのか、私にはわからない。
面会もあまり頻繁に出来るような感じではないらしく、永那ちゃんにもよくわからないらしい。
ただ、物凄く悪いというわけでもなさそうだった。
この、新婚みたいな同居生活も、半分以上の日が過ぎて、カウントダウンが始まっている気がしている。
それまでにクリスマスもお正月もあるから、まだまだ楽しみは続く。
…それでも、その楽しみが終わった後のことを考えると、不安な気持ちが拭えない。
コップを渡されて、ゴクゴクと飲む。
「明日、手が筋肉痛で試験解けなかったらどうしよう?」
永那ちゃんが胡座をかいて、ニヤニヤ笑う。
「そんなこと…今まで、なかった、で、しょ…ハァッ」
髪を撫でられて、目を閉じる。
「シャワー浴びる?…このままじゃ体冷えて風邪引いちゃうし」
「も、もう少し…休みたい…」
「いいよ」
そう言って、彼女が横に寝転ぶ。
お尻を揉まれて「ぁっ」と声が出た。
「まだ感じられるの?穂はホント、感度良好だね。普通は疲れて、もう感じられないと思うんだけど」
「え、永那ちゃん、が…上手、なんだ、よ…」
へへへと彼女が笑う。
少しして、2人でシャワーを浴びる。
かなり体力がついたのか、あんなにイッたのに、普通に立ててビックリした。
永那ちゃんは「なんで普通に立てるのー?」と唇を尖らせた。
私は苦笑して、お腹を撫でた。
お腹のなかに、まだ彼女がいるみたいな感覚。
不思議。
直後、生理になった。
永那ちゃんが体をあたためてくれて、2人で寝る。
翌日、テストを解き終えて、最後の確認をしている最中、昨日のことを思い出して、思わず机に顔を突っ伏した。
お腹を擦る。
…本当、久しぶりで、すごく…良かったな…。
良い香りのする、目の前に座る千陽の背中を見る。
「ハァ」とため息をついて、ぐるぐる渦巻くモヤモヤする感情を吐き出す。
私って本当にわがままだ。
千陽の胸をさわりたいと思うのに…千陽の気持ちよさそうにする表情が嬉しかったのに…永那ちゃんが千陽をさわると思うと…どうにも…気持ちがぐちゃぐちゃする。
前は、千陽が1人でシているのが可哀想に思えて、私がさわっちゃダメなら、永那ちゃんが気持ち良くしてあげればいいと思ったのに。
いざ、永那ちゃんが千陽をさわっているところを見てしまうと、胸がザワついて、居心地が悪くなる。
考えていると、先生がテスト時間の終了を告げた。
後ろの人から解答用紙を受け取って、千陽に渡す。
千陽と目が合って、微笑まれた。
…可愛い。
私、本当に最低な人かもしれない。
「穂」
項垂れていると、彼女の声が降ってくる。
「できなかったの?」
私は首を横に振る。
「じゃあ、なんでため息ついてたの?」
聞こえてたんだ…。
「千陽、可愛いなあって思って…」
「なにそれ」
彼女の香りがふわりと漂って、気配を近くに感じた。
目線だけ上げると、彼女が私の机に頬杖をついていた。
開いた第二ボタンの襟のすき間から、彼女の谷間が見える。
「なにに悩んでるの?」
見透かされてて、目をそらす。
頬を片手で掴まれて、強引に前を向かされる。
「穂、隠し事、しないで?」
彼女の手を離して、お尻をほんの少し上げる。
耳に口を近づける。
…ああ、良い匂い。
「永那ちゃんが土曜日、3人でシようって」
椅子に座ると、千陽が耳を赤く染めていた。
「土曜日は…予定、あるんだけど…」
彼女が左腕を右手で擦る。
「そっか」
安堵する自分にイライラした。
「日曜じゃ、だめ?」
千陽の上目遣いに、心臓がキュッと締めつけられる。
「…聞いてみるね」
「うん」
いつものメンバーで、永那ちゃんの家に行く。
「永那、新しいマフラーだね!」
「うん、穂がくれたんだ。手編みだよ?ヤバくない?」
「愛だ!」
優里ちゃんと永那ちゃんが楽しそうに話す。
千陽が私の腕に抱きついて上目遣いに見た。
幸せそうに笑う千陽を見て、ほんの少しの罪悪感を抱く。
…大事にするって、難しい。
彼女と恋人繋ぎをして、コートのポケットに手を入れた。
無言のまま歩く。
前を歩く永那ちゃんと優里ちゃんは楽しそうに会話を続ける。
「そっか!昨日半年記念日だもんね~!」
「そう、めっちゃあっという間だったわ」
「もう2人、10年くらい連れ添ったみたいな雰囲気あるもんね」
「そう?…だって!穂!」
永那ちゃんが嬉しそうに笑うから、私も笑う。
千陽の握る手に力が込もる。
千陽を見ると、優しく笑みを浮かべてくれた。
日曜日、早くに目覚めた。
布団から出て、暖房をつける。
こたつの電源も入れて、お湯を沸かす。
まだ冷たい水で顔を洗う。
あったかいお茶を淹れて、私はこたつに座った。
お昼前に千陽が家に直接来てくれることになっている。
まだオレンジ色と紺色が混ざっている空。
ジッと、薄いカーテン越しに外を見る。
あと、1ヶ月とちょっとで、永那ちゃんのお母さんが退院する。
今、お母さんの病状が良いのか悪いのか、私にはわからない。
面会もあまり頻繁に出来るような感じではないらしく、永那ちゃんにもよくわからないらしい。
ただ、物凄く悪いというわけでもなさそうだった。
この、新婚みたいな同居生活も、半分以上の日が過ぎて、カウントダウンが始まっている気がしている。
それまでにクリスマスもお正月もあるから、まだまだ楽しみは続く。
…それでも、その楽しみが終わった後のことを考えると、不安な気持ちが拭えない。
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