323 / 595
5.時間
322.考える
しおりを挟む
■■■
私の誕生日から1週間と1日経った、土曜日。
永那ちゃんの家で寛いでいたら、永那ちゃんが「やばいかも…」と蹲った。
「どうしたの?」
「生理…」
永那ちゃんの生理は不規則で、予定日より1週間遅れたり早まったりすることはザラらしい。
大体重くて、1日に薬を限界まで飲むのが通常。
夏でもブレザーを着ていたのは、体を冷やすと痛みが増すからだと言っていた。
「やばい…トイレ…行く…」
「うん」
永那ちゃんは小走りにトイレに入った。
私は暖房をつけて、布団を敷く。
カイロを出して、シャカシャカ振る。
12月に入って、冬らしい気温になってきたから、今回は余程酷いのかもしれない。
しばらく待っても戻ってこなくて、心配になってトイレの前に立つ。
「永那ちゃん、大丈夫?」
何も返事がない。
「永那ちゃん?」
やっぱり返事がない。
でも、ガチャっと鍵が開く音がして、私が扉を開けると、永那ちゃんが床に倒れ込んだ。
ショーツだけなんとか穿いたのか、そのまま床に蹲ってしまう。
「ごめん…流せて、ない…」
私はトイレを見て、血まみれの水を流す。
「マジ、ごめん…恥ずい…」
2人きりのとき平気でおならもするのに、これは恥ずかしいんだ…変なの。
彼女にスウェットのズボンを穿かせて、カイロを腰に当ててあげる。
薬はさっき飲んでたから…効くまでにもう少しかかるかな。
「立てない?」
「もう少し…」
コートを持ってきて、かけてあげる。
背中を擦る。
…今日は体があったまるご飯にしよう。
お鍋でもいいな。
生姜を入れて…ネギとかカブも入れようかな。
ほうれん草は鉄分入ってるって聞くし、ほうれん草のおひたしも作ろう。
なんて考えていたら、永那ちゃんが起き上がった。
彼女を支えながら、布団に連れて行く。
「寒いー…」
布団と毛布をかけてあげても、彼女は唇を真っ青にして、顔も真っ白で、ずっと震えていた。
汗をかいていたから、タオルで拭ってあげる。
しばらくして、永那ちゃんは眠った。
私は立ち上がって、コートを羽織ってスーパーに行く。
永那ちゃんに、お仕置きをいくらでもしていいと言ってしまってから、エッチが激しくなった。
…元々、けっこう凄かったのに。
痛いとか、傷つけられるとか、そういうのではない。
でも、家で勉強している最中にもシてくるようになったし、小説を読んでいてもさわってくるし、学校でも…トイレに連れ込まれて、胸だけさわられた…。
一緒にお風呂に入ると、必ずお尻の穴に指を挿れられて、変な感じがする。
わざとイく前に寸止めされて、私がイきたいって…何度も…お願いしないと…イかせてくれなかったり。
とにかく、ここ数日、毎日大変だった。
永那ちゃんの生理が重いと、少し休憩できて…申し訳ないけど…ちょっとありがたい。
でも、倒れるところなんて初めて見た。
起きたら、良くなってるといいけど。
…あ、元気になりすぎても困るけど!
家に帰っても、永那ちゃんはまだ寝ていた。
綺麗な寝顔。
少し顔色が良くなっていて安心する。
私は久しぶりの静かなひとりの時間を過ごす。
勉強して、本を読んで、料理をする。
気になったところの掃除もちょっとして…。
「穂」
「永那ちゃん、大丈夫?」
フゥッと息を吐きながら、彼女が頷く。
「ごめんね」
「なんで謝るの?」
「いやー…んー…」
ニコッと笑って「ありがとう」と抱きしめられた。
幸せ。
「うん!…今日は、体があったまるお鍋だよ」
「楽しみ」
“幸せ”と思うと、千陽が脳内をチラつく。
千陽、何してるかな?
泣いてないかな?
寂しがってないかな?って。
あれから、まだ千陽から連絡がない。
だから私から一度“好き”と送ってみた。
返事はあったけど…千陽からこないと不安になる。
学校では毎日振り向いて、話しかけてくれるし…大丈夫だといいけど。
「穂」
「ん?」
「千陽のこと考えてるんじゃないの?」
「な、なんで…」
フッと永那ちゃんが笑う。
「私、反省して、穂のことをよくよく観察するようにしました」
…そんな、観察しなくていいよ。
永那ちゃんが私の首筋に顔をうずめる。
「穂は…もしさ、千陽に好きな人ができたら、どう思う?嬉しい?悲しい?寂しい?」
「え!嬉しいよ、もちろん」
「ふーん。本当に?」
そう聞かれて、想像してみる。
「…嬉しいよ。でも、もし、私達と、全然話さなくなっちゃったら…やっぱり、寂しい、かも」
「そっか」
触れるだけのキスをされる。
「まあ…あいつが、そんな、友達と話さなくなるほどに盲目的になってるとこは想像できないけど」
「そうなの?」
「うん。…あいつが、恋に盲目…んー…やっぱ、想像できない。ああ見えて、けっこう冷静だからね。私達が付き合ってるって知っても、大して感情的にならなかったでしょ?多少は、そりゃ、あったけど…」
私からすると、情熱的だなあって思ったけど、違うのかな?
…でも、そっか。
私に“好き”って言っていても、優里ちゃんとも森山さんとも、誉とも交流を続けていたみたいだし。
しばらく名字呼びもやめなかった。
“友達やめるとは言ってないでしょ?”
千陽の言葉を思い出して、自分が勘違いしたことが、今でも恥ずかしい。
私の誕生日から1週間と1日経った、土曜日。
永那ちゃんの家で寛いでいたら、永那ちゃんが「やばいかも…」と蹲った。
「どうしたの?」
「生理…」
永那ちゃんの生理は不規則で、予定日より1週間遅れたり早まったりすることはザラらしい。
大体重くて、1日に薬を限界まで飲むのが通常。
夏でもブレザーを着ていたのは、体を冷やすと痛みが増すからだと言っていた。
「やばい…トイレ…行く…」
「うん」
永那ちゃんは小走りにトイレに入った。
私は暖房をつけて、布団を敷く。
カイロを出して、シャカシャカ振る。
12月に入って、冬らしい気温になってきたから、今回は余程酷いのかもしれない。
しばらく待っても戻ってこなくて、心配になってトイレの前に立つ。
「永那ちゃん、大丈夫?」
何も返事がない。
「永那ちゃん?」
やっぱり返事がない。
でも、ガチャっと鍵が開く音がして、私が扉を開けると、永那ちゃんが床に倒れ込んだ。
ショーツだけなんとか穿いたのか、そのまま床に蹲ってしまう。
「ごめん…流せて、ない…」
私はトイレを見て、血まみれの水を流す。
「マジ、ごめん…恥ずい…」
2人きりのとき平気でおならもするのに、これは恥ずかしいんだ…変なの。
彼女にスウェットのズボンを穿かせて、カイロを腰に当ててあげる。
薬はさっき飲んでたから…効くまでにもう少しかかるかな。
「立てない?」
「もう少し…」
コートを持ってきて、かけてあげる。
背中を擦る。
…今日は体があったまるご飯にしよう。
お鍋でもいいな。
生姜を入れて…ネギとかカブも入れようかな。
ほうれん草は鉄分入ってるって聞くし、ほうれん草のおひたしも作ろう。
なんて考えていたら、永那ちゃんが起き上がった。
彼女を支えながら、布団に連れて行く。
「寒いー…」
布団と毛布をかけてあげても、彼女は唇を真っ青にして、顔も真っ白で、ずっと震えていた。
汗をかいていたから、タオルで拭ってあげる。
しばらくして、永那ちゃんは眠った。
私は立ち上がって、コートを羽織ってスーパーに行く。
永那ちゃんに、お仕置きをいくらでもしていいと言ってしまってから、エッチが激しくなった。
…元々、けっこう凄かったのに。
痛いとか、傷つけられるとか、そういうのではない。
でも、家で勉強している最中にもシてくるようになったし、小説を読んでいてもさわってくるし、学校でも…トイレに連れ込まれて、胸だけさわられた…。
一緒にお風呂に入ると、必ずお尻の穴に指を挿れられて、変な感じがする。
わざとイく前に寸止めされて、私がイきたいって…何度も…お願いしないと…イかせてくれなかったり。
とにかく、ここ数日、毎日大変だった。
永那ちゃんの生理が重いと、少し休憩できて…申し訳ないけど…ちょっとありがたい。
でも、倒れるところなんて初めて見た。
起きたら、良くなってるといいけど。
…あ、元気になりすぎても困るけど!
家に帰っても、永那ちゃんはまだ寝ていた。
綺麗な寝顔。
少し顔色が良くなっていて安心する。
私は久しぶりの静かなひとりの時間を過ごす。
勉強して、本を読んで、料理をする。
気になったところの掃除もちょっとして…。
「穂」
「永那ちゃん、大丈夫?」
フゥッと息を吐きながら、彼女が頷く。
「ごめんね」
「なんで謝るの?」
「いやー…んー…」
ニコッと笑って「ありがとう」と抱きしめられた。
幸せ。
「うん!…今日は、体があったまるお鍋だよ」
「楽しみ」
“幸せ”と思うと、千陽が脳内をチラつく。
千陽、何してるかな?
泣いてないかな?
寂しがってないかな?って。
あれから、まだ千陽から連絡がない。
だから私から一度“好き”と送ってみた。
返事はあったけど…千陽からこないと不安になる。
学校では毎日振り向いて、話しかけてくれるし…大丈夫だといいけど。
「穂」
「ん?」
「千陽のこと考えてるんじゃないの?」
「な、なんで…」
フッと永那ちゃんが笑う。
「私、反省して、穂のことをよくよく観察するようにしました」
…そんな、観察しなくていいよ。
永那ちゃんが私の首筋に顔をうずめる。
「穂は…もしさ、千陽に好きな人ができたら、どう思う?嬉しい?悲しい?寂しい?」
「え!嬉しいよ、もちろん」
「ふーん。本当に?」
そう聞かれて、想像してみる。
「…嬉しいよ。でも、もし、私達と、全然話さなくなっちゃったら…やっぱり、寂しい、かも」
「そっか」
触れるだけのキスをされる。
「まあ…あいつが、そんな、友達と話さなくなるほどに盲目的になってるとこは想像できないけど」
「そうなの?」
「うん。…あいつが、恋に盲目…んー…やっぱ、想像できない。ああ見えて、けっこう冷静だからね。私達が付き合ってるって知っても、大して感情的にならなかったでしょ?多少は、そりゃ、あったけど…」
私からすると、情熱的だなあって思ったけど、違うのかな?
…でも、そっか。
私に“好き”って言っていても、優里ちゃんとも森山さんとも、誉とも交流を続けていたみたいだし。
しばらく名字呼びもやめなかった。
“友達やめるとは言ってないでしょ?”
千陽の言葉を思い出して、自分が勘違いしたことが、今でも恥ずかしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
168
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる