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5.時間
316.酸いも甘いも
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「2人同時か…」
永那が思案する。
「千陽の玩具使えば、いけるか…」
あたしは永那を睨みながら、ショーツを穿く。
「なんだよ、いいじゃん。ちゃんと、交互にシてあげるからさ?…“千陽にはずっと玩具”、みたいにはしないよ?」
見透かされて、恥ずかしさを隠すために、あたしはネグリジェを取って着た。
穂もネグリジェを取る。
「もう2時か…。穂、約束通り、舐めて」
穂がベッドに寝転ぶと、永那はパンツとショーツを脱いだ。
「そんな、ガン見すんなよ」
永那があたしを見ながら、穂の顔に跨る。
「永那は、ガン見してきたくせに」
「それはお前が見て欲しそうにしてたから」
永那の恥部が、穂の唇にぴったりおさまる。
「ハァ、気持ちいい…」
永那はヘッドボードに左手をつきながら、右手で自分の蕾に触れた。
…穂、もしかしてこればっかりやらされてるんじゃないの?
穂に舐められるの、めっちゃ気持ちよかったもん。
永那、ドS…。
自分がさせられてるところを想像して、唾液が分泌される。
永那は2度イッて、穂の上からどいた。
穂の頭をポンポンと撫でて、服を着る。
「寝るか」
永那があくびをする。
「ここじゃ狭くて寝られないから、パパとママのベッド行こ…」
あたしが言うと、「いいの?」と穂が驚く。
「まあ…。一応、シーツは変えよ…」
ゲストルームはあるけど、そうすると誰かがひとりになっちゃうし。…あたしは、2人と一緒に寝たい。
週に一回ハウスクリーニングが入って、そのときにベッドメイキングもされるけど、前回クリーニングしてから数日経ってる。
面倒だけど、仕方ない。
穂と2人でベッドのシーツを替えている間に、永那は5回はあくびをして、突っ立っていた。
「キングサイズのベッドなんて初めて」
穂が楽しそうにベッドに寝転んだ。
3人で寝ると、そんなに広くない。
なんなら、ちょっと狭いくらいかも。
永那が真ん中に寝て、両手を広げてくれる。
あたしと穂はその腕に頭を乗せて、永那に寄る。
「永那、最近優里のことも“お前”って言うようになったよね」
あたしが言うと、永那は「ん?そうだっけ?」と全然気づいていないみたいだった。
あたしだけだった“特別”が変わっていく。
“理由あるの?”って聞こうと思ったけど、永那自身も気づいていないならと、聞けなかった。
「穂には…言ったりするの?」
「私は、言われたこと、ないかな」
「そうなんだ。…理由、あるの?」
返事がない。
永那を見ると、もう寝ていた。
「永那ちゃん、寝ちゃったね」
穂が笑う。
「うん…。あたし達も、寝よっか」
「そうだね」
「穂、ありがと」
「なにが?」
「いろんなこと。…今日、楽しかった」
フフッと穂が笑って「私も。千陽ありがとう。…おやすみ」と言って、すぐに寝息が聞こえてきた。
本当に、いろんなこと。
前のあたしは、いつか永那と結ばれると信じて疑わなかった。
…いや、本当は、いつも“なんでさわってくれないんだろう?”って寂しかった。
必死に見ないフリ、知らないフリしてきた。
でも…やっと、やっと、さわってもらえた。
初めては、永那が良かった。
ずっと妄想してきた。
永那にさわってもらうってどんな感じだろう?って。
ちょっと雑なのかな?とか。
乱暴にされたりもするのかな?とか。
アダルトビデオを見て、“こんなふうにされたら、痛そうだな…”とかも思ってた。
昔、公園で男にさわられたみたいにされたら、あたし…泣いちゃうかもしれないとか…。
そしたら、永那に嫌われちゃうかもしれないとか。
でも、全然違った。
すごく優しかった。
ずっと気遣ってくれて、ずっと…繊細な物を扱うような…守ってくれるような、そんな手つきだった。
なのに、動きは滑らかで。
ずっとさわっていてほしいって思った。
…ああ、またさわってほしい。
もう、さわってほしい。
羨ましい…穂が、羨ましい。
こんなの、毎日って…。
羨ましいけど、穂のおかげで、さわってもらえてるって、わかってる。
穂のおかげで、あたし、変われたって、わかってる。
穂のおかげで、あたし、孤独にならずにいられてるって、わかってる。
わかってるから、欲張らない。浮かれない。
次はいつ3人でできるのかな。
次はいつ、さわってもらえるのかな。
…いつか2人から卒業して、あたしだけの特別な相手を見つけられるかな。
目を閉じると、すぐにアラームが鳴った。
実際には3時間くらい経っていたんだけど、睡眠時間3時間って…。
でも、楽しかった。本当に。
幸せだった。
あたしは起き上がって、両手を伸ばす。
…珍しく穂が起きてない。
「穂」
彼女の肩を揺する。
「穂、朝だよ」
「んぅ…」
可愛い。
永那の顔を見てから、あたしは立ち上がった。
反対側に行って、穂のそばに座る。
そっと彼女にキスする。
「永那ちゃん」
抱きしめられる。
「穂、あたし千陽」
あまりに可愛くて、あたしは目を閉じた。
穂はいつもパッと起きるイメージがあったけど、睡眠時間が短いとこうなるのかな?
永那が思案する。
「千陽の玩具使えば、いけるか…」
あたしは永那を睨みながら、ショーツを穿く。
「なんだよ、いいじゃん。ちゃんと、交互にシてあげるからさ?…“千陽にはずっと玩具”、みたいにはしないよ?」
見透かされて、恥ずかしさを隠すために、あたしはネグリジェを取って着た。
穂もネグリジェを取る。
「もう2時か…。穂、約束通り、舐めて」
穂がベッドに寝転ぶと、永那はパンツとショーツを脱いだ。
「そんな、ガン見すんなよ」
永那があたしを見ながら、穂の顔に跨る。
「永那は、ガン見してきたくせに」
「それはお前が見て欲しそうにしてたから」
永那の恥部が、穂の唇にぴったりおさまる。
「ハァ、気持ちいい…」
永那はヘッドボードに左手をつきながら、右手で自分の蕾に触れた。
…穂、もしかしてこればっかりやらされてるんじゃないの?
穂に舐められるの、めっちゃ気持ちよかったもん。
永那、ドS…。
自分がさせられてるところを想像して、唾液が分泌される。
永那は2度イッて、穂の上からどいた。
穂の頭をポンポンと撫でて、服を着る。
「寝るか」
永那があくびをする。
「ここじゃ狭くて寝られないから、パパとママのベッド行こ…」
あたしが言うと、「いいの?」と穂が驚く。
「まあ…。一応、シーツは変えよ…」
ゲストルームはあるけど、そうすると誰かがひとりになっちゃうし。…あたしは、2人と一緒に寝たい。
週に一回ハウスクリーニングが入って、そのときにベッドメイキングもされるけど、前回クリーニングしてから数日経ってる。
面倒だけど、仕方ない。
穂と2人でベッドのシーツを替えている間に、永那は5回はあくびをして、突っ立っていた。
「キングサイズのベッドなんて初めて」
穂が楽しそうにベッドに寝転んだ。
3人で寝ると、そんなに広くない。
なんなら、ちょっと狭いくらいかも。
永那が真ん中に寝て、両手を広げてくれる。
あたしと穂はその腕に頭を乗せて、永那に寄る。
「永那、最近優里のことも“お前”って言うようになったよね」
あたしが言うと、永那は「ん?そうだっけ?」と全然気づいていないみたいだった。
あたしだけだった“特別”が変わっていく。
“理由あるの?”って聞こうと思ったけど、永那自身も気づいていないならと、聞けなかった。
「穂には…言ったりするの?」
「私は、言われたこと、ないかな」
「そうなんだ。…理由、あるの?」
返事がない。
永那を見ると、もう寝ていた。
「永那ちゃん、寝ちゃったね」
穂が笑う。
「うん…。あたし達も、寝よっか」
「そうだね」
「穂、ありがと」
「なにが?」
「いろんなこと。…今日、楽しかった」
フフッと穂が笑って「私も。千陽ありがとう。…おやすみ」と言って、すぐに寝息が聞こえてきた。
本当に、いろんなこと。
前のあたしは、いつか永那と結ばれると信じて疑わなかった。
…いや、本当は、いつも“なんでさわってくれないんだろう?”って寂しかった。
必死に見ないフリ、知らないフリしてきた。
でも…やっと、やっと、さわってもらえた。
初めては、永那が良かった。
ずっと妄想してきた。
永那にさわってもらうってどんな感じだろう?って。
ちょっと雑なのかな?とか。
乱暴にされたりもするのかな?とか。
アダルトビデオを見て、“こんなふうにされたら、痛そうだな…”とかも思ってた。
昔、公園で男にさわられたみたいにされたら、あたし…泣いちゃうかもしれないとか…。
そしたら、永那に嫌われちゃうかもしれないとか。
でも、全然違った。
すごく優しかった。
ずっと気遣ってくれて、ずっと…繊細な物を扱うような…守ってくれるような、そんな手つきだった。
なのに、動きは滑らかで。
ずっとさわっていてほしいって思った。
…ああ、またさわってほしい。
もう、さわってほしい。
羨ましい…穂が、羨ましい。
こんなの、毎日って…。
羨ましいけど、穂のおかげで、さわってもらえてるって、わかってる。
穂のおかげで、あたし、変われたって、わかってる。
穂のおかげで、あたし、孤独にならずにいられてるって、わかってる。
わかってるから、欲張らない。浮かれない。
次はいつ3人でできるのかな。
次はいつ、さわってもらえるのかな。
…いつか2人から卒業して、あたしだけの特別な相手を見つけられるかな。
目を閉じると、すぐにアラームが鳴った。
実際には3時間くらい経っていたんだけど、睡眠時間3時間って…。
でも、楽しかった。本当に。
幸せだった。
あたしは起き上がって、両手を伸ばす。
…珍しく穂が起きてない。
「穂」
彼女の肩を揺する。
「穂、朝だよ」
「んぅ…」
可愛い。
永那の顔を見てから、あたしは立ち上がった。
反対側に行って、穂のそばに座る。
そっと彼女にキスする。
「永那ちゃん」
抱きしめられる。
「穂、あたし千陽」
あまりに可愛くて、あたしは目を閉じた。
穂はいつもパッと起きるイメージがあったけど、睡眠時間が短いとこうなるのかな?
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