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4.踏み込む
211.文化祭
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3人で、セミダブルはさすがに狭かった。
…2人でもけっこう狭いのに。
永那ちゃんが真ん中に寝転んで、私は壁側、千陽が反対側だから…千陽が落ちてしまわないか心配になる。
永那ちゃんの腕枕で、私達は横向きに寝る。
「うん、悪くないな」
「うるさい」
千陽が言って、私は苦笑する。
私は上半身を起こして、永那ちゃんの胸に頭を乗せた。
千陽が幸せそうにしていて、心がふわふわする。
千陽と目が合う。
私が笑うと、彼女も笑みを返してくれる。
「あー…」
永那ちゃんが言う。
「やばい」
「なにが?」
私が聞いても、答えは返ってこない。
「どうせ、エロいことでも考えてるんでしょ」
千陽が彼女の脇に顔を近づけて言う。
言い方はキツめだけど、千陽の表情はやわらかい。
「エッチなこと考えてるの?」
「…穂、その言い方は、可愛すぎて犯罪」
「え…そ、そうなの」
フフッと千陽が笑う。
私はまたあくびをして、永那ちゃんの腕に頭を戻す。
「…おやすみ」
「おやすみ、穂」
「おやすみ」
すぐに意識がなくなる。
目が覚めると、永那ちゃんの横顔があった。
「いてて…」
寝返りをうてなかったからか、体が少し痛い。
なんとか起き上がると、まだ千陽も寝ていた。
時計を見ると、10時だった。
2人の寝顔を眺めてから、それぞれの頬にキスを落とした。
千陽の目が開く。
「…穂」
「ごめん、起こしちゃった」
彼女は首を横に振って、体を起こす。
「して?」
ドクドクと、心臓が鳴り始める。
彼女の唇に、そっと唇を重ねた。
「幸せ」
彼女の笑顔が、輝いて見えた。
「穂…帰らないで…」
「え…」
「今日も、ママとパパ…いない…」
私は永那ちゃんを見る。
「…ごめん、なんでもない」
千陽は背を向けて、立ち上がる。
クローゼットを開けて、服を着替え始める。
「そういえば、穂」
「ん?」
「キャミソール、いる?」
「貸してくれるの?」
「いいよ」
彼女が1枚出して、わたしてくれる。
振り向いた彼女はショーツだけの姿で、私は俯いた。
昨日の彼女の姿が鮮明に思い出されて、顔が熱くなる。
悪戯に成功した子供みたいに笑って、彼女はブラをつける。
チラリと目を遣ると、彼女は見覚えのあるキャミソールを着ていた。
「あれ、千陽、それ…」
「なに?」
「私のじゃない?」
「そうだっけ?」
…永那ちゃんも千陽も、私の物を盗りたがる傾向にあるらしい。
私は永那ちゃんに口付けする。
「永那ちゃん、起きて」
今日は中途半端な時間だからか、なかなか起きない。
千陽がベッドに座る。
「あたしも、して…」
見つめられて、仕方ないから一度、触れ合うだけのキスをする。
「永那、起きないなら、あたしが穂とセックスするよ」
永那ちゃんの耳元で言う。
ムニャムニャと口を動かして、永那ちゃんの眉間にシワが寄る。
私はもう一度、永那ちゃんの唇に唇を重ねる。
今度は、舌を出す。
彼女の唇をチロチロと舐める。
「ねえ、穂…永那が起きないのが悪いんだし、セックスしようよ?」
「な、なに言ってるの」
私は苦笑して、永那ちゃんの髪を梳く。
「永那ちゃん、起きて」
…どうしたものか。
「穂…しよ?」
千陽は胸元のあいている服を着ていて、ネグリジェとそう変わらないように思えた。
「穂…」
彼女のぷるっとした唇を尖らせられて、引き寄せられるように、顔が近づく。
「…起きたから」
永那ちゃんが片目を重そうに開けている。
ため息をついて、起き上がる。
目をギュッと瞑ってから、両目を開けた。
「2人のいちゃこらは、これでおしまい」
気づけば私達の手は、永那ちゃんのお腹に乗っていて、その手を永那ちゃんに握られた。
「2人して体重かけるんだから…さすがに重いよ」
「あ、ごめんね…」
千陽はぷいとそっぽを向く。
「…こんな時間か。穂、家行く?」
私はそっぽを向く千陽を見る。
“穂…帰らないで…”
彼女の絞り出したような声を思い出して、胸がズキズキと痛む。
「千陽…1人じゃ、寂しいよね」
私が言うと、「べつに」と言う。
「…てか、時間もったいないし、家でセックスしていけばいいじゃん」
「な…っ!お前、言い方直球過ぎない?」
「どうせするんでしょ?…なら問題ないじゃん」
「っていうか、“見たくもないし、聞きたくもない”んじゃないの?」
「…もう、それはいい」
「どういうこと?」
「とにかく…あたし1階にいるし、永那が帰る時間まで好きなだけ部屋使っていいから。…いてよ」
“べつに”と言ったけれど、“いてよ”が本心だよね。
「永那ちゃん…お言葉に、甘えよ?そのほうが、長く一緒にいられるし」
永那ちゃんの左眉が上がる。
私と千陽を交互に見て、「わかった」と頷く。
「穂…最後…して?お願い」
永那ちゃんを見る。
彼女は目をそらして、頭をポリポリ掻いた。
ゴクリと唾を飲んで、彼女の唇に唇を重ねた。
頬を両手で包まれて、舌が入ってくる。
え、永那ちゃんが見てるのに…!
心臓が駆けるように速くなる。
薄く目を開いて永那ちゃんを見るけど、ただ無表情に俯いていた。
私は千陽の舌を受け入れて、自分のを絡めた。
永那ちゃんに繋がれた手をギュッと握りしめて。
…2人でもけっこう狭いのに。
永那ちゃんが真ん中に寝転んで、私は壁側、千陽が反対側だから…千陽が落ちてしまわないか心配になる。
永那ちゃんの腕枕で、私達は横向きに寝る。
「うん、悪くないな」
「うるさい」
千陽が言って、私は苦笑する。
私は上半身を起こして、永那ちゃんの胸に頭を乗せた。
千陽が幸せそうにしていて、心がふわふわする。
千陽と目が合う。
私が笑うと、彼女も笑みを返してくれる。
「あー…」
永那ちゃんが言う。
「やばい」
「なにが?」
私が聞いても、答えは返ってこない。
「どうせ、エロいことでも考えてるんでしょ」
千陽が彼女の脇に顔を近づけて言う。
言い方はキツめだけど、千陽の表情はやわらかい。
「エッチなこと考えてるの?」
「…穂、その言い方は、可愛すぎて犯罪」
「え…そ、そうなの」
フフッと千陽が笑う。
私はまたあくびをして、永那ちゃんの腕に頭を戻す。
「…おやすみ」
「おやすみ、穂」
「おやすみ」
すぐに意識がなくなる。
目が覚めると、永那ちゃんの横顔があった。
「いてて…」
寝返りをうてなかったからか、体が少し痛い。
なんとか起き上がると、まだ千陽も寝ていた。
時計を見ると、10時だった。
2人の寝顔を眺めてから、それぞれの頬にキスを落とした。
千陽の目が開く。
「…穂」
「ごめん、起こしちゃった」
彼女は首を横に振って、体を起こす。
「して?」
ドクドクと、心臓が鳴り始める。
彼女の唇に、そっと唇を重ねた。
「幸せ」
彼女の笑顔が、輝いて見えた。
「穂…帰らないで…」
「え…」
「今日も、ママとパパ…いない…」
私は永那ちゃんを見る。
「…ごめん、なんでもない」
千陽は背を向けて、立ち上がる。
クローゼットを開けて、服を着替え始める。
「そういえば、穂」
「ん?」
「キャミソール、いる?」
「貸してくれるの?」
「いいよ」
彼女が1枚出して、わたしてくれる。
振り向いた彼女はショーツだけの姿で、私は俯いた。
昨日の彼女の姿が鮮明に思い出されて、顔が熱くなる。
悪戯に成功した子供みたいに笑って、彼女はブラをつける。
チラリと目を遣ると、彼女は見覚えのあるキャミソールを着ていた。
「あれ、千陽、それ…」
「なに?」
「私のじゃない?」
「そうだっけ?」
…永那ちゃんも千陽も、私の物を盗りたがる傾向にあるらしい。
私は永那ちゃんに口付けする。
「永那ちゃん、起きて」
今日は中途半端な時間だからか、なかなか起きない。
千陽がベッドに座る。
「あたしも、して…」
見つめられて、仕方ないから一度、触れ合うだけのキスをする。
「永那、起きないなら、あたしが穂とセックスするよ」
永那ちゃんの耳元で言う。
ムニャムニャと口を動かして、永那ちゃんの眉間にシワが寄る。
私はもう一度、永那ちゃんの唇に唇を重ねる。
今度は、舌を出す。
彼女の唇をチロチロと舐める。
「ねえ、穂…永那が起きないのが悪いんだし、セックスしようよ?」
「な、なに言ってるの」
私は苦笑して、永那ちゃんの髪を梳く。
「永那ちゃん、起きて」
…どうしたものか。
「穂…しよ?」
千陽は胸元のあいている服を着ていて、ネグリジェとそう変わらないように思えた。
「穂…」
彼女のぷるっとした唇を尖らせられて、引き寄せられるように、顔が近づく。
「…起きたから」
永那ちゃんが片目を重そうに開けている。
ため息をついて、起き上がる。
目をギュッと瞑ってから、両目を開けた。
「2人のいちゃこらは、これでおしまい」
気づけば私達の手は、永那ちゃんのお腹に乗っていて、その手を永那ちゃんに握られた。
「2人して体重かけるんだから…さすがに重いよ」
「あ、ごめんね…」
千陽はぷいとそっぽを向く。
「…こんな時間か。穂、家行く?」
私はそっぽを向く千陽を見る。
“穂…帰らないで…”
彼女の絞り出したような声を思い出して、胸がズキズキと痛む。
「千陽…1人じゃ、寂しいよね」
私が言うと、「べつに」と言う。
「…てか、時間もったいないし、家でセックスしていけばいいじゃん」
「な…っ!お前、言い方直球過ぎない?」
「どうせするんでしょ?…なら問題ないじゃん」
「っていうか、“見たくもないし、聞きたくもない”んじゃないの?」
「…もう、それはいい」
「どういうこと?」
「とにかく…あたし1階にいるし、永那が帰る時間まで好きなだけ部屋使っていいから。…いてよ」
“べつに”と言ったけれど、“いてよ”が本心だよね。
「永那ちゃん…お言葉に、甘えよ?そのほうが、長く一緒にいられるし」
永那ちゃんの左眉が上がる。
私と千陽を交互に見て、「わかった」と頷く。
「穂…最後…して?お願い」
永那ちゃんを見る。
彼女は目をそらして、頭をポリポリ掻いた。
ゴクリと唾を飲んで、彼女の唇に唇を重ねた。
頬を両手で包まれて、舌が入ってくる。
え、永那ちゃんが見てるのに…!
心臓が駆けるように速くなる。
薄く目を開いて永那ちゃんを見るけど、ただ無表情に俯いていた。
私は千陽の舌を受け入れて、自分のを絡めた。
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